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藤本
ドアを開けた途端漂ってくる、 いつも使う鍋用の出汁の匂い。
藤本
βは辛いよなんてやっていたさっきの気分は もうどこかに消え、 雑に鞄を下ろしたあとに爆速で手を洗いにいく。
藤本
かじかむ手を蛇口から出るお湯で溶かしながら、 聞こえるように大きな声で返事をした。
藤本
キュッと蛇口を捻って水を止め、 適当に返事をしながら手を拭く。
藤本
藤本
正直、お母さんのいとこ自体に面識はないし、 小さい頃何度か面倒を見てもらった程度だ。
でも、結婚式には前から興味がある。
花嫁さんが真っ白な衣装に身を包まれて、 華やかな式場にある鮮やかな赤の上を歩く。
その道を歩き終えるところに花婿さんがいて、 白く純真な衣装の二人が並んで愛を誓う。
その光景がなんとも不思議で、奇麗で、 幼いながらに感動したのだ。
藤本
…ま、いくら結婚式に思いを馳せたところで 私は結婚式の主役にはなれないんだろうけど。
あー恋人欲しー!!番見つけたーい!!
藤本
ついつい豆腐を掬っていたおたまに もやもやをぶつけてしまい反省した。
おたまごめん。 ついでに私の番もとい結婚相手を見つけて。
藤本
藤本
自分のことを見透かしたような発言に 心底どきりとした。
大丈夫、多分お母さんにはバレてない。
…でもそれでもやっぱり、 結婚するのは女の夢じゃんか…!!