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燃え盛る炎
逃げ惑う人々
響き渡る銃声と悲鳴
足元に広がる、紅い海
父?
母?
何故か、懐かしいと感じる二人の声
私は……この人達を、知ってる?
父?
母?
母?
パァンッ
母?
父?
母?
パァンッ
父?
銃声が鳴った後、バタリと 大きな音を立てて倒れた二人
女の子が、人でなくなった”それ”を、 力なくゆらゆらと揺らす
???
???
男の子が女の子を引っ張って、 その場から離れていく
???
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真冬
彩莉
目を開けると、 見慣れた自室の天井が見えた
彩莉
彩莉
頬に温かいものが 伝っているのに気づく
あまりに現実感のありすぎる夢
炎の温度も、銃声も悲鳴も、 全て本物のように感じた
「お姉ちゃん」と呼んだ声は、 幼かったけど、間違いなく真冬の声
じゃあ、そう呼ばれていた 女の子は誰?
この夢は、一体何なの……?
〜真冬 side〜
……珍しく、小さい頃の夢を見た
ボクと、彼方さんと、姉さん、 三人で遊んでる夢
そこに、友弥君と九葉も混じって、 みんなで仲良く遊んでた
今じゃ、到底あり得ない夢だけど
どこかで違う道を進んでいれば、 こんな未来もあり得たのかな
ボクらが怪盗をしない道を選んだら、 どんな未来があったんだろう
真冬
けど、今でも考えてしまう
あの時ボクが姉さんを守っていれば、 忘れられることはなかったのかな
こんな嘘を吐き続ける必要は なかったのかな……って
真冬
元々、あいつらがボクらの里に 来なければよかったんだ……
そしたら、彼方さんだって……っ
ガチャッ
彼方
不意に部屋のドアが開いて、 彼方さんが入ってきた
真冬
彼方
いつにも増して、険しい顔の彼方さん
真冬
彼方