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第1話 バカで元気で一途です!!
成績表を見て、凛(りん)は笑った。
凛
赤点すれすれの数字が並ぶ中、 ただ一つ自信満々な顔をする女子はなかなかいない。
悠真
隣でため息をつくのは、幼なじみの悠真(ゆうま)。 背が高くて、無愛想で、女子からの人気が異常に高い男の子。 なのに今は、凛の成績表を真剣に見ている。
凛
悠真
凛はにっこり笑って、即答した。
凛
悠真は一瞬、言葉を失った。
悠真
凛と悠真は、0歳からの幼なじみだ。 家も隣、親同士も仲良し。
初恋? それはもう、物心ついた時から悠真。
凛は昔からずっと変わらない。
凛(昔)
凛(昔)
凛(昔)
猛アピール。 毎日。 全力。 悠真はそのたびに、
悠真(昔)
悠真(昔)
悠真
そう言いながらも、 凛が転べば一番に駆け寄り、 凛が泣けば誰よりも不器用に慰めた。 世界一、凛が大事なのに。 それを言葉にするのが、致命的に下手だった。
昼休み。
凛は今日も今日とて、悠真の席に突撃する。
凛
悠真
凛
悠真
凛はけらけら笑う。
凛
悠真
凛
悠真は額に手を当てた。
悠真
なのに、 凛が楽しそうに笑うと、 どうしても怒れない。
その様子を、 少し離れた場所から見ている男子がいた。
放課後、廊下。 凛は走って曲がり角を曲がり――
凛
誰かと正面衝突した。
凛
勢いよく頭を下げる凛。
奏汰
そう言って手を差し出したのは、 見たことのない男の子だった。
奏汰
柔らかい笑顔。 優しい声。 凛はすぐに立ち上がって、にこっと笑う。
凛
奏汰
凛
屈託のない笑顔に、 奏汰の胸が一瞬で掴まれた。 (……やば) (この子、好きかもしれない)
それから奏汰は、凛によく話しかけるようになった。
奏汰
奏汰
凛
奏汰は思った。
奏汰
奏汰
凛
奏汰
凛
奏汰は言葉を失った。 (……気づいてない) (全然、気づいてない)
その日の帰り道。 悠真は凛の様子が、 いつもより楽しそうなのに気づいた。
悠真
凛
名前を聞いた瞬間、 胸の奥がざわっとする。
悠真
平静を装うが、 内心はぐちゃぐちゃだった。 その夜、悠真は考える。 (取られるかもしれない)
凛が。 世界で一番大切な存在が。 気づいた時には、 悠真は凛の家の前に立っていた。
凛
悠真
凛
凛は大喜び。 その様子を見て、 悠真は思う。 (俺が守る) (この鈍感なバカを)
一方で、 奏汰は凛への気持ちを、 もう隠すつもりはなかった。 でも凛だけが、 誰が自分を想っているのか まだ何も知らない。
三人の距離は、 静かに、でも確実に近づいていく――。