愛子
(いよいよ今日は期末テスト...)
愛子
(あぁ、ドキドキしてきたぁ)
みゆき
愛子、おはよ〜
みゆき
今日からテストだね。あー、憂鬱
愛子
え? あ、そうだね
みゆき
まー、愛子はいいよねぇ。いっつもほとんど満点だし
みゆき
私も愛子くらい頭よかったらなぁ〜
愛子
いや、私は頭いいって言うより、ガリ勉タイプだから
みゆき
そうなんだ。じゃあ、今回もバッチリ?
愛子
うん。かなり勉強してきた!
みゆき
偉いなぁ〜
愛子
(偉いっていうより、エ...)
新田先生
はい、席についてー
新田先生
今日からテストが始まるけど、みんなしっかり勉強してきたか〜?
愛子
(新田先生は今日もかっこいいなぁ)
新田先生
まぁ、あんまり根を詰めずに、夜はしっかり寝て、テストに挑んだほうがいいぞ
愛子
(私は昨日全然寝られなかった...。テスト不安になってきたなぁ)
新田先生
今日の科目は、国語と英語と音楽。大変だけど、最後まで諦めずに解けよ!
新田先生
じっくり考えれば、ちゃんと解けるからな!
愛子
(じっくり考える...)
愛子
(あぁ、もうドキドキしてきた)
山本先生
問題と答案用紙は一部ずつあるかな?
愛子
(国語か...もちろん勉強してきたけど何が聞かれるかわからないから不安だなぁ)
山本先生
じゃあ、はじめ!
愛子
(は、はじまるっ)
愛子
(えっと、まずは...)
国語
「次の漢字の読みを答えない」
愛子
(漢字問題かぁ、これは解けそう)
国語
「アイスクリームを舐( )める」
愛子
(ナめる......)
愛子
ンッ
国語
「身体に汗が滴( )る」
愛子
(シタタる...)
愛子
ハァハァ
国語
「虫が地面を這( )う」
愛子
(ハッ...ハう......)
愛子
ァ...
国語
「目標に達( )する」
愛子
(タッ、するッ...)
愛子
ァンンッ
そう、彼女は解答するごとに快楽を感じてしまう特異体質なのだった
国語
「祖父があの世へ逝( ) く」
愛子
(イッ、イくゥゥッ)
愛子
ンァッ
愛子は吐息を漏らしながらも、難なく漢字問題をクリアした
愛子
(良かった...これで漢字問題は終わりね。えっと、次は...)
国語
「次の文章を読み、以下の問いに答えなさい」
愛子
(えぇと、文章は...夏目漱石の「こゝろ」か。もう何回も読んだから内容は暗記してるけど...)
国語
「問1 私が先生を掛茶屋で見た時、先生は何をしていたか。30字以内で抜き出せ」
愛子
(えっと、これは簡単ね...)
愛子
(「ちょうど着物を脱いでこれから海へ入ろうとするところ」...っと)
愛子
(なんだか想像するだけで...)
愛子
ハァハァ
愛子
(なんだかこの「先生」、新田先生に思えちゃう)
愛子
(クールで...ミステリアスで......)
国語
「問2 先生と共に海で遊んでいた私は、もっと遊んでいたいと思っていたにも関わらず、先生に「もう帰りませんか」と言われ、「えぇ帰りましょう」と答えたのは何故か。理由を答えよ。」
愛子
(わかる、わかるよ..."私"の気持ち...)
愛子
(先生のことが......)
愛子
アァンッ!
声が出てしまい、周りの生徒数名がこちらに視線を向けてきた
愛子
(やだっ、声が...。誤魔化さなきゃ)
愛子
ゴホッゴホッ
山本先生
ちょっとそこ!
愛子
(え!)
山本先生
キョロキョロしない!カンニングになるよ!
田所
すみませーん
愛子
(よかったぁ。田所くんには悪いことしたなぁ)
愛子
(でも今は集中集中!)
