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―迂闊だった。
僕としたことが、この程度で折れてしまってはいけないというのに、こんなになるだなんて想像もできなかった。
どうしてこの程度でこんなにも醜く人や自分に甘える『自分』に負けてしまうのだろうか。
他人の感情や今の状態、痛み、それだけで終わらず最悪な事に自分の感情や今の状態さえもわからないそんな冷酷な人間が幼馴染1人の事故でこんなにも心が空っぽになって一気に崩れるだなんて誰が想像しただろうか。
否、誰も想像しないだろう。
なぜなら普段の僕は『完璧で聖人な優等生』なのだから、
誰もが皆僕が『完璧で聖人な優等生』だと信じて疑わない、そういえば僕はそう思われる事に重みを感じていたな。
……よく考えれば今のが『例』じゃないか、僕は自分が『完璧で聖人な優等生』なのだと考えられ、頼られ、期待され、そして信頼される事に対して何よりも嫌悪感そして劣等感を抱えていた、
そうだ、そうだったな。
僕は『完璧で聖人な優等生』に見える様に、近くにたまたま存在した『見本』を真似し演じていたにすぎないからだ、
僕など『完璧で聖人な優等生』などではない、本当はただたまたま近くにいた『本当』の『完璧で聖人な優等生』であった『見本』に憧れ醜く真似をしそのまま成長しただけの『傀儡』なのだから。
だから劣等感を感じていた。
……こんな話はどうでも良い。僕はノートや携帯のメモなどに自分の気持ちや状態のことを書く事になると何故かおしゃべりになり本題からズレてしまう癖がある。本当にバカバカしいな。
…そんな事を考えながらいつも通り殺風景でそれは暗い部屋で、さきほど完成した曲の絵を描いていたら外から声が聞こえてきた。
浅葱母
浅葱優真
浅葱優真
適当に微笑んで話を長くされない様にささっと動いた。
浅葱母
浅葱優真
そう思いつつ財布とエコバッグを持って玄関に向かった。できるだけ明るく聞こえる声で
浅葱優真
ガチャッ
そう言って玄関を開けた、久しぶりの外だ。引きこもってると夕方でもこんなに眩しく感じるのかと風にあたりながら考えていると
?
と言う声が聞こえた、女性の声だ。声の聞こえた方を見ると家の門の前に胡桃色の綺麗な髪を肩甲骨の少し下ほどまで伸ばしたそこそこ可愛い少女がいた。同い年くらいで僕が通ってる学校のと同じ制服を着ている。
?
少女が何を話したらいいのか迷っているようだが、話しかけてきた。……面倒くさい。確かこの人は同じクラスの白石芽依だったか、プリントを届に来てくれたのか
浅葱優真
思わず質問をしてしまった、話したくも笑いたくもないくせに無理矢理口角が上がっていた。僕の癖だ、我ながら気持ちの悪い癖だと思う。
白石芽依
意外だ、初めて予想が当たった。全く嬉しくはないが嬉しいな
浅葱優真
両手の指を胸の前で合わせて笑う。 もう話すのをやめたい、どこかに行ってくれ
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
わかりやすい様に買い物のカバンを持つ手を少し上げて見せた
白石芽依
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
白石さんが少し近づいてきた。反射的に僕は少し後ずさる。それをみた白石さんが2歩下がった。そして少し首を傾げ、自分の事を指差しながら
白石芽依
浅葱優真
…は?聞き間違えではないだろうか、今この人は僕について行ってもいいかと聞いたか?同級生とはいえほぼ他人だぞ。しかもこちらは不登校、何を言っているんだこの人は
浅葱優真
思わず心の声が外に漏れてしまったことに気が付きサッと口元を隠した。そして彼女は無表情のまま続けた。
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
浅葱優真
白石芽依
そう言って彼女は僕の家の門の外側へと足を踏み出した。それに続いて僕も3段位しかない階段を降りて白石さんの後を追った、運動せずに引きこもりっぱなしの僕は少し歩いただけでも10m走を走った後の様に体が重くなっていた。
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
白石芽依
浅葱優真
白石芽依
浅葱優真
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
浅葱優真
白石芽依
浅葱優真
浅葱優真
白石さんが一瞬だけその垂れた綺麗な紅梅色のジト目を少し見開いて驚いた顔をした
白石芽依
白石さんも買うものがあった様で一旦離れられた。こんなに心臓がバクバクしているのは何ヶ月ぶりだろうか。そう思いつつカゴの中に牛乳や卵、インスタントのものなど頼まれたものと僕自身が必要なものをカゴに入れていき、レジに並んだ。人はそこそこいるが5分くらいは待ちそうだ。4分ほど待っていると案の定僕の番が回ってきた。
?
すると店員が僕の顔を見る限り顔色を変えすぐに顔を隠してマスクとサングラスをしはじめた。…… とても感じが悪かった。
浅葱優真
会計が終わり外に出ると白石さんが待っていた
白石芽依
腰に手を当てながら言った。空を見ると先ほどまでまだ夕方だったのにもう夜の様になっていた。早く帰らねば母を心配させてしまう
浅葱優真
そう言って少し早歩きで歩いた。
白石芽依
浅葱優真
そう言って彼女は歩きながらも空を少し見つめていた、
浅葱優真
僕がそう言うと白石さんも早歩きで歩きはじめた
白石芽依
やっぱりズバズバ言ってきた。
浅葱優真
僕は思わず苦笑いを浮かべた。僕の家からコンビニまでは歩いて15分程度のところにある。早歩きで歩いていればあっという間に着く距離だ。そう思いつつ歩いていると僕の家が見えてきた。僕は足を止めて白石さんに話しかけた。
浅葱優真
流石に女性1人で夜道は危ないと思った。すると白石さんは振り返って言った
白石芽依
少し驚いた。てっきりまだ少し歩くのかと思っていた。でも真後ろなら安心だな。
浅葱優真
門の内側に入って白石さんに向かって愛想笑いで手を振った。
白石芽依
そう言って白石さんは僕の家の真横にある階段から降りて行った。
……その瞬間僕はそれまで浮かべていた笑顔を削ぎ落とした。ポストの中に入っていたプリントが入っている袋を出して家の中に入った。
冷蔵庫の中に入れるものは入れ、自分のものだけ持って自室に戻る。
全く、散々な一日だった。そう思いつつ椅子に座り机に向かった。パソコンを起動し作曲ソフトを開く。 ピアノの音を調整しながら、もう白石さんとは会う事はないだろうと思っていた。
不知火
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78
#下手くそ注意
まっちゃ𖠚ᐝ
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コメント
1件
読んだよ、「迂闊だった」の第一話…。優真くんの内面がすごく生々しくて、読みながら息が詰まるような感覚になった。完璧な優等生を演じてるけど、実は自分を「傀儡」って言い切っちゃうところが痛いほど伝わってきた。そんな彼が久しぶりに外に出て、芽依っていう同級生と偶然会うシーン、ちょっとした空気感がリアルだったな。彼女が「芽依も付いて行っていいかしら」って言ったとき、優真くんの戸惑いと心の声が可愛くて少し笑っちゃった。でも最後に「もう会うことはない」って思ってるところが切なかった…。これからどうなるんだろう、気になる🥀