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アサガオ

4 - 絶叫♪瞑想♪迷路オバケ屋敷☆

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2023年06月14日

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俺らはアトラクションにチャレンジをするために休憩所を出た。

ほむらくんのおかげで不安も消えたし、みんなもだいぶ元気な様子になってきた。

さんど。

さて、早速アトラクションにチャレンジするとしますか!

ゆん

まずは簡単そうなのでお願い!!

るる

じゃあ、あれは?

るるくんが指す方向に視線を向ける

るる

「絶叫♪瞑想♪迷路オバケ屋敷☆」だってよ、迷路なら簡単なんじゃない?

一部の人たちがしかめっ面をするのが分かった。 正直俺もしていたと思う。

さんど。

なあ……その、ひとつ忘れてないか?

るる

ん、なんだ?

さんど。

迷路だけじゃねぇんだよ……

るる

オバケ屋敷

さんど。

分かってんじゃねぇかちくしょうが!!!

ほむら

し、正直そんな、そそ、そんな怖くないんじゃない?

アベヨースケ

お前ガッタガタだぞ

オタ

大丈夫だよ怖いのなんてみんな嫌だからさあ〜

くそ……でもここから出るにはチャレンジするしかないのか………

さんど。

そんな11人もいらないと思うから選抜して行こう

…………誰もやりたがらないじゃねえか!!!!

誰一人として手を挙げていない。 そりゃあそうだ!!オバケ屋敷だからだ!! いくら迷路で簡単そうでもオバケ屋敷!! そう、このひとつの単語が俺らを不安にさせている!!

JACK

じゃあ、オレがいくぜ?全員ビビりらしいからよォ

アベヨースケ

へ〜なんかムカつくから俺もいく〜

さんど。

じゃあ、リーダーとして俺行こうかな!!

ぴぇこ

よっ!!部長!

さんど。

ぴぇちゃんくる?

ぴぇこ

いやだ

ぜある

じゃあ俺行くよ。頑張ってみる

カンキャラ

えと…じゃあ…行きます……

さんど。

お!!勇気あるな!!じゃあこの5人でいくぞ!

オバケ屋敷に向かおうとした、そのときだった

フォーチュン

ピコーン!!!!!!!!!

さんど。

ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ぜある

はやい!!はやいよ!!!

やあ、シャーディーだよ。

さんど。

おまっ……お前心臓に悪いぞ……

大丈夫だ。これからもっと心臓に悪いことが起こるからね。

そう、そいつの説明を忘れていた。

そいつは案内ロボ、「フォーチュン」だ。

アトラクションのやり方を教えてくれたりするロボットだよ。

フォーチュン

ヨロシクナノダ!

さんど。

だからここに現れたんですか…?

そう。アトラクションの説明をしに来たんだよ。

じゃあ、楽しんで。

ぜある

なるほど

フォーチュン

ジャアセツメイスルノダ!

フォーチュン

ココハメイロオバケヤシキ!

フォーチュン

30プンイナイニココヲデルノダ!

フォーチュン

ソシタラポイントゲット!

フォーチュン

オメデトナノダ!

カンキャラ

とりあえず30分以内にここを出ればいいのね?

JACK

楽勝、楽勝。たかが迷路だろ?

アベヨースケ

さあ、どうだか

フォーチュン

ホントウニブジデカエッテコレルノカハアナタシダイナノダ!

アベヨースケ

…今の言い草だと無事で帰って来れねぇようだが

さんど。

でも……チャレンジしないと誰もここから出られないし…

アベヨースケ

…それはそうだな。いくぞ

さんど。

…おう。

さんど。

ふ、雰囲気すげえよぉぉ………

入ってみると真っ暗で、細かいところまで丁寧に作られていた。

………何かがおかしい…?

さんど。

な、なあ、ここなんか変な感じしない?

