りゅう
帰らない。人間界には。

クドラク
では、理由を聞こうか。

りゅう
そのうち分かるよ。

クドラク
とゆうと?

りゅう
あんたの真似だよ。

りゅう
(結婚してもいいなんて言えねぇよ///)

クドラク
そうか。では後にまた聞こう。

りゅう
うん。そうして。

クドラク
もう寝るんだ。

りゅう
分かった。

りゅう
(心臓の音:ドクドク)

りゅう
(お、落ち着かない…///)

りゅう
(顔も熱い///)

りゅう
(寝れるわけがない///)

りゅう
んん……。朝か。

りゅう
あれ?クドラクは?

りゅう
起きるの早いんだなー。今何時だ?

りゅう
う…学校だったら遅刻…。

りゅう
(学校…。)

りゅう
やめよ。

りゅう
(あっちの世界のこと考えるの、やめよ。)

りゅう
(みんな忘れる…。みんな。)

クドラク
起きてたか。起こしに来たんだが。

りゅう
あ、おはよう。

クドラク
朝食はどうする?

りゅう
食べたい…。

クドラク
行こうか。

りゅう
ね、どこで食料調達するの??

クドラク
遠くに発展している街がある。そこに行っている。

りゅう
お、俺行きたい!

クドラク
今ガルダが向かっていった。

りゅう
そっか…。

クドラク
案内ついでに連れて行ってやる。

りゅう
やった!

りゅう
(少しでも力に…。)

クドラク
言っておくが、かなり遠いぞ。

クドラク
振り飛ばされないようにしろ。

りゅう
分かった。

クドラク
ここはサファー街のメインストリートだ。ここ以外はほとんど廃墟のようなものだ。危ないから近づくな。

りゅう
分かった。けど、人も少ないね。

クドラク
そうだな。

りゅう
店員居ないけどいいの?

クドラク
金だけ置いてけば品は取っていっても問題ないだろう。

りゅう
盗まれるよね…😓

クドラク
こう見えてもこの国は食べ物には困っていない。

りゅう
夕飯はいつもクドラクが?

クドラク
しっかりシェフがいる。

りゅう
(会ったことないな…。)

りゅう
ね、あれ。

クドラク
街人だな。

怪しい薬屋
あんたら。

クドラク
誰だ??

怪しい薬屋
新しく薬屋を開いたんだが、客が来なくてよ。

りゅう
薬屋さんですか。

怪しい薬屋
客が来ないから売上が良くないんだよ。何か買っていってくれないか??

りゅう
(可哀想…。)

りゅう
クドラク。買ってあげようよ。

クドラク
……。

クドラク
いいだろう。

怪しい薬屋
ありがとうございます。

怪しい薬屋
これとこれと、あとこれなんか凄いオススメですよ!!

りゅう
(ご、強引だな…😅)

クドラク
………。

クドラク
いくらだ?

怪しい薬屋
14,300円です!!

りゅう
(高っ!😱)

クドラク
これで。

怪しい薬屋
ちょうどお預かります〜!!サービスの飴もどうぞ!!毎度!

怪しい薬屋はりゅうの手に飴を置いた後、一瞬にして姿を消した。
りゅう
な、なんだろうね…。

クドラク
詐欺師だな。所持している薬を全て買わせている。少なくとも薬の知識は無いだろう。

りゅう
え?!じゃあ、どうして買って…。

クドラク
金は腐るほどある。

クドラク
それに、買わなかったらしつこく付け回してくる野郎だ。ここら辺ではあういうやつは有名だ。まぁ私も初めて会ったのだがな。

りゅう
俺が買ってあげようとか言ったから…。ごめん。

クドラク
お前のせいじゃない。

りゅう
(笑ってる……しかも頭撫でて…///)

クドラク
優しいんだな。

りゅう
いや、そんなことない///

りゅう
ねぇ、何の薬なの?

クドラク
私もわからない。危ないな。スバルに聞いてからにしよう。

りゅう
そうだね。そういえば、ここにガルダさんいるんだよね?

クドラク
あぁ。人は居ないから探しやすいだろう。みんなで帰ろうか。

ガルダ
ただいま〜

スバル
皆さんお揃いで。お帰りなさいませ。遅かったですね。

クドラク
少しトラブルにあってな。この薬品を調べてくれないか?

