神の独占欲

言葉の意味は分かるのに、 理解が追いつかない。

だって、初対面やし… そんなこと言うなんてありえない。

そんな俺を見て、jpはまるで “面白い玩具を見つけた子ども” みたいに微笑んだ。

近づいてきて、囁くように言う。

なんだか、悪魔に囁かれているような。

どんどん逃げ道を消されていくような 感覚がする。

優しい声なのに、 有無を言わせない迫力がある。

神様ってもっと清い存在やと 思ってたのに……

jpはにやりと笑うだけで、 何も言わない。

その沈黙が逆に俺の 心臓を早鐘のように打たせる。

喉の奥がぎゅっと締まった。

もし本当に神様が消えたら、 この教会は守られへん。

俺のご先祖様達がずっと守ってきた 場所も、意味を失ってしまう。

そんなの、嫌や。

でも、だからって……こんなこと……

胸が痛い。

拒否したいのに、拒否できない。

jpに見つめられると、自分の“正しさ”が 薄紙みたいに破れそうになる。

言い返そうとしても、 声が震えて出てこない。

jpの指先が、そっと俺の唇に触れた瞬間 全身がびくりと跳ねた。

息が止まりそうな距離で囁かれた。

…俺は──

その様子を見て、jpが小さく笑った。

もう、反論なんてできなかった。

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