愛子は快感に悶えながらも、どうにか問題を解いていった
愛子
(えっと、これは選択問題ね)
愛子
(1問目は、アッ)
愛子
ハァハァ
愛子
(2問目は、エッ)
愛子
ハァ ハァ
愛子
(3問目、4問目、5問目は...)
愛子
(イ、イ、アぁっ!!)
愛子
ンンンッーーー!
山本先生
残り時間はあと10分よ〜しっかり見直しもしてね〜
愛子
(やばい、もうそんな時間!?)
一問一問セイ意を込めて解いている愛子には、どうしても50分は短すぎるのだ
愛子
(早く解かなきゃ!でもダメっ、身体が持たないっ)
愛子
(よし、この問題で最後ね...)
国語
「先生が死んだ理由を私はどう捉えてるか。文中から答えよ」
愛子
(先生が死んだ理由...)
愛子はまたしても新田先生を思い出し、感情が膨らんでいく
愛子
ぅぅ...
愛子
(悲しい...悲しいのに......)
愛子
(「たった一人で淋しくって仕方がなくなった結果、急に所決したのではなかろうか」...)
愛子
ハァハァ
愛子
(悲しいのに......!)
最後の問題を解いた時、愛子の身体は快楽に解き放たれた
愛子
(イ、逝くぅぅぅぅぅ)
愛子
ァァァァァァァンンンッ!!
山本先生
はーい、そこまでー!
山本先生
ほら、ペン置いて!答案用紙後ろから集めて〜
愛子
(よかった...最後までどうにか解けたわ)
愛子は答案用紙を後ろからきた生徒に渡し、一安心した
愛子
(後ろの席じゃなくてよかった。しばらく動けそうにないし...)
愛子のオムツは今にも液体が漏れ出てきそうなくらい、タプタプに膨らんでいたのだ
山本先生
ちょっと印部さん
答案用紙のチェックをしていた山本先生から、愛子は急に名前を呼ばれた
愛子
(え!私??)
愛子
は、はい
愛子
(な、何??まさか、漏らしてるのがバレた!?)
山本先生
ここ
山本先生
名前書き忘れてるよ
愛子
あっ!
そう。愛子は集中のあまり、自分の名前を書き忘れていたのだ
愛子
(私としたことが...)
愛子
(解答ポイントを一個逃すなんてっ!)
山本先生
ちょっとペン持って、書きに来てくれる?
山本先生
このままじゃ、返す時に困るから
愛子
えっ、あ、はい。すみません!
愛子
(どうしよう...オムツ、大丈夫かなぁ)
愛子
(大丈夫...。ゆっくり行けば、漏れないはず)
愛子
(大容量って書いてあったし)
腰がひけた状態でどうにか山本先生の位置まで辿り着き、自分の名前を書く
愛子
「印部愛子」っと
愛子
ンンッッ
山本先生
ありがとう。
山本先生
じゃあみんな、答案返ってくるの楽しみに待っててね。残りのテストも頑張るように。
愛子は山本先生が去った後もその場から動けないでいる
愛子
(どうしよう...今ので完璧に...)
愛子
(ヤ、ヤばい)
みゆき
愛子、おつかれ〜。どうしたの、固まって
愛子
ちょっと私、トイレ!
愛子はなるべ身体に振動を与えないように、その場から忍び足で立ち去った
みゆき
なんか、変なの
みゆき
あ、田所くん
田所
おぉ
みゆき
さっきは災難だったね。変に注意されて
田所
いやぁ、別に
田所
ちょっとジュースでも買ってくるわ
田所
あれ?
田所
(なんか床が、濡れてる??)
廊下にポツポツと水滴が垂れてるのに、田所は気づいた
田所
(なんだろ、これ)
田所
えっ
田所
トイレ...
田所
(あっ)
田所は思い出した。つい先程、印部愛子がトイレに行ったことを
田所
(これは、面白そうだな)
そんなことも露知らず、愛子はトイレの中でオムツを処理していたのだった
愛子
これ、どうしよう。一回教室に戻って、変えも持ってこないと...