ここは深き海の底に広がる楽園『アトランティス』
様々な種類の魚や、生き物達と共に我々人間が空想上の生き物としている人魚が住んでいる
争いこそあったが全ての生き物が和解しあい、『平和』を具現化したような楽園へと変わって行いった
そんなアトランティスに突如として海月人の少女の叫びが響き渡る
リナーシャ
驚愕の表情をしつつも目を輝かせた海月人の少女、リナーシャは前のめりに自身の父親に迫る
ポセイドン二十五世
リナーシャ
プカプカと浮きながらリナーシャは羨ましそうに空を見上げる
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャは父の言葉を聞き、不満げながらも納得した
そう、少女を含めこの楽園の住人は争いを行わない
大昔、何千年と続いた戦争こそかあったが、今ではその面影のひとつない平和な国となっている
武力をほとんど持たないこの国の住人が人間の争いに巻き込まれれば確実に死んでしまうのだ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
そう、少女の姉シスベールはこの国の人魚の中で最も早い速度で泳ぐことが出来る
だが、リナーシャは海月人、海月の特性を持つがゆえ早く泳ぐことが出来ないのだ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ドレスの端を摘んで持ち上げ、軽く頭を下げた後、リナーシャは自室へとプカプカ浮いて向かった
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
行きましょう。と、付き人が言おうとしたその刹那
地面が雄叫びをするかのように突然震え出す
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
ーーーーー
ーーーーーー
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
そう呟いたその時、部屋の扉に誰かがノックをした
リナーシャ
付き人のクラゲ
扉を開けたクラゲは勢い良く入って来たポセイドンとの接触で遥か彼方まで吹き飛ばされる
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
カチャンと音を出して扉が閉まる
リナーシャ
声をかけた先にはいつの間にか戻って来ていた付き人がいた
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
それから数日経ったある日、リナーシャの姉、シスベールが帰ってきた
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
ニヤニヤとシスベールは笑う
リナーシャ
そういうと、リナーシャはどこからともなく飲み物や軽食を取り出す
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベールの部屋へと付き、地上での出来事を話し始めて早数時間、その勢いは衰えるどころか勢いを増してゆく
数日前の出来事を懐かしむように話すシスベール。その傍らでリナーシャは目を輝かせながら聞き入っていた
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
シスベール
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
シスベール
シスベール
シスベール
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャ
部屋の空気はしんと静まり、ただただ時間が過ぎてゆく
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
シスベール
リナーシャ
リナーシャ
シスベール
リナーシャの入れたお茶を口に運び一息つき、時間はゆっくりと進み、一日が終わった
だが、シスベールの感じた暑さがこの国を滅亡させる予兆であることを二人は知る由もなかった
それから五年、色々と物事が進んでいった
一つは父ポセイドンの反対を押し切り、シスベールは人間になる事を決意し、魔魚に会い地上へ向かったこと
二つ目は水温が上昇し、地面の揺れが頻繁に起こるようになったこと
三つ目に揺れと水温の上昇が関係あるということが調査によって判明したこと
そして、四つ目に姉シスベールが居なくなったことで徐々に元気を無くしていくリナーシャがいることだ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
そう言ってリナーシャは首から掛けていたネックレスを外し、付き人へと見せる
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
数分後
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
小声で慕っていた姉を呼ぶも、それは虚しく部屋に消えてゆくだけだった
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャが言い終えるその刹那、無慈悲にも海の神々は少女に過酷な現実を告げるのだった
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
時を同じく、王の間
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
調査隊
調査隊
調査隊
調査隊
調査隊
怒号にも似た調査隊の叫びが王の間に響き渡り、緊張の糸が瞬く間に張ってゆく
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
調査隊
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
調査隊
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
調査隊
ポセイドン二十五世
調査隊
