TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シークレットタイムは恋の始まり!?

一覧ページ

「シークレットタイムは恋の始まり!?」のメインビジュアル

シークレットタイムは恋の始まり!?

1 - シークレットタイムは恋の始まり!? 第1話

♥

7,516

2021年01月07日

シェアするシェアする
報告する

時田 譲

本当にいいの?

飯村 羽澄

うん…

時田 譲

ははっ。…そんな焦らなくても、もう大丈夫だよ

時田 譲

俺は飯村さんのものだから

飯村 羽澄

(恥ずかしい…っ)

これじゃ、ただの欲求不満だ

時田 譲

いっぱいキス…しよ?

飯村 羽澄

んっ…っ、はぁ…

時田 譲

っ…んっ…

私たちは唇が腫れるくらい、たくさんのキスをした

時田さんに初めて会ったのは、約1ヶ月前──

ある日の昼休み

午後1時ごろ

飯村 羽澄

(もうすぐ1時か…)

この『午後1時』という時間──

私には特殊な現象が起こる

今坂 みやび

今日の昼一の授業ダルすぎ~

飯村 羽澄

分かる~。古典の先生の説明って眠くなるし

今坂 みやび

そうそう!

今坂 みやび

ただでさえ眠くなる科目な──

今坂 みやび

…………

飯村 羽澄

(あっ、今日も始まった)

飯村 羽澄

(30分間だけ起こるこの現象…)

ときどき午後1時になると、時が30分だけ止まってしまうこの現象を

私は、【シークレットタイム】と名付けた

私だけが動ける、秘密の時間だから──

何でこんな現象が私に起こるのかは、さっぱり分からない

飯村 羽澄

(小さい頃は、楽しんだりもしてたけど)

飯村 羽澄

(もう慣れちゃったし…)

今は鬱陶しいだけだ

飯村 羽澄

(こんな特殊な体験、もうやだ…)

飯村 羽澄

(はぁ…今日の暇つぶし、どうしようかなぁ)

慣れてしまうと、やることがなくなってしまうため暇になってしまう

だから、シークレットタイムが始まると、校舎内を歩くのが恒例となっている

飯村 羽澄

(みんなに怪しまれないように)

飯村 羽澄

(時間が動き出すまでに、教室に戻らなきゃいけないけど…)

飯村 羽澄

飯村 羽澄

(あれ?今、中庭を人が歩いてたような…)

飯村 羽澄

(もしかして、この学校に私と同じような人がいる!?)

飯村 羽澄

(でも、あの制服って…隣の男子校じゃ──)

???

…………

???

飯村 羽澄

(あっ、やっぱりいた!)

飯村 羽澄

(なにしてるんだろう?)

???

…………

歩いていた男の子は、きょろきょろすると校舎内に入っていく

飯村 羽澄

(えっ、ちょっと待って!)

飯村 羽澄

(これって普通に不法侵入じゃん!?)

飯村 羽澄

(どうしよ、とりあえず追いかけてみようかな)

気づかれないように、その人の後を追った…

飯村 羽澄

(何でこんなとこにいるのか気になるし)

飯村 羽澄

(やっぱり、声をかけてみようかな…)

飯村 羽澄

あ…!

飯村 羽澄

(学校の敷地外に出ていっちゃった…)

飯村 羽澄

(もうすぐ30分経っちゃうんだ)

慣れてしまうと、体感で30分がわかるようになってしまう

きっと彼も同じで、シークレットタイムがもうすぐ終わるため 自分の学校に帰っていったのだろう

飯村 羽澄

(残念…。でもまさか同じような人がいるなんて思わなかったな…)

飯村 羽澄

(今度会えたら、話してみたいな)

何だか、自分だけが知ってる秘密ができたようで少し嬉しかった

飯村 羽澄

(あっ、教室へ戻んなきゃ!)

今坂 みやび

──のにさ~

飯村 羽澄

そうだよね!

飯村 羽澄

(危ない危ない…。ぎりぎり間に合った!)

時間が再び動き出すまでに、何とか席に着くことができた

翌日の昼休み

──午後1時

飯村 羽澄

…!

教室内のざわつきが、ピタリと止まった

飯村 羽澄

(やっぱり、今日も始まった…)

私は慌てて教室を飛び出した

飯村 羽澄

(あの男の子、今日も来てたりして?)

飯村 羽澄

(もし来てたら、今度こそ声かけてみよう!)

そう思った矢先、前から見覚えのある男の子が歩いてきた

飯村 羽澄

…!?

飯村 羽澄

(昨日の人だ!)

飯村 羽澄

(まさか、正面から会っちゃうなんて…!)

飯村 羽澄

???

!?

男の子も驚いたような表情を浮かべている

???

???

君は…

飯村 羽澄

えっと…昨日もこの時間、この学校にいましたよね?

???

…っ

飯村 羽澄

…あ、私は2年の飯村羽澄です

時田 譲

俺は…

時田 譲

3年の時田譲っていいます

飯村 羽澄

時田くん…ね!

飯村 羽澄

えっと、それで…

時田 譲

あぁ、うん。昨日もこの学校にいたかってことだよね?

時田 譲

いたよ。…共学に興味があってね

飯村 羽澄

えっ?

時田 譲

こんなことでもないと、他校なんて来れないし

飯村 羽澄

(そりゃそうだろうけど…そんな理由で!?)

飯村 羽澄

あははっ…面白い人ですね!

時田 譲

俺がここに来たことは──

飯村 羽澄

誰にも言いませんよ。それに、証明できないじゃないですか…

時田 譲

確かに…

時田さんはそう言いながら微笑んだ

飯村 羽澄

…………

ドキ…ドキ…

飯村 羽澄

(あれ…?)

男子と話すことは慣れてるはずなのに、妙に心臓がうるさい

飯村 羽澄

(特別な意味は…ない…はず)

飯村 羽澄

(きっと、同じ体験をしてる人に会ったから…)

飯村 羽澄

なんだか仲間ができたみたいで嬉しいです

飯村 羽澄

もしよかったら中庭で話しませんか?

時田 譲

うん、いいよ

時田 譲

俺は小さい頃からこの現象を体験してるけど、そっちは?

飯村 羽澄

私もです

時田 譲

あぁ…えっと…その敬語いらないから

飯村 羽澄

でも…

時田 譲

いい。いらない

飯村 羽澄

じゃあ…うん

時田 譲

時田 譲

なんかさ、今までこの現象に遭遇している人に会ったことなかったから新鮮だよ

飯村 羽澄

そうだね

飯村 羽澄

(普通に話せてる…よね?)

時田 譲

もしよかったら、これからも飯村さんと会いたいな

時田 譲

(…いつまでも親の言いなりになるのは嫌だから)

時田 譲

(この出会いを大切にしたい)

飯村 羽澄

…!?

飯村 羽澄

(何だろう、この気持ち)

──あぁ…そっか

仲間を見つけたからだよね、きっと…

だから気になっちゃうんだ

飯村 羽澄

私も会いたいかも

時田 譲

よかった…

飯村 羽澄

あっ、せっかくだし…会う場所とか決めない?

時田 譲

じゃあ、俺たちが今いるここ…中庭ってのはどう?

飯村 羽澄

うん、いいね!

飯村 羽澄

(なんか、秘密の逢瀬みたいで…ドキドキしちゃうな)

時田 譲

明日はこの現象が起きるか分からないけど

時田 譲

平日に起きたらまた、ここで会おう

飯村 羽澄

…うん!

私たちは、次も会う約束をして別れた

飯村 羽澄

(また…会えるよね?)

シークレットタイムは恋の始まり!?

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

7,516

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