誕生日

僕は自分の誕生日が嫌い

昔

〈んー？

〈それがなに？

〈はぁ、？どうせあんた高いもの買ってっていうんでしょ？だめよ、そんなのお金の無駄遣い！

ねぇママこれ買って~！！〉

〈いいわよ~、

僕の家庭は父がいなくて、母が一人で僕と妹を育ててる

妹は父似だからか、やたらと母から愛されてる

こんなのおかしい、って言ってもどうにもならない むしろなにか言われるかもしれない

おばあちゃん！〉

〈よく来たね~、誕生日プレゼント見してみ、ﾆｺ

ママにね！これ買ってもらったの！！〉

〈あら、？なろ屋のは、？

〈まぁそれは残念ね~…、

〈また機会があったらなにか見せてちょうだい

うん！〉

誕生日プレゼントなんてもらえやしない 仮に買ってもらったとしても、そんなもの持っていかないで、と母に言われる

いつしか僕は誕生日という存在が嫌いになってしまった

誰にもおめでとうの一言ですら言われない、プレゼントも何もくれやしない

誰にも頼れなかった

今も好きじゃないし、誕生日は家からいつも出ない

また言われたくないから、辛い現実を見るなら、いっそのこと部屋に閉じこもってたほうがいい

そう思ってた

〈ピンポーン

ｶﾞﾁｬｯ…、

いただきまーす

皆で抱きついてくれた 今までにないくらい強く抱きついた こんな僕に今までで1番幸せな日をプレゼントしてくれた

本当に感謝してる

僕は誕生日が嫌いじゃなくなった

皆のおかげで、