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星が降る夜に、彼女は笑っていた。

第2話 - ｢隣の席の子｣

2021年02月21日

#タイムスリップ

#恋愛

#記憶喪失

#ミステリー

#友情

#ファンタジー

つづき

クラスのみんなは転校してきたアイナの周りに集まっていた

ユリ

ねねー！アイナちゃんってなんで
ここに転校してきたの？！

アイナ

お父さんの仕事の関係だよー

ツグタ

えー！まじ！
父さんなんの仕事してんの？！

アイナ

お医者さんだよ！

ツグタ

うぉぉぉ！すげぇ！

ジュン

(あれが僕の
会いたかった人なのか…？)

ジュンはみんな集まってアイナに質問している中、少し離れたとこから見ていた

厨二病

なんだね、ジュン
貴様はあっちには行かないのか？

ジュン

う、うん
君は確か…厨二病くんだよね

厨二病

おまっ！
き、貴様までバカにしてくるとは…

ジュン

えっ！(ってかなんで
言い直したんだ？)

厨二病

おれは厨二病じゃない！
ケンタロウだ！

ジュン

え、あ、ご、ごめんなさい

ケンタロウ

ん？どうした…？

ケンタロウ

貴様、なんだか今日は様子が
おかしいぞ

ジュン

そ、そうかな

ケンタロウ

ああ、

ケンタロウ

やはり、闇の侵略か…？

ジュン

闇の侵略…？

ケンタロウ

ああ、貴様、
多分そろそろ闇に飲まれるぞ

ケンタロウ

いや、もう飲まれてるのか…？

腹にドラゴンの卵を植え付けられし鬼神

何意味わかんないこと言ってんだよ

ジュン

君は確か腹のオロゴンの玉を付けられた鬼龍くん…だよね

腹にドラゴンの卵を植え付けられし鬼神

え、お前、殴っていい？

ジュン

え、？ご、ごめんなさい

ケンタロウ

腹にドラゴンの卵を植え付けられし鬼神だ！言い間違えるな！

腹にドラゴンの卵を植え付けられし鬼神

お前も殴るよ？

ケンタロウ

殴る…それは攻撃力なん…

マコ

そうだ、コウダイくん

マコ

この前貸した本、返して

コウダイ

ああ、ごめん、忘れた

マコ

は！ちょっと！今日までに返してくれないと困るんだけど！

コウダイ

ごめんごめん、今日の放課後マコの家まで行くから

マコ

もー、忘れないでよね！

ジュン

(この太ってる人、
コウダイって言うんだ…)

｢ピーンポーンパーンポーン｣

山根先生

はーいみんなー
席に着いてー

クラスのみんな

はーい

アイナ

は、はーい！

みんなは自分の席に着き始めた

この教室には9つの机があって、 3×3の形になっている

山根先生

まず転校生さんが来たということで、座席をちょっと変えまーす

クラスのみんな

おおー！

山根先生

くじ引きを用意したので、
どんどん引いてってー

山根先生

出た番号私に言ってー

クラスのみんな

はーい

クラスのみんなは先生が用意していたくじ引きを引き始めた

ツグタ

うぉ！俺2番！

ユリ

私3ー

山根先生

どんどん引いてってー

ツグタ

え、ユリと隣？！

ユリ

えーツグタとかぁー
私アイナちゃんがよかったー

アイナ

えへ。ありがとう

ヒカル

1番だー

コウダイ

おらは5番

マコ

私4番ね

コウダイ

お、マコ、隣じゃん

ケンタロウ

我は7か…

アイナ

私9番です！

アイナ

君は何番？

ジュン

えっ、

ジュン

8番、だよ

アイナ

おお！もしかしたら隣じゃん！
よろしくねー

ジュン

(なんだろう、この気持ち)

ジュン

(アイナちゃんと話していたらなんか
フワフワしてくる)

ジュン

(いや、僕じゃない、
アイナちゃんがフワフワしてるんだ)

山根先生

はーいみんな引き終わったみたいねー

山根先生

じゃー発表します！

山根先生

じゃん！！

山根先生

それじゃあみんなこの席に着いてー

クラスのみんな

はーい

みんなは自分の荷物を持って、席に着き始めた

アイナ

よろしくね！

ジュン

う、うん

アイナはニコニコしながらジュンに挨拶をした

アイナ

そういえば、名前なんて言うの？

ジュン

僕はジュンだよ

アイナ

ジュンくん！そっか！
改めてよろしくね！

『ジュンくん！』

ジュン

(多分、間違いない…)

ジュン

(これはあの時見た記憶と同じだ)