ぜある

そんな感じしないけど。はやく行こうよ30分だよ。

JACK

じゃ、オレ先行ってるんで!

アベヨースケ

おま!!おい!!

暗闇に消えていくJACKさんとアベさん。

あの二人流石だなあ…

ぜある

じゃあ僕も先行ってる。

カンキャラ

こ、怖いからさんど。さん一緒にいよ………

さんど。

お、おう……二人でいたほうが心強いしな………

JACK

くそ…真っ暗で足元が見えねえ…

「JACK」

JACK

お、アベちゃん着いてきたか。オレ1人にさせてくれ。お前がいると足でまといだ。

後ろからアベに声をかけられ、やれやれ、と振り向く

顔がよく見えない。なんだか不気味な感じがする。

JACK

………アベちゃん?

話しかけても返答はない。

数分、そこでたたずんでいたら、アベから何かを話し出した。

「足でまといになってるのはお前だろ?」

JACK

な………何言ってんだよ。オレはそんなつもり……

「怖いんだろ?」

「この状況が。誰よりも怖がってるじゃねえか」

JACK

……怖くねえよ

「強がりやがって。気持ち悪い」

…………こいつ本当にアベか?

……アベは……アベは気持ち悪いとか…本心で言うようなやつじゃ……

JACK

…なぁ、お前誰だよ

その瞬間後ろから何かが歩いてきた。

振り返ってみると、しんきゃらさんだ。

しんきゃらさんもそこにたたずんでいる。

小さく吹く風が、彼の白衣を靡かせている。

JACK

な……なんなんだよお前ら……

「怖がってるんでしょ?強がるの、きもいよ」

また、違う方向から声が聞こえる

振り返ると、オタくんだ。

オレは……おれは……

JACK

な………なんなんだよ!!何がしてぇんだよ!!

また、奥から何かが歩いてくる

白髪。イキって乱したシャツとネクタイ。暑くて腰に巻いた黒コート。中二病チックなブーツ。

………あれは……オレか…??

オレは死んでるのか?…いや、今ここにいる。じゃああれは…

なんて、血迷っていると目の前のオレにそっくりな何かが嘆き出した。

「怖いよぉッ!!いやだッ!怖いッ……怖い怖い怖いッッ!!!」

なんて…泣きそうな声で…

コイツ…?!?!

JACK

なんだよ……なんなんだよお前……

「今すぐにでも逃げだしたいッ!!あのとき入ろうなんて思わなければよかった!!いやだッ!!!死にたくないよぉッ!!」

JACK

なんのつもりだよ…お前…オレは…

「分かってるんでしょ?!自分のことでしょ?!ボクだよ?キミの目の前にいるのは自分なんだよ?」

JACK

は…

「みんな…みんなこわいって思ってるよね…ボクだけじゃないのはわかってるよ…でも怖いんだよッ!!!いやだよッ!!死にたくないんだよぉッ!!」

コイツは……コイツは……コイツは……

 オレはコイツの胸ぐらを掴もうとした

…手が…抜けた…?

コイツに目掛けて手を…

コイツは…?コイツはなんなんだ…?

オレは一気に不安になって逃げだした。その場から。 一刻でも早くアイツと離れないと。 オレは……オレは壊れちまう。

夢中になって逃げていると何かにぶつかった。

ドンッと音を立て、オレはその場に倒れた

JACK

こ、今度はなんだよッ!!

アベヨースケ

…JACK?どうした…お前……

JACK

っあ……

アベヨースケ

とりあえず立て。ほら。

……オレはアベから差し出された手をとり、起き上がった。

アベヨースケ

何があったんだよ。この短時間で。

JACK

短時間…?

短時間だったか…?オレは…もう結構たったとおもってたが…

アベヨースケ

…まぁ、とりあえず行くぞ。ゴール目掛けて。

JACK

え…あ、お、おう。

ぜある

………ここも行き止まりだ。

ぜある

どこもかしこも…行き止まりでよくわかんない

ぜある

2人ともはぐれちゃったし…ひとりで歩いて来たのは僕か。

はやく出口を探してポイントを取ろう。 そう思って足を急かせた。

「ぜあるくん」

ぜある

ん…?