スバル
承知しました。

クドラク
りゅう、ガルダ。夕食の準備が出来たら呼びに行く。

りゅう
分かった。

ガルダ
はーい。

りゅう
あー、暇だなぁ…。

りゅう
この世界に来てからスマホもいじらなくなったな。

りゅう
クドラクに結婚の話してみようかな…。

クドラク
空いてるぞ。

りゅう
クドラク。

クドラク
どうした?

りゅう
(緊張して、言えねぇ…。)

クドラク
おい。大丈夫か?

りゅう
あ、あの、薬屋に貰った飴。あげる。

りゅう
ご、ごめん。それだけ…。

クドラク
???

りゅう
(勇気ないよ…。はぁ…。)

クドラク
飴か。大丈夫だろう。頂こう。

りゅう
はぁ。

ガルダ
元気ないな。どうした?

りゅう
なんでもない…。

ガルダ
お前なぁ…。

スバル
元気ないのは健康に悪いですよ。飴でもどうぞ。

りゅう
ありがとうございます。

ガルダ
お前いつもここにいるな。

りゅう
ガルダさんこそ。

ガルダ
俺はお前がいるからってだけ。

りゅう
そ、そうなんだ…。

りゅう
俺はもともとこういうの好きだから。

ガルダ
そうなんだな。

りゅう
スバルさん。あの薬調べてなにかわかりました?

スバル
はい。結果出てますよ。しかし、何故あんなものを買ったのです?

りゅう
あ、いや、俺のせいで詐欺師に買わされちゃって…。

ガルダ
馬鹿だなぁ。気をつけろよ。

りゅう
すいません…。

スバル
あの街も危険ですからね。詐欺師で有名なんですよ。

りゅう
そうだったのか。

りゅう
(クドラクは俺にあの薬屋の事を心配させないように??)

ガルダ
それで、どんな薬なんだ?

スバル
はい。成分としてはリンゴ・ザクロ・タマネギやトリュフ。チーズ・ニンニクなどの沢山の成分が含まれております。

りゅう
安全じゃない…??

スバル
いいえ、危険ではないですがこの食材達に共通するものがあるんです。

ガルダ
お前医者だろ。なんだよ。

りゅう
えぇぇ、わかんない…。

ガルダ
医者なのにわからないお前に1番驚きだ。

りゅう
だって…。

スバル
これらに共通する事は、惚れ薬とされる成分が含まれてるということです。

ガルダ
おい。お前医者だろ。惚れ薬ってなんだよ。

りゅう
………。

りゅう
俺に聞かないで……。

ガルダ
………。

スバル
惚れ薬というのは恋愛感情を起こさせるような薬です。また別の効果もあります。

ガルダ
なんだ?

スバル
性の欲を高めさせる効果があります。

りゅう
うわ……。

ガルダ
変なもん買わされたもんだな。

りゅう
あの…10,000円もかかったんです。

ガルダ
こんな少量で?!

りゅう
他にも違う箱あったよ?

スバル
はい。空でした。

ガルダ
空き箱買わされたってか?

りゅう
そ、そういう事…だね…。

ガルダ
国のトップがなんで詐欺にあってるんだよ…。

スバル
仕方ないでしょう。クドラク様の優しさもあったのでしょう。

スバル
それでこの薬は簡単に言うと媚薬になります。

りゅう
最初からそう言ってください…。

りゅう
(無知なのがバレた……😓)

スバル
この薬はどうします?

りゅう
俺が後でクドラクに渡しときますよ。

スバル
はい。空いてますよ。

コック
クドラク様がなかなかいらっしゃらないので、個人的に夕食のお知らせに参りました。

スバル
ありがとうございます。

りゅう
ガルダさん。誰だ?

ガルダ
この城のコック。

りゅう
あの人が…。

ジュピター
りゅう様。私がこの城のコックを務めております。ジュピターでございます。

りゅう
はぁ…、ジュピターさん。

りゅう
あなたは…??

ジュピター
はい。バジリスクの血を受け継いでおります。

りゅう
(バジリスク??)

ジュピター
簡単に言えば、コブラです。

りゅう
ヘビ?!

ジュピター
はい。

りゅう
(俺ヘビ苦手…。)

ガルダ
お前……😓

りゅう
だって…。

ジュピター
どうかなさいました?

りゅう
あ、いや特になんでもないです。わざわざありがとうございます。ガルダさん、行こ!

ガルダ
あ、あぁ…。

スバル
私も食堂に向かいますね。

ジュピター
はい。ごゆっくりどうぞ。

3人は食堂に向かい、ジュピターは調理場へ戻って行った。
りゅう
あれ?クドラク居ない?