ジュン

(多分、このアイナちゃんが僕の)

ジュン

(会いたかった人だ…！)

ジュン

(でもなんで会いたかったんだ？)

ジュン

(何か特別な理由でもあったのかな…)

ジュンはアイナの横顔を見つめながら考え事をしていた

アイナ

…？？

アイナはジュンの方をチラチラ見ながらモゾモゾしていた

アイナ

ど、どうしたの？

アイナ

か、顔に何か着いてる…？

ジュン

ん、えっ、いや、これは、その…

ジュン

な、何でもないよ！！

ジュン

(完全にぼーっとしてた…)

ジュンは顔を赤くし始めた

アイナ

そ、そうなの…？
ならいいんだけど…

アイナ

そんなに見つめられたら、
なんだか照れちゃうよ…

ジュン

ご、ごめんね…！！

アイナ

いや、大丈夫だよ！

｢ピーンポーンパーンポーン｣

山根先生

はーい休み時間終わりー

山根先生

次はみんなに2年生の意気込みを
書いてもらいまーす

山根先生

書いたやつは教室の後ろに貼って、
1年間残るものだから
ちゃんと書くんだよー

クラスのみんな

はーい

山根先生

じゃあ今からプリント配るから、
それに書いてねー

山根先生

多分去年もやったし、わかるよねー

山根先生は前列の3人にプリントを渡して、回させた

ユリ

はい！アイナちゃん！

アイナ

あ、ありがとう！

山根先生

あら、アイナちゃん、プリント取るのちょっと大変そうね…

山根先生

1個前詰める？

アイナ

いや、大丈夫です！
このままでお願いします

山根先生

あらそう？まあアイナちゃんがいいならいいんだけどねー

山根先生

それじゃあみなさんー
2年生で頑張りたいことやその為に何をするか、書いていってくださーい

クラスのみんな

はーい

山根先生

書き終わったら先生に見せてねー

みんなはプリントに目標を書き始めた

ジュン

(頑張りたいこととその為には、か…)

アイナ

ねーねージュンくん！

ジュン

えっ、！

アイナ

何書いたの？

ジュン

いや、僕は何も書いてないよ

アイナ

あーそっか

ジュン

アイナちゃんは？

アイナ

私もなんにも書いてない！笑笑

ジュン

あー、そうなんだね、あはは

するとアイナはジュンのプリントを見始めた

アイナ

ジュンくんって｢淳｣って書くんだ！

ジュン

あーうん、そうだよ

アイナ

へぇ〜
どーゆー意味なの？！

ジュン

えーっと確か…

ジュン

ねーママ！

母

なぁにぃー

ジュン

ジュンの名前の由来ってなにー？

小学4年生のジュンは、テレビ番組の企画でやっていた｢芸能人の名前の由来とは！｣に興味をいだいて、

キッチンで夕飯を作っている母に聞いた

母

それはねぇ…

ジュン

『優しい子育ちます様に…』

ジュン

って言う意味だったかな？

ジュンは上を見ながらそう答えた

ジュン

(そーいえば何でこれは
覚えてるんだろう…)

ジュン

(1年前に起こった、いや、これから
起こる｢何か｣とは関係ないからなのか…？)

ジュン

(ちょくちょく覚えてる所もあるし、
その可能性はあるな…)

