テラーノベル
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未だ雨に打たれ続ける彼を ボーッと見ていた青だったが ハッとした このまま雨に当たっていたら 風邪を引いてしまう
…とはいったって…
青
桃
青
声の掛け方を考えていると 桃が片手を頭に持っていった 瞬間前へと身体が傾く
青
青は弾かれたように桃の方へと走った 地面に倒れずぶ濡れになった 彼の上半身をすぐに抱き寄せる
青
桃
青
病院はいい、と言った後桃は目を瞑った 青はどうするか、と考えたが、このままでは 身体が冷えきってしまう、と 桃の体を起き上がらせると どうにか腕を自分の肩へ回させ両足を掴み固定させれば、グイッとおんぶをした
青
やはり自分より身長の高い彼をおぶるのは 青にとって少々大変な事だ 所々フラフラしながらも 青は自分の家へと向かった
青
家に着くとまだ母親は居らず 青は自分の部屋へ桃を連れて向かった
青
桃
まだ、起きないか…、 とりあえず身体とか拭いて服… 変えないとなんだけどな、 あー、どうしよ、僕が変えるしか、無いかな…
青
青
青
青は1人バタバタとタオルや、体温計など 叫びながら探し回っていた
桃
青
桃
青
桃が辛そうに瞼を閉じて言葉を発しているが その声はか細く、よく聞こえ無い
ただ、何だかとても 辛そうで、苦しそうで、 何かを求めている様な気がした
青
青は眉を下げると、ベッドで横になっている 彼の雨で濡れた本来ふさふさであろう髪を 優しく撫でる
自分は何やってんだ、とハッとして 青はスっと手を引いた 横たわる彼の苦しそうだった表情は 治まったように思う
青
青はタオルを両手に彼の濡れて冷たい髪を ササッと拭くと 腕や首、顔も優しく拭いていく が、ここからが問題だ、 彼のビシャビシャに濡れてしまった服を 着替えさせなきゃならないのだ
男同士なんだから平気だろう と周りは言うだろう だが青は訳が違うのだ
あー、どうしよ… 何で僕、桃くんなんて 好きになっちゃったんだよ… いや、普通はさ!普通は女の子好きになるでしょ!!何で桃くん?! も、普通に着替えさせる事が出来ないって やばいでしょ!!
青
青はふぅ、と息を吐くと そっと桃の濡れたシャツのボタンに 手を伸ばした
桃
青
青
気を取り直し もう一度手を伸ばし脱がしていけば 優しくタオルで地肌を拭いていく
青
青
いや、まぁ、寝てるから 言っても意味ないんやけどさ でもほら、ね、一応さ!うん、
青はゆっくり上体を起こさせると 後ろも軽くタオルで拭き 自分の何時だったかに着ていた服を 桃の頭に被せる
青
桃
次は腕を、という時
背中に温もりを感じた、瞬間
グイッと身体ごと桃の胸元へ引き寄せられた
青
桃
青
桃はもう一度あったかい、と呟くと 青の肩へと顔を埋めた
青
桃
青
桃
青
桃は首元に鼻を擦り付ければ 青だ、と、もう一度顔を埋めた
青は理解が出来ずに顔を真っ赤に染めていく
青
桃
青
桃
桃は顔を上げると青の頬へ手を伸ばす その手は暖かく、細いと思っていた指は 男らしく骨ばっていた
桃のとろんとした目が青の瞳を捉える まだ乾ききっていない深い桃色の髪が彼の色気を倍増させている
桃は目を閉じると 頬を染め固まる彼のその
淡い赤桃色の柔らかそうな唇に
そっと自分の唇で触れた
…寒い…、ただただ寒い…
青
あぁ…、なんでだろ、 あいつの声がする…気がする…
青
寒い…助けて… 青…俺を、温めて…
桃は頭がボーッとしていた 青の声が夢なんじゃないか、と考える
だって青は鼻子ちゃんと…
桃は目の奥がツーンとなるのを感じた 目を薄ら開ければ青が目の前で何やら せかせかと動いている
桃は堪らず自分より一周り小さい彼の背中に腕を添えると
グイッと、青を引き寄せる
…青の香りだ… 隣を歩く時、昼を食べる時、 香水も何も付いてない、彼自身の香り 甘い柔軟剤の香り
桃
青
オドオドする彼をちらっと見る
大きい目をもっと開き 涙を浮かばせ どうすればいいかと、ぱちぱち瞬きをする彼
そんな彼は、桃からしたらとても 可愛らしく、愛しい
夢なら… 今なら…今なら青は、 俺だけの青になってくれんのかな…
そっと、青の頬に手を添える その頬はぷっくりしていて、暖かい
子供のように柔らかく 指で撫でれば
キュッと目を瞑る青 桃は耐えられずに、真っ赤な彼の顔に近付く
彼の赤桃色の唇は ぷにぷにと柔く、暖かかった
青
桃
青
桃
青
桃
青
桃はふわっと笑うと もう一度、青の唇へ、自分のそれを重ねた
吃驚し口をキュッと噤む青 桃は舌を出し、その可愛らしい唇をペロッと舐めた
青
桃
青は驚きに小さな悲鳴のような声をあげる と、桃は口が空いたのを見計らい 自分の舌をその半開きの口の中へと入れた
突然口の中に入ってきた熱いそれは 青の頭の中を白く染めた
目を見開き行き場を探すように キョロキョロと黒目を動かし 口の中で動く熱いそれから逃げるように 自分の舌を後ろへと引っ込めた
青
桃
それを逃がすまいと 青の舌を絡めとる
徐々に舌の動きも激しくなると 今度は口蓋を舐められる
青は痺れたかのような感覚に陥った その甘いしびれから逃れる方法は見当たらず 桃の肩に爪を立てた
桃
青
桃
その寂しそうな彼の声に 青は、胸がキュッと痛むのを感じた
青
桃
青
桃
青
急にドシッと肩に頭を乗せてきた彼に 青は焦ったように声を掛ける
桃
青
顔を覗き込めば幸せそうに目を瞑り眠る桃 青は、ホッとした様な、寂しい様な感覚に はぁ…と息を吐く
青
青は次からどうすればいいのかと考え もしかしたら忘れてるんじゃないか と思いながら まだ服を着ていなかった彼に服をきせていく
もう…、なんなんだよ… 桃くんのバカ…ッ、いきなりすぎるわ!? 起きたら今の事忘れてたりして…、、 態度が冷たくなってたらやだよ… も、僕はどうすればいいんだよ!!
青は複雑な気持ちを抱えながら 綺麗な顔で眠る彼を見る
青
そう青が小さな声で呟いた言葉が 桃の耳に入ってた事に、 青が気付くのは、いつだろうか
コメント
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フォロー失礼します!!
フォロー失礼します🙇 ちゅきです (♥ω♥*)キュンキュン♡*゜
ぶくしつです✊🙇♀️