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16 - 君と永遠に

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2021年10月05日

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僕はるいの、とある学校に通う普通の女子高校生

今は理科の授業が終わったところで今日は理科係の子が休んでいたから代わりに僕が理科準備室までものを運んでいた

るいの

はぁ……これ重いな……
香羅さんいつもこんなもの持ってたんだ……

るいの

えっと……理科準備はここだよね…
何気に初めて入るなぁ……

コンコンと扉をノックして僕は

るいの

失礼しまーす

そう口にし、立て付けの悪い扉を塞がっている手の代わりに足で『ガラガラ』と横に引いた

るいの

えーっと……

準備室の中に入った途端ツンと薬品の匂いが鼻を襲った 中は通り道が狭く、棚ばかりで棚にはたくさんの薬品や道具が並んでいた

るいの

あれ……水酸化ナトリウム水溶液ってどこに置いたらいいんだ……?

準備室の中に教師の姿はなかったから僕は誰にも聞くことが出来ずにどうしようかと扉の前で立ち止まっていた

るいの

(香羅さんって置く場所全部把握してるのかな…
すごいや……)

あの……

僕はクラスメイトで理科係の香羅さんに関心していると突然後ろから声をかけられた

驚きつつ後ろを振り向くとそこにはクラスメイトが居た

るいの

えっと…君は確か………

身長は僕よりかなり低く痩せ型、タレ目のどちらかと言うと可愛い部類に入る少年。 その姿には何となく見覚えがあったが名前はでてこなかった

や、病です…
君は同じクラスのるいのさんだよね?

るいの

え、名前……

僕は彼の名前がでてこなかったのに彼は僕の名前をすぐに口にしたのに驚いたのには理由があった

彼は始業式には来たものの、体が弱く一学期中はなかなか学校に来れなかった

二学期になりやっと投稿できるようになったがなかなかクラスに馴染むことは出来ずに保健室登校をしている子だからだ

正直彼を見たのは始業式ぶり

く、クラスメイトの名前は全員把握してるよ…
仲良くなろうと思ってな、名前覚えたんだけど…
あんまり上手くいかなかったから……

るいの

そうなんだ…

そ、それより水酸化ナトリウム水溶液の場所だよね……?
それならこっちだから…つ、ついてきて…!

るいの

場所わかるの……?

う、うん…
だいたい覚えてる

るいの

ふーん……

なぜ知っているのかと疑問に思ったが 次の授業に遅れるのも嫌だったので僕は 彼について行った

えっと…ここの棚…だよ

るいの

あ、ほんとだ
ありがとう
助かった

い、いえ……

るいの

それじゃあ次の授業が始まる前に僕はもう行くね

う、うん…
バイバイ

その後の授業は何故か彼のことで頭がいっぱいだった

るいの

(病くん…なんであんなとこにいたんだろう……)

るいの

(薬品を片す時も手つきが慣れてたな……)

るいの

(仲良くなろうと頑張った……か……)

そういえば二学期になった頃彼は沢山の人に話しかけていた気がする 僕のグループにも来たけど僕は友達に流されて彼と話そうとはしなかった

るいの

(せっかく学校に行けるようになって、頑張ってクラスメイトに話しかけていたのに僕はあんな態度取っちゃって…)

るいの

(後で謝ろうかな……)

そんなことをぼーっと考えているとチャイムがなり、授業が終わった

モブA

るいのちゃ〜ん!
お昼食べよ〜

るいの

あ、うん

僕は病

保健室登校の男子高校生

たった今同じクラスのるいのさんと話したいたところ

う、うん…
バイバイ

僕がそう答えると彼女は軽く手を振り『ガラガラ』と扉を開けて準備室を出ていった

……

はぁ…っ

緊張した……

僕の心臓はバクバクと大きく音を立てて動いており、手も手汗をかきまくっていた

(クラスメイトと話しただけなのに…
なんでこんなに緊張してるんだろう……)

僕がそんなことを考えている時、また『ガラガラ』と音をたてながら扉が開いた

お、病

準備室に入ってきたのは理科科の律先生だった

あ、り、律…先生

どうしたの?
座り込んで……

あ、さ、さっき…クラスメイトのるいの…さんが来て

喋ったのでき、緊張…しちゃって……

あー、なるほどな
まぁ少しづつ喋れるようになればいいと思うよ

あ、は、はい……
頑張ります……

俺これからここで明日の授業の準備をするんだけど
病はどうする?

