みんなが俺を忘れた日

第9話 スタート

─side　na─

─土曜日─

あの日の日曜日から6日経った

誰にも神のことを言わずにスマイルが 覚えてそうな事は1人で全部やった

なのに.....

今日がラストだと言うのに

明日になったら1人ずつ 記憶が無くなっていく

そんなのはもう嫌なのに....

考えていたら涙が止まらなくなった

いや、考えれば考えるほど 何をすればいいのかわからなくなる

コンコン

急にドアからノック音が聞こえて 慌てて涙を拭く

ガチャ

本当なら行った方がいいだろう

スマイルの事がまた色々と分かってくるかもしれないし

けど、今はそういう気分じゃない

一緒に行っても迷惑をかけるだけだと思うし

バタン

急に静かになった部屋

さっきまでの会話が嘘みたいに静か

半分の良かったって言う気持ちと 半分の後悔が行ったり来たりしている

良かったって思う方は 1つは涙がバレなかったこと もう1つは迷惑にならないってこと

行ったら行ったでそんな気分じゃないのに気づかれたら皆に迷惑だから

でも半分の後悔は

俺はもうほとんど諦めている

やっぱり皆に話した方が良かったのか......

そしたら"運命"が変わっていたかな？

でもそんなの今更過ぎる

もう何も分からなくなって ベッドに転がりがむしゃらに泣いた

一方

─side　sm─

家に到着！

早いって思うなよー？

あ、あったスマホ

正直面倒臭い でも皆が待ってるし行くか

そう思ってリビングのドアを開けた時

ふと、微かに啜り声が聞こえた

家にはなかむしか居ないけど もしかしてなかむか....？

俺は気になって2階へと続く階段を登った

─side　na─

だいぶ治まってきたけど まだ完全ではない

やっぱり皆と行かなくて良かった

そう思った時....

ガチャ

急にドアが開いた音がして ドアの方向を見ると....

そこにはスマイルがいた....

そう言って俺に近づいて来る

優しい声を掛けつつ 俺の目を拭いてくれる

ほんと 変な時とかあんのに優しいんだから...

でも、この悩みを言って迷惑にならないかが心配になった

そんな言葉が彼に伝わったのか

....信じてみよう

俺はこの前の夢の事を全部話した

彼はちゃんと相槌とかを打ってくれて 全然迷惑そうな顔なんてしなかった

ギュ

あ、そう言えばスマイルって まだ何も思い出してないんだし

もう皆に言ってる"あの事"も忘れてるんだよね？

.....2回目になるけど今のスマイルに 言いたい