ガルダ
クドラク様、部屋にいるんじゃ??

りゅう
そうかな?

ガルダ
俺知らないよ?クドラク様の部屋。

スバル
私も存じ上げません。

りゅう
(みんな知らないの??知られないようにしてるのか??)

ガルダ
りゅうは知ってるのか?

りゅう
し、知らない。

ガルダ
本当にー?

りゅう
(あぁ、テレパシーかよ…)

ガルダ
なーにか隠してない?

りゅう
なんでもないって、ご飯食べよ??

スバル
そうですね。申し訳ないですが、部屋もわかりませんし。

ガルダ
……。

りゅう
………。

りゅう
クドラクまだ来ないね。

スバル
心配ですね。

ガルダ
まぁ、あの方なら大丈夫だよ。りゅう、風呂いこ〜ぜ。

りゅう
う、うん…。

ガルダ
あの人もあの人で忙しいんだ。気にすんなよ。

りゅう
そ、そうなんだ…。

りゅう
何してると思う?

ガルダ
なにって………なんだろ。

りゅう
気になる。

ガルダ
やめとけやめとけ。首突っ込むなよ?

りゅう
分かったよ…。

入浴後、いつもの様に大広間で話すことなくりゅうはクドラクの部屋に向かった。
りゅう
クドラク??

クドラク
……。

りゅう
何やってんの?

りゅう
な、なんの音??

りゅう
仕方ないよね…。

りゅう
クドラク。薬が何かわかった……クドラク?!

クドラク
はぁ…はぁ……。

りゅう
大丈夫?!

クドラク
はぁ…はぁ……。

りゅう
と、とりあえずベットに…。

クドラク
すまない……。

りゅう
どうしたんだよ…。

クドラク
飴だ……。

りゅう
飴?

クドラク
はぁ……はぁ……。

りゅう
(薬屋から貰ったやつか??)

クドラク
あの飴を食べた……。

りゅう
(薬屋は惚れ薬を俺たちに買わせた……。もしかしてその飴も惚れ薬とおなじ効果が…??)

クドラク
はぁ……はぁ……。

りゅう
俺のせいだ……。

クドラク
違う…。

りゅう
く、苦しむ…??

クドラク
少しな……大した事ではない…。

りゅう
俺が…。治さないと…。

クドラク
はぁ……はぁ……。

りゅう
クドラク?!

りゅう
(やばい。苦しそう…。)

りゅう
暑い…??ごめん。少し待って…。

りゅう
ごめん。ごめん。ごめん。

クドラク
りゅう……。あぁ……。

りゅう
(惚れ薬だったら、恋愛感情を起こさせるんだっけ??だったら……。)

りゅう
ごめん。こうすれば俺にだけ気が向くか…??

クドラク
りゅう……。

りゅう
ごめん。ごめん。許して…。

クドラク
りゅう……。

りゅう
ごめん。クドラク……。

クドラク
頼む………。治してくれ…。

りゅう
………。

りゅう
でも、どうすればいいのか分からない。

クドラク
はぁ……はぁ……。

りゅう
(苦しそうだよ……。治さないと。)

りゅう
(俺が吸血鬼に襲われらときみたいにするの??)

りゅう
(俺も惚れ薬を使えばいいの?)

りゅう
(あぁ、わかんない。)

りゅう
(ごめん…。ごめんね…。)

りゅう
うぅぅ……。

りゅう
ごめん……。

クドラク
りゅう……。

クドラク
はぁ……。ぐぅっ。

りゅう
これしか、やり方……分からない…。あぁっ。

クドラク
はぁ……。あぁぁ…。

りゅう
ぅぅぅぁ。

クドラク
や、辞めるんだ……。

りゅう
辞めたら……クドラクが……。

りゅう
治らない……。

クドラク
うぅっ、ぐぁぁ…。

りゅう
クド……ラク…。ごめん…。

クドラク
すまない…。今回は私の過ちだ…。

りゅう
うぅぅぅ…。

クドラク
もう、泣くのを辞めてくれ。

りゅう
俺が…飴をあげたから…。

クドラク
それを私が食べたせいだ。

クドラク
本当にすまなかった。

りゅう
うぅぅ…。

りゅうは疲れ果て、クドラクの上に座ったまま動かなかった。
クドラク
少しは落ち着いたか??

りゅう
うん………。

クドラク
もう泣くのを辞めてくれ。

りゅう
………。

クドラク
私のために…。

訂正版です。話の内容は変わってません。セリフを少し訂正しました。