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夜境

.......................

...........あれ.......? 段々と意識がはっきりしてきた。 まだ体が軽い感覚が残っている。起き上がると少し痛んだ。 辺りは暗闇につつまれていて、先が見えない...いや、手を伸ばしてもはっきりと見える。この空間自体が暗闇で、果てしなく続いているのだろう。 見渡しても何も無い。 下を見ると、鏡のように自分がうつっていた。不思議だ。 一体ここはどこなのだろうか。 困惑していると、どこからか淡い光が見えてきた。だんだんと近づいてきて、その正体があらわになった。

???

初めまして。私はここの案内人です。

目の前にはそう言い微笑む少女の姿があった。僕を見ている少女のその手には石で出来た不思議なランタンが握られていて、ぼんやりと、でも明明と光っている。

夜境

ここは.......

???

簡単に言うと、ここは生と死の間である─────狭間、という空間です。

聞いたことがない。そんな場所があったなんて...... なんだか夢を見ているみたいだ。 場所と状況のせいなのか、これが本当に現実なのか疑わしい。 それと、今目の前に居る少女...彼女は...? 何かが引っかかる。

睡蘭

私は睡蘭です。貴方の名前は?

彼女.......睡蘭は僕の心を見透かしたかのように言った。

夜境

夜境、です

睡蘭

素敵なお名前ですね

睡蘭はまた微笑みを浮かべた。

睡蘭

では、案内するのでついて来て下さい

┈┈┈┈┈┈┈︎︎⟡┈┈┈┈┈┈┈┈ 今日は静かでいい人ばかりで良かった... そう思いながら、夜境さんと暗闇を歩く。 夜境さんからは、不思議な気配を感じる。しばらく歩いていると、夜境さんが口を開いた。

夜境

あの...向かっている場所って...

睡蘭

天空へ着くにはもう少しかかります。休憩しますか?

夜境

.........大丈夫です

私は、そういえば、と話を切り出す。

睡蘭

天空のことを話していませんでしたね。

┈┈┈┈┈┈┈︎︎⟡┈┈┈┈┈┈┈┈ 天空、か...

夜境

一応知ってはいます、けど......これからどうやって行くんですか?

素直に疑問に思ったことを口にしてみた。

睡蘭

まとめると、天空という場所は亡くなった星の子がこの空間を跨いで新たに転生するための場所です。とても綺麗なんですよ

転生。 もちろん知っているし、いつかその時が来るんだろうと思っていたけど、こんなにすぐ転生する時が来るとは。 なんだか不安になってきた。不安からくる浮遊感が僕をさらに緊張させる。 暗闇だった空間がいつの間にか仄かに明るくなっていた。

睡蘭

もうすぐ天空への道の入口ですよ

滅亡へ向かう空の王国-第2章|暗闇に光る泡沫

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