近所のデパート
ざわざわ……
スピーカーの声
スピーカーの声
スピーカーの声
スピーカーの声
スピーカーの声
スピーカーの声
願いが叶うかもしれませんよ!
七星
七星
私は「七星」(ななせ)だ。
短冊に願い事をかく……
なんて子供のすること。
そんなので願い事が叶うわけない。
そう、分かっているけど……
七星
私は5階に行った。
七星
親子がたくさんいる。
七星
七星
お母さんに駄々をこねてなく子供、
大事そうにおもちゃを抱えてにこにこしながら歩いている子供、
……無表情でつまらなさそうに親と手を繋ぎ歩いている女の子。
七星
じわりと涙が滲む。
七星
私はその気持ちを振り払うように足早に「七夕コーナー」へと向かった。
七星
さっきよりももっとうるさい。
コーナーはやはり人気なのか、すごく混んでいる。
七星
七星
七星
鼻をすすった。
帰ろうとした時 エレベーターから、
流斗
七星
さわやかに手を振ってきた。
隣には、家族がいる。
流斗
七星
流斗
流斗
七星
流斗
隣の妹がつまらなさそうに下を向いている。
七星
七星
流斗
七星
流斗
冷たい態度をとってしまった。
ウソもついてしまった。
流斗は幼稚園からの幼なじみ。
みんなに愛されて、家族もいて、
あいつは幸せだ。
七星
七星
家族を無くした、私の心なんて。
それは小学1年生の時だった。
七星
しーん……
七星
七星
七星
いつもなら明るい声で「おかえり」
って言ってくれるはず。
いつもなら「おう」って言ってくれるはず。
いつもなら「お姉ちゃん!」
って抱きついてきてくれるはず。
廊下には、明かりがついていない。
七星
リビングのドアを開けた。
七星
七星
人
七星
私はしゃがみ込んだ。
人
七星
私はフラフラと立ち上がって帰った。
学校
流斗
七星
私は振り返らずに言った。
流斗
流斗
七星
私は驚いて振り返った。
流斗
流斗
七星
流斗
流斗
七星
流斗
流斗
流斗
七星
流斗
流斗
違う。
そうじゃない。
七星
流斗
流斗
流斗は相当落ち込んでいる。
流斗のせいじゃないのに。
七星
流斗
七星
七星
七星
流斗
ぎゅう……
七星
流斗は私を抱きしめた。
流斗
流斗
流斗
流斗
七星
必死に泣きそうになる声を抑え込む。
流斗
流斗
七星
流斗
流斗
流斗
七星
七星
流斗はこの涙を、この気持ちをしっかり受け止めてくれた。
リビングのドアを開けると、
七星
人が無惨に血を流し倒れている。
七星
これは違う。
私の家族じゃない。
七星
七星
私は110番通報した。
ママとパパは命を取りとめたが、
光里は、妹は
亡くなってしまった。
私は涙を流したら負けだと思っていたけど、
現実と向き合うなんて辛いことしたくないと思っていたけれど、
七星
と、気づくことが出来た。
七星
その後。
私は流斗ともう一度あのデパートへ向かった。
短冊に願い事を書くためだ。
流斗
と、言いつつもすらすらと書いていっている。
七星
流斗
私はどうしよう。
七星
いや、これじゃない。
七星
これでもないかな。
精一杯生きることができますように。
❦ℯꫛᎴ❧
おまけ
流斗
ここまで読んでくださりありがとうございます!
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