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通話が終わってから
どれくらい時間が経ったのか
時計を見ても
数字が頭に入ってこない
こさめはベットの端に座って
体育座りをしていた
___言った方が良かったのかな
「実は怖かった」
とか
そんな言葉が
喉の奥まで来ては
引っ込んでいく
でも
言ったらどうなる?
LAN君はきっと否定しない
まにきも、きっとそう
なつくんは心の不安を軽くしてくれて
すっちーは優しく受け止めてくれて
みこちゃんは「こさめちゃん」って
優しい声で呼んでくれる
分かってる
相談した方が楽になることも
わかってる
分かってるからこそ
頼れない
___迷惑かけたくない
___気を遣わせたくないから
こさめが弱いだけだから
今日の収録
こさめの声が無かったこと
そして何事もないように進んだこと
___みんなは悪くない
音が消えたのは機材のせいだから
皆も体験したことあること
分かっているんだけれど
そのことを
何故か「辛い」って感じた
そんなこさめが1番いらない気がした
ks
それは誰かに言われたわけじゃない
でもずっと前から自分の中にあった
笑って
明るくして
元気で
雨乃こさめはそうあるべきだと
___それができなくなったら?
___それでもここにいれる?
考える度に
怖くなる
スマホが震える
一瞬、LAN君の名前が浮かんで
こさめは画面を閉じた
何の通知か分からないけれど
今は見れない
相談も今はできない
相談したら
皆、優しいから
優しい言葉をくれると思う
けど
優しい言葉を受け取る余裕が
なかった
だって
優しさは
「大丈夫じゃない自分」を
はっきりさせてしまうから
___気づかれたらもう終わり
布団に倒れ込んで
天井を見つめる
___もしこさめがいなくても
その考えが浮かんだ瞬間
こさめは目を閉じた
考えたくない
でも止まらない
___誰も困らない
___ちゃんと回る
それは
自分を守るための考えか
追い詰める為の考えか
もう分からなかった
こさめの個人チャンネルのコメント欄では
また「居なくてもいい」などと書かれていた
ks
ぽつりと零れでた言葉
つらいと言うには理由が弱い気がして
苦しいと言うには証拠が足りない気がして
___こんなの
___甘えじゃん
だからこさめは
何も言わないを選択する
笑顔を選ぶ
大丈夫を選ぶ
それが1番波風が立たないから
ks
ks
誰に向けたでもない独り言が
静かに消えた
LAN
LAN
そのまま昨日は朝になり
公式配信が始まった
配信開始の合図で
画面が一気に明るくなる
6人並んだいつもの光景
流れていくコメント
速さも量もいつも通り
nt
ir
LAN
st
mkt
ir
ks
こさめは少し声を張って答えた
___大丈夫
___ちゃんと出来てる
コメント欄が
視界の端で流れ続ける
応援の言葉
スタンプ
短い挨拶
それらの中に
ふと引っかかる言葉が混じる
「まだいたんだ」
「あれ5人グループじゃないんだ」
「元気ない?」
胸がびくっと跳ねた
___気のせい
___気にしすぎ
そう思って
コメント欄を見ないようにしても
視線は
コメント欄から離れない
話題が進む
笑い声が重なる
こさめもタイミングを見て
言葉を挟む
…はずなのに
自分の声が少し遅れて聞こえる
mkt
ks
言いかけて飲み込む
___今、被った?
___空気止めた、?
どうしよう
コメント欄がさらに流れる
「今の間どうしたの?」
「ラグ?」
「こさめちゃん今日どうしたの?」
「ね!普段より静かだよね」
「無理しないでね」
無理してる。
その言葉が胸の奥に
はっきり落ちた
___バレ、てる?
___隠せて、ないの、?
呼吸が少し浅くなる
LAN
LAN君の落ち着く声
LAN
名指しされた瞬間
画面が急に近く感じた
ks
ks
ks
ks
ペラペラと嘘をつく
コメント欄では
「こさめちゃん笑」
「可愛い」
「早く直してね!」
良かった騙せた…
「嘘ついてない?」
「無理してる?」
そりゃ全員は騙せないか
___やめて
___こさめを見ないで
目を逸らそうとしても
文字が勝手に飛び込んでくる
「最近ちょっと変わった?」
___変わったよ
頭の中で何かがきしむ音がした
ks
言葉が出てこない
st
mkt
すっちーがさりげなく話題を変えて
みこちゃんが被せるように相槌した
ir
ir
小さな声でまにきが言った
その一言で
胸の奥に溜まっていたものが
一気に重くなる
優しくされるほど
自分がダメだってわかる
コメント欄はまだ流れている
応援も、ある
ちゃんと、ある
それらを喜んで受け取れたらいいのに
でも、今のこさめには
受け取る余裕が無かった
ks
小さく漏れ出た言葉は
マイクに拾われた
一瞬
配信の空気が止まる
またこさめが止めた
LAN
LANくんの声はいつもより低かった
LAN
LAN
それはリーダーとしての判断で
仲間としての言葉だった
LAN
コメント欄が一気に変わる
「大丈夫?」
「無理しないで」
「待ってるよ」
画面の向こうの声が一気に届く
それが
優しさだとは分かっている
でも今は、重い
こさめは笑おうとした
でも口角が上がらなかった
ks
そう言ってマイクをミュートにした
画面の端でみこちゃんが心配そうに
こちらを見ていた
LANくんとまにきは
何も言わずに頷いていた
___心配させてるかも
___迷惑、かけてる
椅子にもたれかかって
目を閉じる
___つらいよ
こんなので「つらい」って言う
こさめは弱い
___げん、かい、かも
でも
まだ言えない
迷惑かける訳には行かないから
こさめは深く息を吸って
もう一度戻る準備をしようとしてた
明けましておめでとうございます〜 (1日過ぎてるけど)
新年早々ベットから落ちました☆ 初夢は無かったです
♡5希望