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屋上にて月に舞う

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屋上にて月に舞う

2 - 月にて

♥

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2022年03月01日

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和葉

あぁ

和葉

まただ

愛菜

クスクス

あかり

ちょっと!

あかり

誰がやったの?!

あかり

こんなこと!

あかり

許せない!

和葉

あはは……

和葉

あかり

和葉

ありがとう

あかり

やられてばっかりじゃなくて
言い返せばいいのに!

あかり

和葉!

あかり

もう行こ!

和葉

うん、ありがとう

愛菜

チッ

あかりは私の幼なじみで 私に何かあったらすぐに 駆けつけてくれる良い友達だ

最近は些細なことだが いじめられている。

そんな中でもあかりは変わらず、 私に話しかけてくれた。

和葉

(私よりももっと辛い目にあっている人だっているよね。)

和葉

(私はまだマシな方)

和葉

(大丈夫。)

和葉

(大丈夫……)

その出来事から1年たち、私たちは 3年生になった。 いじめはまだ続いていた。

あかり

いやー、

あかり

早いね〜

和葉

ほんとだね

あかり

……。

和葉

???

和葉

あかり?

和葉

何かあったの?

あかり

あの……さ

あかり

実は私

あかり

県外に引っ越すことに
なっちゃたんだよね……!

和葉

……え?

あかり

本当はここに残りたいんだけど、

あかり

残れるような距離じゃないんだ。

和葉

えっ……

和葉

そんな……

あかり

親の転勤でね、

あかり

どうしても行かないといけないの

和葉

そっ……か

あかり

でも!

あかり

友達辞めるわけじゃないから!

あかり

たくさん連絡するから!!!!!!!!!

あかりは半べそで私にそう伝えた

和葉

う、うん!

和葉

あかりなら大丈夫!

和葉

あっちでも上手くやれるよ!

あかり

か、かずはぁ〜(´;ω;`)

それから数日後、 あかりは引っ越した。

あかり

絶対、絶対忘れないでね!

あかり

あ……あと!

あかり

連絡もこまめにするからぁ
(´;ω;`)

和葉

あははw

和葉

いつまでも泣いてないでw

和葉

ほら!

和葉

おばさんたち待ってるよ!

あかり

う、うん(´;ω;`)

あかり

じゃあね!!!

あかり

また会おうね!!

鼻水まで垂らして……w 本当にあっちでやって行けるのかなw……。

今心配すべきは、 私か……。

愛菜

あっれれぇーw

愛菜

1人で寂しく登校ですかァー?w

愛菜

クスクス

愛菜のとりまき達

クスクス

和葉

あぁ

和葉

最悪だ……

私に対するいじめは どんどん酷くなった。

私が如何にあかりに 守られていたのかがよくわかった。

和葉

なに、これ、、

そこにはビリビリに破かれた ノートがあった。

和葉

あかりと一緒に選んだやつなのに……

愛菜

フフッ

愛菜

あんたノートもまともに
買って貰えないの???w

愛菜

かっわいそぉーw

愛菜

あっ!そうだぁ

愛菜

ちょっと放課後面かしてよ

そう言われると私は トン と方を叩かれた。

和葉

ビクッ……

愛菜

怯えちゃってクスクスw

私は今では誰も寄りつかない 教室に呼び出された。

和葉

(漫画じゃん、こんな展開……)

愛菜

あっwちゃんと来てるじゃんw

愛菜

自分が何されるかも
分からずに……ww

和葉

(私もそんなにバカじゃないし……)

和葉

(先に来て竹刀隠しといて
良かった……。)

愛菜

あんたさぁ

愛菜

ほんとにウザイんだよね

愛菜

何?

愛菜

なんでもできる自分を可愛いとか
思ってんの?

愛菜

そんなんで私の良二先輩に
近づかないでよッ!!!!

和葉

(あぁ、)

和葉

(そういうことが……)

良二先輩は 私と同じ剣道部に所属していて、 クラブチームも同じだ。

良二先輩は誰にでも優しい。 あとイケメンだ。 私もよくしてもらっている。

多分そのことを言っているのだろう。

和葉

私はそんなつもり……

愛菜

うるさいッ!!!!

愛菜

あんたの言い訳なんて
聞きたくない!!!!

和葉

それに、

和葉

知ってますか?

和葉

良二先輩、美人な彼女さんが
いるんですよ?

和葉

だから私が良二せんぱ……

愛菜

は?

愛菜

まって?

愛菜

それ本気でいってんの?

愛菜

あぁもう無理

愛菜

頭にきた。

愛菜

こいつ殴るよ

愛菜のとりまき達

えっ……

愛菜のとりまき達

さすがにそれは……

愛菜

あ゛?

愛菜

何?

愛菜

文句でもある訳?w

愛菜

あんたらもこいつと同じ目に
あいたいの???w

愛菜のとりまき達

わっ!わかった!やる!やるよ!

和葉

(まずい……!)

和葉

(ここに竹刀があったはず……!)

監督

(和葉、初心者相手に技を
使ってはならん。)

監督

(無闇やたらに竹刀を振り回すな。)

和葉

(あぁ……)

和葉

(なんでよりによってこんな時に
監督の言葉を思い出すんだろ……)

ドカッ

その後私は何とか 家に帰ることが出来た。

和葉

いてて、

和葉

(全部服の下に隠れるところに
傷がある……)

和葉

はぁ、……

和葉

……………………。

和葉

あかりには秘密にしなくちゃ……

その後もいじめはどんどん エスカレートしていった。

和葉

あぁなんかもう

和葉

いいや

和葉

親にも相談した。

和葉

でも、
そのうち収まるから、

和葉

勉強をしなさい。

和葉

そう言われて終わった。

和葉

話もまともに
聞いてくれなかった。

和葉

友達だって、
あかり以外みんな離れていった。

和葉

その友達のあかりも、
遠くに行った。

和葉

もう私には……

和葉

何も残ってない……。

和葉

涼しい……。

和葉

(そういえばもう、
冬が近ずいてるな……。)

私は柵の下を覗いた。

ヒュオォッッ

和葉

…………ッ

和葉

また明日、

和葉

また明日来よう。

その1連の動きを毎日毎日、 繰り返した。

和葉

(あぁ、今日も、ダメかも…………。)

ガチャ

振り返るとそこには、 男の子がたっていた。

和葉

(誰だろう上履きを見るに、
1年生かな?)

和葉

(あぁなんか)

和葉

(綺麗だなぁ……)

彼の髪が夕日に照らされて輝いた。

和葉

(話しかけてみたい……)

和葉

ねぇ……

彼は”真琴くん”というそうだ。 彼と話していると 不思議と心が軽くなった。 私が柵に登ると慌てるところが また面白い。

和葉

(……今なら、行ける。)

和葉

よし!

和葉

真琴くん!

いつもの見慣れた景色、 怖かったはずの景色。 今は全然怖くない。

私は屋上の柵を乗り越えた。 あと一歩踏み出せば、

死ぬ

月に手を伸ばすと 私の体がふわりと舞った。

やりたいことなんてなかった。 未練もなかった。

ただ、

強いて言うなら、

和葉

真琴くんともう少し
おしゃべりしてみたかったなぁ……

ドサッ

屋上にて月に舞う

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コメント

4

ユーザー

つづきだ!めっちゃ楽しみにしとった! 今回もめちゃ面白かったっす!

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