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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

近所のデパート

ざわざわ……

スピーカーの声

今日は、7月7日。

スピーカーの声

「七夕」です!

スピーカーの声

それにちなんで5階、「ファミリーエリア」で、

スピーカーの声

七夕コーナーを設置しております!

スピーカーの声

そこには短冊や笹、グッズもあるので

スピーカーの声

ぜひ、願い事をかいてみてください!
願いが叶うかもしれませんよ!

七星

.........

七星

願い事…か。

私は「七星」(ななせ)だ。

短冊に願い事をかく……

なんて子供のすること。

そんなので願い事が叶うわけない。

そう、分かっているけど……

七星

……行くか。

私は5階に行った。

七星

うわぁ。

親子がたくさんいる。

七星

まぁ、そりゃあそうか。

七星

ファミリーエリアって呼ばれてるぐらいだし。

お母さんに駄々をこねてなく子供、

大事そうにおもちゃを抱えてにこにこしながら歩いている子供、

……無表情でつまらなさそうに親と手を繋ぎ歩いている女の子。

七星

あの子、私に似てる……

じわりと涙が滲む。

七星

あぁ、だめ。泣かない、泣かない。

私はその気持ちを振り払うように足早に「七夕コーナー」へと向かった。

七星

うわぁ……うるさぁ……

さっきよりももっとうるさい。

コーナーはやはり人気なのか、すごく混んでいる。

七星

やっぱり、あきらめようかな。

七星

願いなんて、叶うはずない。

七星

ずずっ……

鼻をすすった。

帰ろうとした時 エレベーターから、

流斗

おっ、七星じゃん。

七星

りゅ、流斗。

さわやかに手を振ってきた。

隣には、家族がいる。

流斗

七星、なにやってんのー?

七星

いや、別に、

流斗

ん?あー

流斗

七夕?

七星

いやぁ、最近のおもちゃってどんな感じなのかなって思って。

流斗

なんだそれw

隣の妹がつまらなさそうに下を向いている。

七星

あ、ごめんね。

七星

家族とお出かけ、なんでしょ?

流斗

あ、あぁ。

七星

……私、もう帰るから。

流斗

待って!七星。

冷たい態度をとってしまった。

ウソもついてしまった。

流斗は幼稚園からの幼なじみ。

みんなに愛されて、家族もいて、

あいつは幸せだ。

七星

私とは違う。

七星

あいつに私の気持ちはわからない。

家族を無くした、私の心なんて。

それは小学1年生の時だった。

七星

ただいまー!

しーん……

七星

あれ?

七星

ママ?パパ?

七星

光里?

いつもなら明るい声で「おかえり」

って言ってくれるはず。

いつもなら「おう」って言ってくれるはず。

いつもなら「お姉ちゃん!」

って抱きついてきてくれるはず。

廊下には、明かりがついていない。

七星

……

リビングのドアを開けた。

七星

……!!!!

七星

いやあっ!!!!

大丈夫ですか?

七星

大丈夫です……

私はしゃがみ込んだ。

休んだ方がいいんじゃないですか?

七星

ほんとにいいんです。

私はフラフラと立ち上がって帰った。

学校

流斗

なぁ、七星。

七星

なに?

私は振り返らずに言った。

流斗

この前はさぁ、

流斗

……ごめんな。

七星

!?……なんで……

私は驚いて振り返った。

流斗

お前、この前つらそうだったじゃん。

流斗

なんか怒ってたし。

七星

うん……

流斗

それって俺がなんかしたからなんだろ?

流斗

だからあやまった。

七星

……ん

流斗

どうしてあんな感じになったの?

流斗

もしかして妹の態度?

流斗

ごめんな、叱っといたから。

七星

……

流斗

それとも体調悪かったの?

流斗

ごめん、気づけなくて。

違う。

そうじゃない。

七星

……じゃない……

流斗

あー……俺が気づいていたら……

流斗

俺のせいだ……

流斗は相当落ち込んでいる。

流斗のせいじゃないのに。

七星

流斗のせいじゃないじゃん!

流斗

!?

七星

なんで、私の心の問題なのに、

七星

なんで流斗が謝んの!!

七星

なんで、そんなに優しいの……よ……

流斗

っ……七星……

ぎゅう……

七星

流斗?

流斗は私を抱きしめた。

流斗

俺、お前の事情とかも知ってんのに。

流斗

幼なじみなのに、

流斗

お前のためになれなかった。

流斗

だからこうなったんだろ?

七星

う……ぅー……

必死に泣きそうになる声を抑え込む。

流斗

ほら、やっぱり俺のせいなんだ。

流斗

……泣けよ。お前。

七星

え、

流斗

お前全然泣いてないだろ?

流斗

どーせ、お前の事だから必死に我慢してたんだろ?

流斗

ほら、泣け!

七星

……うっうっ

七星

わあああ、ああ!!

流斗はこの涙を、この気持ちをしっかり受け止めてくれた。

リビングのドアを開けると、

七星

!?

人が無惨に血を流し倒れている。

七星

これ、ママ?パパ?光里?

これは違う。

私の家族じゃない。

七星

だけど、やっぱり、

七星

私の家族だ……

私は110番通報した。

ママとパパは命を取りとめたが、

光里は、妹は

亡くなってしまった。

私は涙を流したら負けだと思っていたけど、

現実と向き合うなんて辛いことしたくないと思っていたけれど、

七星

それも生きるために必要なことなんだ。

と、気づくことが出来た。

七星

流斗、ありがとう。

その後。

私は流斗ともう一度あのデパートへ向かった。

短冊に願い事を書くためだ。

流斗

んーどうしようかなっ!

と、言いつつもすらすらと書いていっている。

七星

なに書いてんのー?

流斗

ぜってぇ見せねぇからな!

私はどうしよう。

七星

妹に会いたい。

いや、これじゃない。

七星

幸せになりたい。

これでもないかな。

精一杯生きることができますように。

❦ℯꫛᎴ❧

おまけ

流斗

『七星の幸せを守る人になれますように。』

ここまで読んでくださりありがとうございます!

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コメント

12

ユーザー

おお!! ありがとうごさいます! フォローもありがとうございます(*^^*)

ユーザー

1000いいね 全部私やりましたw

ユーザー

フォローもありがとう!

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