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赤崎ゆあん、十四歳。中学2年生

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二〇〇八年一月八日、

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自宅マンションから飛び降り自殺…、原因はいじめ。

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ところがゆあんくんの人生は、そこで終わりではなかった…。

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友情の温かさ
家族の大切さ
そして、初めての恋
死んでからわかる、いろいろなこと

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これはひとりの少年の死から始まる、不思議な物語

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ゆあんくん
『父さん、母さん、そしてシオン。迷惑をかけることになってごめんなさい。
でも、もう俺にはこんな方法しかありません。
蓮、裕太、空、りと、
そして…洸人。
洸人、お前の名前だけは、できればここに書きたくなかった。けど…しょうがないよね
とてつもなく酷いことを俺にはしてたんだから
机の上に花が置いてあったこと
体育館倉庫に閉じ込められたこと…そして今日、トイレでの出来事、、、その他は詳しくこのサイトに書かれています↓
http'//no-piehn/…
俺はお前らを絶対に許さない
この恨みを次の人生に持っていきます
さようなら
赤崎ゆあん』

ゆあんくん
…っとこんな感じかな

ゆあんくん
(遺書)って書く時、漢字が思い出せなくて携帯で調べた。
(いしょ)じゃあなんかかっこ悪いし。

母さん
ゆあんー。お母さんもう寝るわよー

母さん
さっさとお風呂入っちゃいなさい

ゆあんくん
はーい

間もなく遠ざかってく、聞き慣れた足音。もううざい小言に悩まされなくなることや、大好きな手作りコロッケが食べられないのは悲しいけど…
そのまま家族が寝静まるのを待つ。時計が十一時を回った頃一呼吸してベランダの鍵を外した、
ゆあんくん
寒い、寒すぎる

ゆあんくん
でも寒いのは生きてる証だ、死んでしまえばもう何も感じなくなるんだから…。

遺書を持ったまま外に出たことに気づき、手すりの前でスリッパを揃えてその下に封筒を挟んだ
鉄柵の外側に足をおろす。
後ろの手でしっかりと掴みそのまま夜景を眺めていた。
ゆあんくん
あっ一つ消えた。また一つ

ゆあんくん
俺の命も儚くきえていくのだろうか…

ゆあんくん
9階建ての最上階。こんなところから飛び降りたらまず間違いなくしぬよね。

むしろ、いじめから開放されることが何より嬉しかった。
びゅん、と大きな風吹き俺は意を決して手すりから手を離した
ゆあんくん
あれ?意外と長いんだな、
落ちてくのって

ゆあんくん
俺は自殺した身だから天国には行けないだろうな。
このまま地の果てまで、限りなく落ちていくはず…。

ゆあんくん
重い衝撃が走って。痛い、と感じることなく俺の意識は途絶えた
