桃赤
僕の帰る場所
黄
赤
くすくすと笑うママ。
本当に幸せそうで。
黄
赤
赤
それから彼__桃くんは
放課後になると度々来て、
門のところで俺を待つようになった。
紫
赤
紫
苦笑いする紫くんに
俺は不貞腐れて今日の朝の
メッセージのやり取りを思い出した。
『今日放課後デートしよ』
「無理です」
『おっけ、 いつも通り門のところで待ってるね』
俺はしっかり断ったのに!!
全然聞いてくれないし....
紫
赤
「俺本気。赤の事好きだよ」
あの日の言葉を思い出し、
ボンッと顔が赤くなる
紫
赤
帰り支度のできた鞄に顔を埋め
必死にニヤニヤする紫ーくんから
顔を背ける
紫
赤
これだから
ああいうチャラチャラした
男の人は嫌いなのだ。
下心丸出しで、
俺の顔ばっか見て近寄ってくる。
そんな奴ばかりだったから
いつの間にか紫ーくん以外の男子を
毛嫌いするようになっていた。
赤
ぽつりと呟いた言葉は
目の前にいる彼に
届くことなく落ちていった。
桃
赤
制服のブレザーを脱ぎ
袖を腕まくりして
ガッツポーズをする彼は
何故か俺には輝かしく見える。
結局今日も
桃くんに連れ出されて
放課後、2人でボーリングに来ていた。
桃
赤
桃くんが上手すぎて
気持ちが全く乗らないが
渋々腰を上げた。
後ろに手を引き、
慎重に離すと
ボールは途端に右端のレーンに
転がっていってしまった。
桃
クスクスと楽しそうに後ろで笑う彼に
少し、いや非常にムカついたが
何も言い返せないので
項垂れて次のボールを持った。
すると急に後ろから
バックハグされるように
ボールを持つ俺の手に
彼の男らしい手が添えられた
桃
赤
触れた熱にびっくりして
思わずボールを持つ手が滑る。
赤
ゆるりと重力に従って落ちていくボール
桃
足に落ちる....と思ったら
すんでのところで、彼が見事キャッチ。
そしてこちらを ニヤニヤしながら見つめてくる
桃
赤
赤くなった頬を隠すように
俺は桃くんから
ひったくるようにボールをとった。
すると桃くんは思い出したように
制服のポケットに手を突っ込む。
桃
赤
桃
スっと手渡されたのは
2人分の映画のチケット
赤
桃
桃くんは自慢げに口角をあげた。
.......
....確かに少し言ったような気がするが
割とマニアックそうなのに人気で
上映する期間や場所の規模が小さく
チケットを取るのは難しいと
諦めていたのに。
赤
赤
桃
''好きな子''
少し顔を赤くして
微笑む彼に
心臓がぎゅぅっとなって
チケットを思わず握りしめた。
桃
赤
赤
チケットに顔を埋め
少し様子を伺うように
ちらりと彼を見る。
桃
桃
桃
桃くんは大きくため息をつくと
また耳まで顔を真っ赤にして
ガシガシ頭をかいた。
桃
桃
赤
赤
桃
赤
桃
突然ずいっと顔を近づけられるから
俺は思いっきり桃くんの背中を
バシンと叩いてしまった。
家に帰り
お風呂で湯船に浸かる
赤
彼はきっとかっこいい私服で来るだろう
今日も家まで送ってくれたし
悪い人ではないのだと思う
俺の脳内は
桃くんと別れてからも
彼のことで頭がいっぱいだった。
そして
意外にも明日の事を
楽しみにしている自分がいた。
『キスしていい?//』
赤
突然彼の甘ったるい声が
脳内にリピートされ
恥ずかしくなり
ぶくぶくと目元まで
お湯に浸かる。
赤
赤
気づけば無意識にポツリと呟いていて。
.......
ん?
俺今なんて言った?
赤
自分の発言に取り乱して
バチャバチャと水の中で
溺れそうになった
赤
赤
赤
赤
水
無意識に声が出ていたようだ
百面相していると
弟から冷ややかな声が
扉越しに聞こえた。
水
舌打ちをして眉を顰める姿が
扉越しに見えなくても浮かんでくる。
水
赤
弟の水くんは
相変わらず辛辣なのでした。
桃くんへの恋心を認めようとしない 可愛い赤くんが書きたかった( ◜ω◝ ) 黄くんお誕生日おめでとうございます!
コメント
60件
まじで好き...もう可愛いすぎやて... なに...ツンデレ兄弟かよっ!(T^T)
もう称えます(?)それくらい本当に神だし天才だし最高で😢もっと私に語彙力があれば伝えられるのに〜って後悔してます😭 はみぃさんの通知来る度にドキドキしながら読んでます(笑) 次も楽しみに待ってます!
いいですね。なんか、癒されました。男嫌いなのに桃くんにどんどん落ちていく赤くんが可愛すぎでにやにやしてます。さりげなくかっこいいことをする桃くんに落ちてしまうのも仕方ないですね、笑赤くんだけが顔を真っ赤にするんじゃなくて桃くんも赤くなるのがほんとに好きなんだなって伝わってきゅんってなりました。可愛かったです。