アイナ

へぇ〜素敵…

アイナ

確かにジュンくん優しそうだもんね！

ジュン

そ、そうかな？

アイナ

うん！ぜーったい優しい

アイナ

まだ会ったばかりだけど、
これから仲良くしようね！

ジュン

うん、

アイナ

えへへへ。

アイナは笑みを浮かべた

『えへへへ。』

｢ピーンポーンパーンポーン｣

山根先生

はーいじゃあこれにて帰りの会を
終わりまーす

山根先生

ツグタくん号令よろしくー

ツグタ

はーい

ツグタ

起立、気を付け、さようなら

クラスのみんな

さよーならー

山根先生

みんな気を付けて帰るんだよー

クラスのみんな

はーい

ユリ

はい！今日は転校生が来たということでぇー…

ユリ

早速遊びに行こう！

アイナ

ええっ！

ツグタ

いいねぇ！！

ヒカル

どこ行く？

ツグタ

どこ行きたい？アイナちゃん？！

アイナ

えー、どこだろー、、

ジュン

？

アイナは何やら困っているようだった

マコ

まだここに来たばかりだし、まず何があるか紹介しないとねぇ

ユリ

そっか！そうだね！

ツグタ

まずー、『ギックリモンキー』！

ツグタ

値段は安いし、味も美味い！

ユリ

お次に『はめ寿司』！

ユリ

平日は1皿70円という格安寿司屋さん！

ツグタとユリはハンバーグと寿司を思い浮かべてヨダレを垂らしていた

コウダイ

『しゃぶ緑』とか！

コウダイ

あのしゃぶしゃぶを5枚重ねて食べるのがたまらぁん…

コウダイもまたしゃぶしゃぶを思い浮かべてヨダレを垂らしていた

アイナ

でもわた…

ヒカル

いやお前ら食べ物しか頭に無いのかよ笑笑

ヒカル

カラオケとかあんだろ

ヒカル

あとはちょっとチャリであっちの方行ったら『ラウンドツー』とかもあるし

ヒカル

あそこの『ラウツー』、釣りあるんだぜ

アイナ

つ、釣り？！

ヒカル

うん
凄いだろ

アイナ

珍しい…

アイナ

えーと、ち…

マコ

本屋さんとかもあるわよ

マコ

小さいけどね、

ジュン

(アイナちゃん、何か言いたそうにしてる…)

ツグタ

ジュンもどこか言えよー

ジュン

えっ、いや、でも…

ユリ

昔よく遊んでたとことかさー！

ジュン

えーと…

ジュン

(何がある？
覚えてないんだよなぁ…)

そう考えていると、教室の窓に座っている少女がジュンに話しかけた

エマ

アイナちゃん、引越しの片付けとかあると思うよ！

ジュン

え、エマ？！

ユリ

エマ…？

ツグタ

って、誰だ？

みんなは疑問の目をジュンに向けた

ジュン

え、いや、えっとまあって…

エマ

ほーら！言いなよー！

ジュン

(そんなこと言ったら場の空気を乱すんじゃないのか…？)

ジュン

(でも、アイナちゃんだって
困ってるし…)

エマ

何を迷ってるのー？

エマは窓から降りて、ジュンに近づいて言った

エマ

大丈夫。エマを信じて！

ジュン

(そ、そう言われても…)

アイナ

ど、どうしよー…

アイナは下を向いていた

ジュン

(待て、よく考えよう…)

ジュン

(アイナちゃんが言ったとしたら
アイナちゃんへの悪いイメージが
作られてしまうんじゃないか…？)

ジュン

(なら、ここは俺が言わないと…)

ジュンは唾を飲んで覚悟を決めた

ジュン

あ、アイナちゃんは、引っ越してきたばかりだし、

ジュン

片付け、とか、し、しなきゃいけないんじゃ、無いのかな…？

クラスのみんな

……………

ジュン

(まあ、そうなるよね…)

ツグタ

た、確かに…

ジュン

え

ユリ

それは考えてなかったーー！

ユリ

ねぇアイナちゃん！今日ってもしかして遊べなかったりする？！

アイナ

え、あ、うん…

アイナ

ほ、ほんとごめんね…

ツグタ

いやこっちこそだよ！
なんか遊べる前提で話してごめんな！

ユリ

うんうん、ごめんね！

アイナ

大丈夫だよ！

ジュンは空気が少し悪くなると思ったが、逆に少し明るくなった

ジュン

よかった…

エマ

ね！言ったでしょ！

ジュン

ありがとう、エマ

エマ

いいのいいのー！

ユリ

まって、私いい事思い付いた！
みんな聞いて！

ユリは手を上げてそう言った

ヒカル

なんだー？

ユリ

みんなでさ！
アイナちゃんの手伝いしようよ！

ツグタ

いいな！それ！

ツグタ

みんなやろうぜ！

ツグタ

んで、集まったのはこの4人だけか…

ユリ

そう、みたいね…

ヒカル

だな

ジュン

うん、

ツグタとユリとヒカルとジュンはアイナの家の前に立っていた

｢ガチャ｣

するとアイナの家のドアが開いてアイナが出てきた

アイナ

ごめーんお待たせ！

アイナ

どうぞ！中に入ってー

アイナは4人を連れて家の中に入った

ツグタ＆ユリ＆ヒカル

お邪魔しまーす！

ジュン

お、お邪魔します

アイナの父

おお、君たちがアイナのクラスメイトかい

ツグタ＆ユリ＆ヒカル

はい！

アイナの父

今日は片付けを手伝ってくれるそうだね

ツグタ

はい！手伝わせて頂きます！

アイナの父

いやぁ申し訳ないねぇ

ユリ

全然そんなことないですよ！

アイナの父

そうかそうか、

アイナ

じゃあ私の部屋2階だから、
先上がっててー

4人はアイナの部屋がある、２階に上がった

アイナの父

アイナ、いい友達ができたな

アイナ

うん！

アイナはにこにこしながらそう答えた

ツグタ

うおおお！すげぇ

ツグタ

新居って感じだァ！

ツグタはベットが1つとダンボールが5個だけ置いてあるアイナの部屋を見て興奮していた

ジュン

(ダンボールとベットが置いてあるだけじゃないか)

