颯太
結望!
颯太
もうやめろ
結望
………?
結望
さ……く…ら?
そんなことないのに
桜だと思ってしまう
颯太
ごめん桜じゃない
結望
颯太…か
颯太
喉枯れてる
颯太
ほらこれ
ポスッ
颯太が私の手に握らせる
レモン味の飴
結望
…ありがと
結望
よく…持ってたね
貰った飴を舐める
颯太
それに結望が
颯太
ここに来る時は
颯太
辛い時、悲しい時
颯太
って決まってるから
結望
…さすが
結望
でもなんで飴?
颯太
よくここで泣いてただろ
結望
……見てたの
颯太
まぁね
結望
そっか
ポンポン
また颯太が頭を撫でる
颯太
よしよし
颯太
学校休んでもいいんだよ?
結望
ううん
結望
……学校は行くよ
学校も桜との
思い出の場所だから
颯太
そっか
ギュー
結望
…え?…颯太?
颯太に抱きしめられる
穏やかに和む私の心
だけど頭は混乱してて
颯太
……俺にしなよ
颯太
俺なら死なないし
颯太
ずっと守ってやるから
颯太
そばにいたから分かってるし
突然の告白
結望
…………
結望
……ごめん
結望
………ごめんね
ズビッ
色んな思いが交差する
感謝と辛さと
戸惑いと
言葉に出る代わりに
涙が止まらない
颯太
……いいよ
颯太
分かってるから
颯太
だけど俺は
颯太
そばに居るから
颯太
頼って
結望
……うん
結望
……ありがと
私はこの後も
思い出の場所に…………
結望
………ここは?
いつの間にか寝ていたらしい
?
早く起きなさい
よく知る女性の声
結望
え?
?
ほらー遅れるわよ
あの海にいたはずなのに
?
結望?
帰った記憶なんてないのに
結望
お母さん?
母
早く起きなさい
何故か家にいた
母
久しぶりの学校でしょ?
そして、もうひとつの謎
結望
久しぶり?
昨日まで通ってたのに
久しぶりの学校
母
そうよ
母
遅れてもいいの?
明らかにおかしい
その理由とは………………