たぬきは罠に掛かる

srur BL

Are you OK？

今日はそらっぴと、動画撮影！

まぁ要するにゲーム実況を撮っていたわけで。

まぁまぁ良い感じに仕上がったかな？て感じ。

この人と居ると、安心する。

皆や、恋人である坂田と居る時は勿論楽しいし、賑やかだ。

でもこの人と居ると…何だろう、そらるわーるどって感じ。

気付いたらあの人のペース。

でもそれが苦しいわけでもなくて、何なら心地良い。

ゲーム画面を見ていたそらるさんが、俺の持ってきた麦茶を見て笑う。

ﾄﾞｷｯ

コップにつけた唇が赤い。

ふわふわしてるんだろうな…。

色白で、髪の毛ふわふわで真っ黒で。

肩幅なんてそこらの女性より狭くて、華奢で。

…やばい俺何考えてんだ…。

そらるさんとまふにはメンバー以外で唯一、坂田と付き合っていることを打ち明けた。

何故ならそらるさんとまふはずっと前から付き合っているから。

中でもそらるさんは同じ彼女ポジということで、坂田やまふの話はよくしている。

苦しそうなそらるさん。

コップはいつの間にか、目の前のテーブルに置かれていた。

不意に気づく。

あれ、俺抱き締められてる…？

泣いてる…？

そらるさんが…

そらるさんが俺を頼ってくれた。

頭に少し、意地悪い考えが浮かぶ。

俺はいつも受けだ。

でも、同じ受けで、何より今弱っているそらるさんなら、攻められるんじゃないか…？

ソファに押し倒すと、そらるさんは目線を逸らした。

その仕草でさえも、今は欲情する。

観念したようにそらるさんが目を閉じた。

…まさか俺が上になるとはな。

最近俺達もマンネリ化していたし、そらるさんとなら─…。

放っとくまふが悪いんだぞ…？

様々な言い訳を浮かべながら、そっと顔を近づける…

距離はあと、数センチ…。

え？

視界が反転して、今度はソファが俺の背に。

…あれこれ、見慣れた光景だ。

一晩、相手してね？

まふまふが…坂田を襲ってる…？

揺さぶられる視界の中、考える。

あー…俺、浮気されたんだ。

まふまふと坂田には、 内緒ね。

こうしてたぬきは罠に掛かった。