アイナ

ごめんお待たせー

ツグタ

うぉぉおおお！

ツグタ

いいのか！これ！

今度はアイナがお盆に乗せて持って来たクッキーとジュースに興奮した

アイナ

うん！手伝ってくれるって
言うからね！

ユリ

わざわざごめんねー

アイナ

いやこちらこそだよ！

アイナ

あ、でも机ないや

ユリ

床で大丈夫だよ！

ツグタ

うんうん

アイナはクッキーとジュースの乗ってあるお盆を床に置いた

アイナ

さあさ、食べよ！

みんなはお盆の周りに座った

ツグタ

いっただっきまーす！

ツグタはすぐさまクッキーに食らいついた

ツグタ

うんめぇぇぁぇ！！

アイナ

ほんと！

ツグタ

うん！

アイナは嬉しそうににこにこした

ヒカル

おいツグタ食い方汚ぇ

ユリ

ほんとよ！
部屋汚したらどうすんの！

ツグタ

そ、そっか！すまん！

アイナ

いや全然だよー

アイナ

ほら！みんなも食べてー

ユリとヒカルとジュンもクッキーを手に取った

ユリ

ﾓｸﾞﾓｸﾞ…

ユリ

おいしい！

ヒカル

ほんとだな

ジュン

(これ、めちゃくちゃ美味い…)

ジュン

(なんか懐かしい味がするな…
食べたことあるようなないような…)

アイナ

どう？ジュンくん
おいしい？

ジュン

うん、おいしいよ

アイナ

ほんと！よかった！

ジュン

うん、

ジュン

もしかしてこれってアイナちゃんが
作ったの？

アイナ

え、そうだよ！
よく気付いてくれたね！

ツグタ＆ユリ＆ヒカル

まじ？！

ツグタ

すげぇなアイナちゃん！

ユリ

すっご！

ヒカル

才能あるねぇ

アイナ

えへへ。

アイナ

みんな美味しそうに食べてくれるから私嬉しいよ…！

アイナは笑みを浮かべた

ツグタ＆ユリ＆ヒカル

(か、可愛い…)

ジュン

……

ユリ

ん、どうしたの？浮かない顔して

ジュン

え、？

ユリはジュンの顔を心配そうに見てそう言った

ジュン

あ、え、いや

ジュン

と、トイレ行きたくて

アイナ

あ、トイレなら1階だよ！
あ、私連れてくよ！

ジュン

あ、わざわざごめん

アイナ

ここだよ！

アイナはトイレの前に立ちそう言った

ジュン

あ、ありがとう

アイナ

いや、こちらこそだよ！

アイナ

やっぱ予想通りジュンくんは優しかった！！

ジュン

え、？

アイナ

ほら！片付けがあるって気付いてくれたのジュンくんでしょ！

ジュン

あー、まあそうだね

ジュン

いやまあ大したことないよ…

アイナ

いや大したことあるある！

アイナ

ジュンくんのおかげで今日は初めて友達を家に入れたし！

ジュン

でも、僕が言っててもアイナちゃんが言っててもきっと結果は変わらないよ…

アイナ

もーーー！

アイナは少し顔をプクッとさせた

アイナ

ジュンくんのおかげな物はジュンくんのおかげなの！ね！

アイナはジュンの手を握ってそう言った

ジュン

え、ああ、う、うん、わ、
わかったよ…！

ジュンは顔を真っ赤にし始めた

ジュン

ど、どういたしまして…！

アイナ

そう！それでよーーし

アイナ

じゃ、私戻ってるね！

ジュン

うん、

ジュン

はぁ……

ジュンはトイレのドアに寄りかかりため息をついた

エマ

なーに、疲れたの？

ジュン

まあね…

エマ

そりゃあ久しぶりの外だもんねー

ジュン

うん…

ジュン

エマって僕以外には見えないんだね

エマ

そうだねー

ジュンは少し顔を暗くし始めた

ジュン

それよりさ、

エマ

んー？

ジュン

これがどう繋がるんだ…？

エマ

繋がる？なにがー？

ジュン

1年前に起こった｢何か｣に…

星が降る夜に、彼女は笑っていた。

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