調査隊
ポセイドン二十五世
調査隊
何を察したのか、調査隊の1人が青ざめた表情でポセイドンを見つめる
ポセイドン二十五世
そう言って、ポセイドンは近くに佇む甲冑を来た石像が持つ三叉槍に手を伸ばす
ポセイドン二十五世
調査隊
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
調査隊
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
涙を流しながらリナーシャは叫んだ
今まで、このような行動や素振りを見た事の無い調査隊はもちろん、父であるポセイドンも固まってしまった
リナーシャ
ポセイドン二十五世
その一言にポセイドンは胸を締め付けられた
リナーシャは怖いのだ。この噴火による恐怖ももちろんだが、それよりも、姉だけではなく父を失う事に計り知れない恐怖を抱いてしまったのだ
愛らしい双眸からは大粒の涙がたまり、今にも零れ落ちそうになっている
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
リナーシャ
リナーシャは初めて愛称であるリーナでは無く、真名で父が自分を呼び、生まれて初めて聞いた怒りの声に悲鳴をあげた
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
ポセイドン二十五世
ポセイドンは娘の頭を撫で、頬を摩り、抱き寄せ、少女の熱を感じ取る
時間にしてはたったの数秒。だが、二人にとってそれはとても長いものだった
ふ、っと口元に笑みを浮かべたポセイドンは娘から離れる
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
調査隊
調査隊の迅速な指揮とポセイドンの命令により残りの国民は広場へと集まり、ポセイドンの引き起こした波で遥か上空へと打ち上げられていった
ーーーーーーー
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
そう言って、ポセイドンは手に持つ三叉槍を水平に構え、声高らかに叫ぶ
ポセイドン二十五世
ポセイドン二十五世
まるで魔法の詠唱のような言葉をポセイドンが紡ぐと、三叉槍は淡く光だし、その先端から激しい津波を引き起こした
時間にしてまる三日もの間、ポセイドンは津波を引き起こし、溶岩を塞き止め、そして燃え尽きた
ポセイドンの命を代償として、アトランティスの三割は溶岩に飲み込まれずに残るのだった
あれから五年の時が流れ、リナーシャの築いた新アトランティス王国は民の笑顔で満ち溢れていた
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
ーーーーーー
食料庫を解放し、均等に民へと食料を渡したことで民は涙ながらにリナーシャに感謝し、何度も頭を下げた
リナーシャ
リナーシャ
国民の女性
国民の女性
国民の女性
国民の女性
女の子
国民の女性
リナーシャ
リナーシャ
女の子
女の子
リナーシャ
女の子
女の子
国民の女性
国民の女性
リナーシャ
何度も頭を下げながら、女性は去っていった
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
言い聞かせるように独り言を呟くリナーシャ。だが、そんな彼女の想いはたった一つの知らせに打ち砕かれるのだった
調査隊
リナーシャ
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
調査隊
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャの指示に従い、十五分程で国民全員が建物へと入った
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
付き人のクラゲ
リナーシャ
そう呟くと、リナーシャは傍にいるクラゲを掴み、建物へと投げ入れる
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
付き人のクラゲ
リナーシャ
リナーシャが謝罪の言葉を呟いたその時、何重もの建物の扉が勢いよく閉まる
リナーシャ
リナーシャは懸命に海の中を舞い、建物の頂上を目指す
建物の頂上に着いたリナーシャは、中心にあるくぼみに自身が首から常に下げている青い宝石を埋め込んだネックレスをはめ込む
ネックレスをはめ込み終えたその瞬間、建物はけたたましい音を上げながら地中へと潜って行った
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
手についた赤い血を見つめ、リナーシャは遠い目をする
三年前、リナーシャは不治の病にかかり、病魔が少しずつ身体を蝕んでいき、七日前から咳と共に吐血するようになっていった
リナーシャ
リナーシャ
よろよろと、力無くその場にリナーシャは倒れ、上を見上げる
リナーシャ
弱々しく、リナーシャは呟き、まるで何かを掴むように手を上へと伸ばす
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャ
リナーシャが呟いた疑問は波にさらわれ、溶けていくのだった
リナーシャ
そう呟き、そっと空を見上げる海月の少女 自身の頭の中で何度も想像した『地上』という未知の世界に憧れ、思い馳せる だが、少女の想いは叶わない この海の仲間達を護る海月煌姫。この少女こそがそのお方だ 自らを犠牲にし同胞を護り、舞えなくなった哀しき少女は手を伸ばせば届きそうな光へと手を伸ばす やがて、少女は光となって憧れた地上へと旅立つのだった
ーーーー完ーーーー
秋彩椛(作者)
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コメント
10件
絵も上手だし、ストーリー性があっていいと思います!
長くなってしまいましたが… 1枚のイラストからここまで想像できてしかも大感動なストーリーを書けるなんて本当にすごいです…!儚い雰囲気もならではですね…。 こちらこそ本当にありがとうございました…!本棚に飾りたいくらい好きです…!!💠