「……ぜあるくんって頭いいよね」

黒髪で、ピンクのグラデーションが入ったボブヘアー。 頬のリボンのパッチワークが特徴的な女の子。

ぜある

…ぴぇちゃん、なんでここにいるの?外で待ってたはずだよね?

「だからだよね。頭がいいから、他の人を蹴落とすことしか考えてないもんね」

ぜある

は…

「私知ってるもん。ずっとそういうこと考えてるんでしょ」

ぜある

考えてないよ…そんなこと……

「ぜあるくんの嘘つき!考えてるでしょ?」

また、後ろから声がする。

振り向いてみると、すこし、オレンジ色の入った金髪の子。

「僕たちのこと、どうでもいいんでしょ?」

ぜある

ゆんちゃんまで…!そんなこと考えてなんか…!!

「考えてるだろ?失望したよ」

また声がする。

茶髪に赤のグラデーションが入った髪。クマのピンがとめられている。

ぜある

なんで……ほむらくんまでなんでそんなこと…!!

ぜある

なんなんなの…?!何がしたいの?!

「お前、俺たちに死んで欲しいんだろ?」

「自分さえ、助かれば俺達のことなんかどうでもいいんだろ?」

まただ。また……

緑の短髪で、寝癖を整えず、そのままにした男。

ぜある

僕は……僕は………

「みーんな死んじゃえばいいんだ」

「僕さえ、助かればいいんだから」

「それ以外解決策が思いつかないんだ」

白髪に、紫メッシュ。サスペンダーを着ていて、その上に犬のパーカーを着た…

僕に似た男

ぜある

…ぼ…く…?

「だけどッ!!だけどッ!!僕はそんな自分が嫌いだッ!!仲間を売るようなことしか考えられないッ!!そんな自分がァッ!!!」

男は嘆き出した。悲痛な声で。僕の気持ちを表すかのように。

「もういいッ!!みんな死ねェッ!!死んでしまえッ!!!そうしたらッ!!僕は誰かのことを考えずに済むんだぁッ!!」

ぜある

ッぁ………なんなの…なんなんだよ………

一気に気味が悪くなって僕はその場から逃げ出した。

もう嫌だ。なんなんだアイツは

まるっきり僕の気持ちを表している

アイツは…

カンキャラ

う……さ、さんど。さん…どこぉ…??

自分がよそ見しながら歩いていたら、さんど。さんとはぐれていた。

2人でも怖かったのに、1人だともっと怖い。

「カンキャラさん」

カンキャラ

あぇっ?!

振り返ってみると、銀髪で洒落たパーカーを着た男。 るるくんだ。

カンキャラ

る、るるくん入ってきたの?!

問いかけても返事は無い。

あれ、と思いもう一度声をかけようとしたそのとき

「頼りないよね。カンキャラさんって」

カンキャラ

え?まぁ…そんなの自分でも分かってるけど……

「弟のしんきゃらさんと全然違うね。しんきゃらさんの方がなんでも出来るじゃん」

カンキャラ

それは…そうだけど…

「どう?この状況」

…どう?どうって?どういうこと?

カンキャラ

どういう…こと?

「この状況、このデスゲームに巻き込まれたとき、どう思った?」

カンキャラ

…そりゃあ、怖いって…

「へぇ、ダッサイね」

カンキャラ

……

「しんきゃらさんの方がなんでも出来るよね。カンキャラさんなんて要らなかったんじゃない?」

カンキャラ

…弟と…比べないでくれる…?

「へー、それって自分がまだ無熟なのを自覚してるんでしょ?」

「じゃあ、なんで生きてるわけ?だったら死ねば?」

カンキャラ

なんでそんなこと…

確かに自分は無熟で、何も出来なくて、頼りなくて…

でも、そんなに言う…?

