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結局あのあとは何事もなく、 とてもスムーズに下校までの時間が流れた。
藤本
クラスに仲の良い友人はいないため、 いつも通り一人で帰る。
一人で帰るとか隠キャすぎw とか思ってる人のことは気にしない。 私にとったらこの一人で帰る時間こそが とても気楽な時間で、 自分の考えを整理するのにもってこいなのだ。
絶対絶対、 ぼっちで帰る言い訳をしてるわけじゃない。
学校の敷地から出ると、もう街は薄暗くなっている。
最近陽が沈むの早いなーとか思いながら、 鞄から手袋を出してつけた。
藤本
さて、今日帰りながら考えるべきことは やっぱり委員長たち番のこと。
今の時代、男か女かでの判別はもう古く、 αとΩがその特性を活かして 噛み合うかどうかが 番を探す上で最も重要になってくる。
委員長たちが女同士で番になれたのも、 元はと言えば世界がαとΩの特性を優先したからだ。
とはいえ、特性を持たないβの人は いまだに男女の性別を重視する人が多いし、 なんならαやΩでも番を持たない人はいる。
だから、いかにも普通なβの私が 彼氏も彼女も持たないのは普通のこと。
それは、わかってるんだけど…
藤本
散々美化して話した思いをここにきて爆発させ、 本当に言いたいことを心の中で叫ぶ。
藤本
藤本
どこかで見たことがあるけど、 αやΩといった性別がまだなかった頃も こうやって嘆く人はたくさんいたらしい。
やっぱりいくら時が経とうが非モテは非モテ。
事実は覆らないのである。
藤本
藤本
あっ、そもそも見つかんないか。ちくしょう。
誰かが静かに走り去っていく音がして、 思わずそちらの方向を見る。
藤本
藤本
その場に立ち尽くし、 いつもと変わらない街並みを 血眼で見ている時だった。
藤本
いつも通りちょっとおじさん構文みのある 母からの連絡を受け、驚愕する。 門限に間に合いますようにと願いながら、 家への道を急いだ。