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めっちゃ可゛愛゛い゛ぃ゛い゛
久しぶりに開いたら通知の赤いやつが、目に入っていつの間にか私は"それ"を見ていた。 "それ"は眠気さえ吹っ飛ばすような神な作品だった。
尊い!可愛いすぎる!
⸻帰りの車内
オレンジ色の陽が、車の窓ガラスに映り込む
エンジンの振動が静かに響き、空調の音がゆるやかに車内を包んでいた
後部座席
麗央は窓際に寄りかかるように座り、両腕で雑貨屋の袋を抱えていた
中には、猫のマグカップ
自分だけのもの。今日、初めて手に入れた“誰にも奪われない所有物”
それをぎゅっと抱いたまま、彼はぼんやりと外の景色を眺めていた
麗央
ぽつりと、か細い声
隣に座っていた零斗がちらりと視線をやる
零斗
麗央
眠気にひっぱられているのか、言葉の語尾が少しずつ伸びていく
零斗
麗央
零斗
麗央
零斗がくくっと笑った
朔矢がその横から顔をのぞかせる
朔矢
麗央
麗央はうつろな目のまま、もぞもぞと身をよじる
麗央
龍牙
龍牙が運転席の後ろから確認する
麗央
その返事さえ、ふわふわとしていた
蓮がバックミラー越しに、ちらりと後部座席を見やる
蓮
その一言に、誰も異論はなかった
麗央はしばらくのあいだ、まぶたをぱちぱちと瞬かせていたが――
やがて、ふわっとした息をひとつ吐いて、零斗の肩にもたれかかる
麗央
それを受け止めるように、零斗が小さく体勢を整える
零斗
ぽそりと、誰にも聞こえないような声
車がカーブを曲がると、麗央の身体がさらにすこし傾いて、その顔がはっきりと見えた
トロンとしたまま、眠りに落ちた表情
力の抜けた眉、少し開いた唇
頬にかかった髪を透かして見える、細い睫毛
その寝顔は――まるで、無防備そのものだった
朔矢
朔矢が小声で呟く
朔矢
龍牙は小さく鼻で笑った
龍牙
朔矢
零斗
零斗が苦笑する
それでも、肩に寄りかかる重みに、彼の手はどこかやさしかった
蓮はバックミラー越しにもう一度、眠る麗央を見やって、目を細めるように視線を落とす
……少しずつ、馴染んできたな
どこか誇らしげにさえ見える、その寝顔
自分たちのものになっていく時間――
それを誰もが、口には出さずとも感じていた
⸻帰宅
車庫のシャッターが静かに閉まり、ドアの開閉音だけが、夜の静寂にふわりと落ちた
蓮
蓮が車内をのぞき込んで言う
後部座席で、麗央は小さな寝息を立てたまま、まだ起きる気配はない
朔矢
朔矢が言ったそのとき、零斗が無言で身体をかがめた
零斗
朔矢
零斗
ひょいと抱き上げた腕の中で、麗央はふにゃりと顔を寄せてきた
麗央
零斗
ぽそっと呟いた声に、誰かが笑いそうになったけれど、誰も笑わなかった
その寝顔はあまりに無垢で、声をかけるのがためらわれるほどだったから
⸻そのまま、部屋へ。
ドアを開け、柔らかい照明が灯る部屋へ入る
寝具が整えられたベッドの横まで来ると、零斗は慎重に身体を傾け、麗央をそっと降ろした
零斗
小さな声でそう言って、毛布をかける
ふと、目を落とすと、眠る麗央の頬に前髪がかかっていた
つい、指先でそれをそっと払う
指が、肌に触れそうになる
距離は数ミリ。呼吸があたるくらい、近い
……キスしそうだな、俺
そう思って、ふっと息をついた
触れたい
奪いたい
でも、今はまだ“守る番”だと、どこかで自分を押しとどめた
それでも――
気づけば、額にほんの少しだけ、指先が触れていた
なぞるようにではなく、軽く、ただそこに“存在”を置くような感覚
零斗
そうつぶやいたとき、麗央の眉がぴくりと動いた
まぶたは閉じたまま
でも――どこかで“感じている”ような、わずかな気配があった
毛布を握る指先が、ほんの少し動く
麗央
誰かの声が小さく漏れる
零斗
そのまま部屋を出ていくと、空気はまた静けさを取り戻した。
麗央は、まだ目を閉じたまま
でも、額に残った“あたたかさ”に、心のどこかがそっと反応していた
それが誰だったのかも、何があったのかも知らないまま
ただ、夢のなかで――優しい手のひらに、そっと包まれた気がした
だいふく
だいふく