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유리
34,256
食いもんだと思ってくれ
卒業式の日
エラは誰にも何も言わずに姿を消した
本当に“猫”みたいに
それから数年後
黄瀬涼太は海常高校でエースとして活躍していた
モデルとしても成功し、誰もが知る存在になっていた
でもーー
どれだけ時間が経っても、忘れられない人がいた
ある日の試合帰り
ふと立ち寄った公園で懐かしい背中を見つける
黄瀬
振り返ったその顔は、少し大人になっていた
でも、間違いなく彼女だった
えら
何もなかったみたいにエラは笑う
黄瀬
ずっと聞きたかったこと
やっと言えた
えら
黄瀬
えら
黄瀬
思わず叫ぶ
周りの視線も気にならなかった
黄瀬
“消えないで”って言えばよかった
そう続けたかったのに声が震えて出なかった
エラは少しだけ目を細めた
えら
黄瀬
えら
その言葉は優しくて残酷だった
黄瀬
黄瀬は一歩近づく
黄瀬
エラは少しだけ驚いた顔をした
黄瀬
沈黙
風の音だけが流れる
エラはゆっくりと目を閉じて、 それからーー
少しだけ泣きそうに笑った
えら
(続く)?