主
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第23話 桜の木の下で
時は流れて春。
風に乗って、桜の花びらが校庭いっぱいに舞っていた。
六人はついに――同じ高校の制服に袖を通していた。
必死に勉強して、支え合って、泣いて笑って。それぞれの力を合わせて、同じ場所に辿り着いた。
その奇跡のような日、らんといるまは二年生として後輩たちを迎える立場になり、なつ、すち、みこと、こさめの四人は新入生として門をくぐった。
なつ
なつが眩しそうに笑う。
らん
らん
らんの声は震えていた。
昔の自分たちからは想像もできない未来。
花びらに染まる空の下、ようやく掴んだ景色だった。
入学式を終え、校舎の外に出たときだった。
いるまがふと振り返り、らんに声をかけた。
いるま
らん
らん
いるま
いるま
怪訝そうな顔をしながらも、らんは歩き出した。
弟たちと友人たちは不思議そうに見送る。
そして二人は――校庭の隅に立つ一本の桜の木の下へと辿り着いた。
枝いっぱいに咲いた花が、淡い桃色の雲のように広がっている。
風が吹けば、ひらひらと花びらが舞い落ち、二人を包んだ。
いるま
いるまが口を開いた。
いるま
らん
らんは目を丸くした。
知らなかった。
けれど、いるまの声音は妙に真剣で、胸が高鳴った。
いるまは深く息を吸い込み、言葉を絞り出すように続けた。
いるま
らん
らんの胸が強く鳴った。
「あの時」――いじめられていた自分のために、躊躇なく殴ってでも助けてくれたあの日の光景が、鮮やかに蘇る。
あの瞬間、確かに心が救われた。
砕け散ったガラスの破片を拾うように、痛んだ心を抱え続けてきた自分を、いるまは何度も立たせてくれた。
その全部を思い出して――胸の奥が熱くなった。
いるま
いるま
いるまの声は震えていたが、真っ直ぐだった。
らんは視線を落とし、ぎゅっと拳を握った。
心臓の音がうるさいくらい響いている。
やがて、顔を上げ、はっきりと頷いた。
らん
らん
いるま
いるまの瞳が大きく見開かれる。
次の瞬間、二人は自然と笑みをこぼした。
桜吹雪が舞い落ち、その笑顔を祝福するように包み込んだ。
一方その頃。
新入生の列から離れたなつとこさめ、すちとみことも、それぞれの時間を過ごしていた。
なつ
なつは照れ臭そうに頬を掻きながら言った。
なつ
なつ
なつ
なつ
こさめ
こさめ
涙ぐみながら笑うこさめに、なつは思わず抱きしめた。
小さな肩越しに、桜の花が揺れていた。
少し離れた場所では――すちが真っ赤な顔でみことを見上げていた。
すち
すち
すち
言葉を重ねるほど声が震える。
みことは一瞬目を丸くしたが、すぐに柔らかく笑った。
みこと
みこと
その答えに、すちは涙を堪えきれず、笑いながら顔を覆った。
校庭の桜は、花びらを惜しみなく降らせていた。
六人それぞれが、心の奥に抱えてきた痛みや孤独を、互いの温もりで埋め合っていく。
過去の傷が消えるわけではない。
けれど――確かに未来へと繋がる約束が、ここで交わされた。
らんはふと、いるまの隣で空を仰いだ。
桜の花びらが舞い降りる空は、どこまでも青く広がっていた。
壊れたガラスの破片を拾い続けたその手で、今度は温もりを掴み取る。
そしてこれからは――六人で歩いていく。
らん
いるま
二人の声が重なり、花吹雪の中へと溶けていった。
第24話・了
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡240
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コメント
2件
きゃあぁぁぁ!!💕まさか結ばれるとは!みんなお幸せに!! 続き楽しみにしてます!