キュッキュッと運動靴と床が擦れる。
体育の時間。私が一番嫌いな科目。
特に球技が苦手な私は、
今日の授業内容であるバスケに苦戦していた。
咲野〇〇
「休憩ー!」
「一寸〇〇、大丈夫?」
「汗ダラダラじゃん!」
咲野〇〇
咲野〇〇
ぜぇぜぇと息を切らす私を、
同じクラスの友達が心配してくれる。
二人は運動部だからか、
こんな動いても涼しげな顔をしていた。
ネット 広い体育館の真ん中に網が張られ、
其の向こう側では男子が
マット運動をしていた。
皆とても詰まらなそうだ。
私の授業と交換して欲しい。
「休憩終わりー!」
咲野〇〇
よたよたとふらつきながら、
水筒を床に置いて立ち上がる。
あと半分…。え、まだ半分!?
「〇〇パス!」
咲野〇〇
ボール と、呆けていた私の元に球がくる。
其れに反応出来ず、
私は何故か後ろに尻餅を着いた。
咲野〇〇
グキっと右足首から嫌な音がする。
試合は中断され、
先生と友達が駆けつけた。
「大丈夫か!?」
咲野〇〇
咲野〇〇
立ち上がろうとすると、
捻った足首に鋭い痛みが走る。
思わず顔を歪めると、
異変に気付いた網の向こう側の男子達も、
此方を見ていて恥ずかしくなった。
「取り敢えず保健室行こう」
「保健委員…」
中原中也
「え、中原?何でお前此方側に…」
中原中也
中原中也
「否でも…」
中原中也
と、半ば無理矢理手を引かれ、
私は体育館から連れ去られた。