今度は
僕の番だ
光の想いに 答えたい
光に相応しい人に なりたい
今は 心からそう思える…
そして 僕たちは
たくさんの時間を 過ごした
ーお正月ー
堺 涼太
こんな日に、光と一緒に居られるとは、思わなかったなぁ…
高橋 光
オレもです!
高橋 光
本当に…、
会えて嬉しい…
会えて嬉しい…
椎名 守
…おい
椎名 守
俺の家で、俺の前で。勝手に二人の世界を作るな!
僕たちは
相変わらず、 守の家で会っている
この冬
守は地元に 帰らなかった
堺 涼太
(まあ。理由は何となく、わかるけどね)
手に持っている
誰かさんからの 年賀状のせいだろう
堺 涼太
守ー
堺 涼太
そんなに見つめて、誰から貰ったのー?
椎名 守
高橋 光
もしかして…、
桜井、ですか?
桜井、ですか?
堺 涼太
…え?
なんで 光が知ってるんだろう?
守がジロリとにらむので
僕は、慌てて 首を横にふった
高橋 光
友達が…
高橋 光
高校の友達が、桜井の友達と付き合ってるんです
光の話では
桜井美亜は
守との 約束を信じて
今は勉強一筋だそうだ
椎名 守
…そうか
堺 涼太
守、ちょっと嬉しそう…
椎名 守
桜井は、教え子の
一人だからな
一人だからな
椎名 守
椎名 守
元気そうで、
安心した…
安心した…
堺 涼太
へぇ…
堺 涼太
なんて、
書いてるの?
書いてるの?
隙を見て 守の手から
年賀状を取り上げた
堺 涼太
堺 涼太
なーんだ
期待とは裏腹に
年賀状には一言
「成人式で会えるのを 待っています」
とだけ
高橋 光
あれ?この文字、
かすれてる…
かすれてる…
高橋 光
高橋 光
先生!
高橋 光
冷却スプレーって、持ってますか!?
椎名 守
椎名 守
冷却スプレー?
高橋 光
早く!
高橋 光
とっても、重要な事なんです‼
椎名 守
わかった…
堺 涼太
えー。なになに?
守が持ってきた 冷却スプレーを渡すと
光は 例の年賀状に振りかけた
椎名 守
おい!
何を!
何を!
高橋 光
見てください!
そこには…
隠れていた文字が
『本当は早く会いたい』
椎名 守
椎名 守
桜井…
高橋 光
やっぱり…
堺 涼太
桜井美亜…
彼女なら
僕のこの
汚れきった感情を
ぶち壊してくれる気がする
堺 涼太
会いたいなぁ…
高橋 光
椎名 守
おい
堺 涼太
変な意味じゃ、
ないよ…?
ないよ…?