て、手伝います……!
手伝わせてください…!

ん、助かる

あ、お前授業は大丈夫なのか?

え、次は理科で担当はり、律先生…だった気が……

あやっべ、忘れてた
んじゃやるかぁ〜

あ、は、はい…w

放課後

僕は律先生に理科準備室までクラスメイトのノートを持ってこいと言われ理科準備室に来ていた

るいの

失礼しまーす
2年3組のるいのです。
律先生はいますか〜?

あ、るいのありがとな

ちょっとこっちまで持ってきてくれないかな?
今手が離せなくて……

るいの

はーい

部屋の奥から律先生の声が聞こえた 授業の準備でもしているのだろうか 僕は言われた通りノートを律先生がいる場所まで持っていった

ん、ありがと
助かる

悪いね、理科係でもないのに
今日は色々振り回しちゃって

るいの

いえ…て、あれ?

僕は律先生の隣にいる黒い布を被った人に目がいった

るいの

こ、この人は何を……

あー、蛍だよ

るいの

ほ…たる?

うん、病が気になるって言ってたから学校まで持ってきた

こうやって布をかぶせて当たりを暗くして除くと光るんだ

るいの

病……あ、じゃあもしかして病くん……?

僕が質問すると布の中からヒョコリと病くんが出てきた

あ、る、るいのさん……

るいの

蛍…かぁ

うん…ち、小さい頃に見た事あって
き、綺麗だし……

今回か、観察してわかったことも沢山あって……面白かった……

るいの

へぇ、例えば?

そうだなぁ…
る、るいのさんこの中に入ってみてくれない…かな?

僕は言われた通り布の中に入った

蛍が光るのかと思ったけど、特にひかる様子もなくあたりは真っ暗なままだった

るいの

…あれ?光らないけど……

そ、そうなんだよね

実は蛍は下腹部にルシフェリタンっていう発行物質をもってて
アデノシン三リン酸とマグネシウムイオン存在下で発酵酵素と反応すると
酸化されて光る仕組みみたいで…

るいの

へぇ……

全然わかってない顔だね

う、うんまぁ…覚えなくても大丈夫だと思う……

そ、それで同じような蛍光物質は人工的に作れるんだ
今回はり、律先生に頼んでルミノールを用意したよ

仲間を作ればもっと光るはず……

すると病くんは僕の隣に来るとモゾりと布の中に入りルミノールを設置した

彼からふわっといい匂いがした… というのは置いといて布の中にルミノールを入れた途端に蛍が光だした

あ、ほ、ほら…
光った

微妙に色は違うけど
こんなふうに光るんだよね…

るいの

へぇ…
綺麗だね……

うん、でも蛍が光るのは
外敵に自分が有毒だと知らせるための
警戒色でもあるんだって…

るいの

そうなの?

ほ、蛍には毒があるからね……

とある研究で蛍の毒は強心ステロイドってことが判明してて
水溶性が高く、医薬として役立つんじゃないかって期待されてるみたい……

るいの

そ、そうなんだ……

いやぁ…凄いね
俺何も教えてないのに3日くらいでここまで知識を得るとは

るいの

そ、そうなんですか…?!

僕は驚きバサッと音を立てながら布の中から出た

そうなんだよね〜
もう才能大あり、俺なんで教員やってるんだろうって思うくらい

で、でも先生のおかげで分かったこともある…から…

るいの

…あの

僕はふと思ったことを尋ねた

るいの

病くんっていつもここにいるんですか?

るいの

実験とかしてるみたいだし…

まぁそうだな
暇な時とか特に放課後は絶対くるね

り、理科準備室…は学校の中で1番好き…

るいの

ふーん…
なら、会いに来ていい?

え?

るいの

放課後、病くんに、会いに来る、OK?

あ、うん…

正直、自分でもこんな事を言ったことに驚いていた

なぜだか彼と話していると楽しくて心がふわっと軽くなるからかもしれない

るいの

それじゃあ僕はもう行くね

はいよー、きーつけなねー

ば、バイバイ…!

それから僕は毎日放課後に理科準備室に行き病くんと一緒に家に帰っていた

彼は博識で優しくて意外とノリも良くて少し…いや、かなりビビりで

それでも僕が危ない目に会った時…例えば急に自転車が僕の前を横切った時とか

ぶつかる寸前で体を後ろに引いてくれたりしてほんとに優しいんだなと思った

いつしか博識で、優しくて、面白くて、か、可愛くて…そんな彼が気になり始めていた

香羅

あ、るいのさーん!

