全員
青
久しぶりに屋上で6人で 弁当を食べる
ないこがりうらと付き合ってから 数日が経った
二人は毎晩メールしとるらしくて よく返信をないこに相談される
幸せそうでなによりや
赤
桃
赤
二人はほぼゼロ距離でくっついとる
食べにくくないんやろうか?
なんて疑問は愚問なような気がする
食べやすさより、密着度なんやろう
水
青
水
青
水
水
青
ほとけに言われるがまま 軽く口を開く
水
青
気がつけばほとけに口の中に ピーマンの肉詰めを入れられとった
驚きながらもなんとか咀嚼する
俺は別にピーマンが嫌いやないから 普通に美味しく感じた
青
青
水
水
青
水
青
水
青
恥ずかしさで爆発しそうや
ほとけから度々言われる 可愛いという言葉
好きな人から言われるだけで 特別に感じる
白
水
黒
黒
青
水
ほとけの発言は基本無意識や
やからこそ俺の心は 揺さぶられてしゃあないんや
ホンマに罪なやつや
水
青
水
ほとけが俺を心配しとる…
そんな姿もかわええ、、、
最近心を開いてくれとるから いろんな表情が見せてくれる
特大ファンサすぎてヤバい…
黒
青
青
白
黒
一瞬どこか遠くへ行ってしまい そうになっとった意識が アニキのおかげで戻ってきた
6人で屋上で弁当を食べるんは 何回もやってきとるけど、
一番最初に比べたら だいぶ変わったと思う
一番最初はほとけたちが まだ心開いてへんくて 俺らとの間の壁があった
でも今ではまったくない
りうらはすっかり ないこにベッタリやし、
初兎もアニキに懐いとると思う
ほとけは割と気まぐれやけど 俺と一緒におる時間が多い気がする
俺はほとけにいろいろと 翻弄されっぱなしや
でも、心を開いてくれた 証拠やと思うと嬉しくなる
桃
青
青
赤
桃
いつの間にか弁当を食べ終わった 二人が俺の元へやってきた
…確かにほとけのことを 考えてにやけとったかもしれん
青
桃
青
ないこが目を輝かせながら 俺に聞いてきた
心当たりの中心人物で 好きな人の名前を出された俺は 顔に熱が集まる感覚がした
赤
青
白
水
青
ほとけに面と向かって 聞かれてつい口篭ってしまう
こんなん認めとるようなもんやん…
青
青
水
ほとけの言葉に胸が痛む
咄嗟に誤魔化すために言った “友達として”という言葉を 本人に肯定されてしまった
これで良かったという想いと 辛いという想いが 俺の心の中で交差する
想いを告げなければ 友人としてずっと そばに居続けられる
そうやって納得しようと すればするほど、
前世から積もったほとけへの 恋心はジクジクと痛みを訴える
もう俺の心の中はぐちゃぐちゃや
黒
俯いとった俺に、 アニキが声をかけた
青
アニキを心配させへんために 急いで作った笑顔で平然と振る舞う
アニキと目が合った
その瞬間…
青
アニキに強く抱きしめられた
青
黒
青
アニキはきっと俺が何を 考えとるかわかったんやと思う
なおかつ、俺に気を使わせへんように 抱きしめた理由を自分の為と言った
アニキのあまりの優しさに 俺は涙が出そうになる
青
ないこはないこでほとけたちに、 俺たちをそっとしておくように 言ってくれとる
俺はホンマええ友人たちに 恵まれたようや
ないちゃんに言われて、 悠くんとまろちゃんを 見守っとる
二人は抱きしめ合いながら お互いを安心させ 合っとるように見える
二人の距離の近さを 羨ましく感じる
僕は最近気づいたけど、 悠くんのことが好きみたいや
それも友達としてやなくて 恋愛として
りうちゃんとないちゃんが 付き合った時に、
もし自分が同性で付き合うなら 誰がええか考えたんや
その時に悠くんと 本気で付き合いたいって 思っとることに気がついたんや
悠くんにとってまろちゃんは ただの幼馴染で、
そこに恋心はないって わかっとるはずやけど 嫉妬してまう僕がいる
僕はどうやら、 嫉妬深い性格みたいや
水
白
水
白
赤
桃
3人から言われるってことは 僕は相当怖い顔をしとるらしい
きっとそれは僕が嫉妬が顔に ガッツリと出てしまっとるんやろう
この顔を悠くんに見られるわけには アカンから、深呼吸をする
体の中を酸素を巡っていくと 嫉妬心がいくらか落ち着いた
白
水
白
水
桃
赤
己の嫉妬深さで迷惑を かけることがあるとは驚きや
これからはそういうことが ないように気をつけへんとな…
黒
桃
気づけば近くに悠くんが やってきていた
その後ろにはさっきよりも 元気そうなまろちゃんの姿もある
白
黒
黒
悠くんが僕を気遣ってくれた
その事実に嬉しさが込み上げる
きっと僕らの会話が 聞こえてたんやと思う
そうやないといきなり 僕に声かけへんはずや
桃
青
桃
相変わらず双子の二人の距離は近い
高校生でこんな仲ええ兄弟、 ホンマ珍しいと思う
水
青
水
水
水
いむくんが真剣な瞳で まろちゃんを見つめる
まろちゃんの綺麗な青い瞳が いむくんの言葉に揺れる
まるで結界でもあるかのように 二人の世界に全く介入できへん
何か発しようとしても、 音になることなく消えていく
僕ら4人はただ見守るしかできへん
ただただ無力や
青
青
青
まろちゃんは苦しそうに 自分を責める
いむくんに向けて見せた笑顔は 歪で涙を堪えとることが明白やった
水
いむくんが勢いよく まろちゃんを抱きしめた
青
水
水
まろちゃんの瞳から 大粒の涙が流れる
その涙はキラキラと輝いて すごく綺麗やった
青
初めて見たいふくんの泣き顔
僕はただ、抱きしめて背中を摩る
いふくんが少しでも 落ち着くように最善を尽くす
僕にはどうしていふくんが 泣いてるかはわからない
きっといふくん自身も 知られたくないと思う
無理に聞き出すことはせずに 安心してもらうことに注力する
少しずついふくんの 嗚咽が引いていく
青
青
水
水
優しくいふくんに笑いかける
けどいふくんは、 僕のせいにできないのか 困った顔をしている
また困らせてしまった
今日の僕は空回りしっぱなしだ
水
青
いふくんは本当に 優しい性格をしている
思いやりに長けていて、 自分よりも他人を優先できる
そんな彼に惹かれるのは 必然的なものなのかもしれない
僕のこの想いはずっと心に 秘めていると決めている
…いふくんはとても素敵な人だ
僕以外に相応しい相手がきっといる
そばに居られるなら、 ずっと友達のままでいい
水
僕は今、上手に笑えているだろうか
違和感が出ないように努力しているが 実際どうかは僕にはわからない
元々笑顔が得意でない僕が 自然な笑顔を作るのは 難しいかもしれない
それでも、僕は笑顔の仮面で この感情ごと覆い隠す
心が嘆いているのは 見ないフリをする
僕が僕でいるためには、 これしかないんだ
キンコーンカーンコーン
水
僕は昼休みの終わりを告げる チャイムに秘めた想いを 心の中で打ち明けた───
コメント
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はあほんとうに大好きですᵕ᷄≀ ̠˘᷅🫶🏻 クウォリティーが高すぎて書店に行って小説を読んでる気分です...神作をありがとうございます😭😭これからも無理せず頑張ってください👊🏻続き楽しみにしてます!