春千夜
…薬…俺の薬…
無我夢中で瓶から沢山の手から溢れるくらいの薬を取り出す
既に薬を飲んでいた頭は朦朧としていて正確な判断ができなくなっていた
この薬…全部飲んだら死ねるだろうか
春千夜
……はは
息絶えた自分の姿を想像し笑みが零れる
春千夜
これ、飲むだけでいいなら楽じゃねェか…
手のひらに乗せられた何十粒もの薬
やっと楽になれるなら…
薬を何回かに分けて飲む
飲むたびに体が熱くなり息が段々と出来なくなってくる
春千夜
ハハッ
今までの辛かったこと
口を裂かれた
妹を俺から突き放した
隊長を殺した
全部、全部忘れられた
肺の機能が停止しかけ息を吸うことがもうほとんどできなくなって苦しい
だけど…
まったく怖くねェ
つい昨日までは死に対する恐怖があったのに今はもう跡形もなく消え失せた
春千夜
もっ、と…
それどころか逆に生きることに対しての恐怖が生まれた
春千夜
まだ、足りねェ……
もう一口飲もうと手のひらを口元へ運ぼうとしたとき…
???
何やってんだ!?
切羽詰まった表情の???が俺の腕を掴んでいた
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