るいの

香羅さん

ある日の金曜日、いつも通り病くんと帰っているとクラスメイトの神楽さんに声をかけられた

香羅

この間係の仕事変わってくれたみたいで…
お礼言いに来たんよね、ありがとうね!
お礼言いそびれとったから

るいの

ううん、大丈夫だよ
わざわざありがとう

香羅

あれ?

突然香羅さんは僕の右側にいた人影を見て声を上げた

香羅

君…病くんだよね?
2人とも仲良いんだ〜
初めて知った!

病くんはビクッと体を反応させ僕の後ろに隠れるが香羅さんの笑顔を見て彼もにこりと笑った

その姿を見て少し胸がチクリと傷んだ

香羅

それじゃ!

香羅さんは僕に軽く手を振ると部活の友達の元へ行ってしまった

るいの

病くん怖がってたけど大丈夫?

う、うん…優しい人っぽかった…し…

るいの

そっか

るいの

それじゃあ僕こっちだから

るいの

じゃあね

う、うん…バイバイ

僕に手を振る彼は何故か少し寂しそうな顔をしていた

僕はどうしたんだろうと思ったが深く追求するつもりはなくそのまま別れた

そして月曜日の朝あれから病くんは1ヶ月学校に来なかった

1ヶ月以上学校に来ない彼が心配になり僕は病くんと親しかった律先生に尋ねることにした

るいの

先生!

うぉ?!
るいの…どうかした?

るいの

あの…病くんが1ヶ月以上学校に来ないんですけど…
何かあったんですか?

ありゃ?聞いてないの?

るいの

聞いてない…です

入院だよ

るいの

っ?!

律先生の言葉に僕の体は一気に不安に包まれた

ほら…彼病気持ってたろ?
それが悪化したみたいでさ
入院してるんだよね

るいの

そんな…いつから…ですか?

ちょうど1ヶ月くらい前の土曜日からかな

るいの

…!

先生のその言葉を聞いて僕は1か月前の病くんの表情を思い出した

るいの

(あの顔は…そう言うことだったのか…)

るいの

先生、病くんの入院してる病院教えて貰えますか?

いいよ〜

るいの

病くんっ!

その日の放課後、僕は律先生に言われた病院に来て看護師さんに部屋を教えてもらうと病くんのいる部屋に入った

その部屋にはベットがただひとつ、そこには目をつぶった病くんがいた

るいの

…病くん……

病くんには人工呼吸器や点滴が沢山つけられていることからそれだけ彼の状態は酷かったのだと実感した

そんな病くんの隣にある棚の上にひとつの手紙が置かれているのが見えた

何も考えず思わずその手紙を手に取ってしまった

そこには少し癖の強めの字で

「るいのさんへ」

と書かれていた

るいの

病くん…っ!

僕は一つ一つの文字をゆっくりと心の中で読み始めた

るいのさんへ

今、君がこの手紙を読んでいるということは僕はきっと入院しているのだと思います

るいのさん、元気かな?…えっと字が見ずらかったらごめんね

るいのさん、僕と仲良くしてくれてありがとう。 初めクラスに馴染めなかった時全員を恨んだ「なんでそんな冷たく接するの」「話しかけてくれないのって」クラスメイト全員正直るいのさん含めて

それでも今はるいのさんに感謝してる あの時話しかけてよかった、話してくれてありがとう 毎日僕に逢いに来て一緒に帰ってくれてありがとう。 るいのさんは僕の1番の友達です

でも僕はもう貴方と友達という関係を辞めたいと思います

るいのさん

大好きです。 友達としてでは無く恋愛感情として。 病弱でビビりな僕だけど良かったら僕と付き合ってください

るいの

…!

僕はいつの間にかボロボロと涙を流していた

もちろんこの告白の答えはYES

るいの

病くん…僕も、大好きだよ…

これから10年後、今でも僕らは幸せに暮らしているのはまた別の話

はーい

今回の話はかなり前に澪彩さんと「病とるいのさんの話を作ろう」と約束した話であります

投稿遅くなってすみませんしたー!!

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コメント

4

ユーザー

普通に感動しました← 寝落ちするまでハート押します←え もう…あの…うん……最高←語彙力どこ行った←るいの結構感情移入して嫉妬含めて色々感じてました←言うな

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