奥からなにか歩いてくる

くすんだ緑色のパーカーの上にジャージを着た… 俺…?

「………」

何も喋らず、こちらをじっと見てくる。いや、向いている。

カンキャラ

…ねえ、何が起きてるの…?君は誰なの…?

「俺、しんきゃらのこと嫌いだなぁ」

カンキャラ

…え?

「兄より上になりやがってさぁ。弟なんて要らなかったのに。」

「信頼があるし、頭もいいし、運動神経もいいし、機械系も得意だし、可愛いからモテるし、優しいし、ノリいいし、俺とは大違いだよね」

「気持ち悪い」

カンキャラ

…なんで?なんで…

「…とぼけないでよね」

「俺はお前なんだからさ」

カンキャラ

ッぇあ……ッ…?!

息が詰まる。その場から逃げだしたい。無理だ。体が動かない。

誰か助けて。誰か。もう。やだ。しんきゃらのこと好きになるから。もう嫌わないから。お願い。どこか行って。お願い。

後ろからドタドタと走る音が聞こえる

「カンキャラさーんッッ!!!」

さんど。

ここにいた!!何してるんだよ!30分たつよ!!はやくいくよ!!

カンキャラ

さんどさッ…!!

よかった…本当に……よかった…。

多分、もう30分はたっただろう。

諦めるしかねぇのかなぁ…

ぜある

ッあ!!さんど。さん!!

さんど。

?!、ぜあるくん!

ぜある

よかった……

さんど。

…?、どうしたんだよ

ぜある

その……

アベヨースケ

おー、いた

耳を塞いでガタガタするJACKさんを連れて、アベさんもやってきた。

さんど。

……どうしたんすか

JACK

おまっ…ふん、何もねぇよ。

今まで俺に気づいていなかったのか、焦って耳を塞いでいた手をどけ、やれやれ、というポーズをしてそっぽを向いた。

さんど。

…どうしたんだよお前らは、どいつもこいつもガタガタしてさ

ぜある

…さんど。さんは…見なかったの?

さんど。

…なにが?

カンキャラ

その……俺も多分似たもの見たんだけど……なんか、みんなと自分に似たヤツらがさ…

JACK

おま、お前らもか?!オ、オレもでさ……あれはトラウマもんだぞ…?!

アベヨースケ

何の話?俺は見てないぞ?

さんど。

俺もだな…何があったか詳しく教えてくれるか?

ぜある

……その、みんなと自分に似たヤツらが、僕のことを責めてきたんだ。

ぜある

みんなに似たやつは、自分のコンプレックスとなるところを責めてきて、自分に似たやつは、僕自身の思ってることをそこで嘆き出すんだよ。

JACK

やめてくれ…思い出させないでくれ…!!

アベヨースケ

厄介だなぁ…俺は本当にそんな奴らは見てない。

さんど。

俺もだ…

…自分のコンプレックスとなるところを…か…

JACK

な、なあ、こんな話してないで、さっさと出ないか?ここから…

さんど。

あー、そうだな!早くでるか。

こうして、俺らははぐれることはせず、そのままで口へと向かった。

しんきゃら

出てきた!異様に遅かったけど大丈夫だった?!

JACK

あ、ああ大丈夫だ!!元気だぞ!

フォーチュン

30プンオーバー!!ポイントハナシナノダ!!

アベヨースケ

だろうなぁ〜。さあ、次のアトラクション行くぞー

ほむら

みんな本当に大丈夫だよね?!元気だよね?!

さんど。

ま、まぁな〜

ゆん

その…次のアトラクションじゃなくて、とりあえず休憩所戻ろうよ!

ぜある

賛成…。休憩所行こう。

さんど。

んー、まぁそうだな!休憩所行くか!

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