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コメント
2件
名前の由来と意味が怖すぎる… 次のお話も楽しみです!!🥺
rara🎼
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rara🎼
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nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 二次創作
rara🎼
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第25話『弟切草』
――暗い。
どこまでも深く沈んでいくような、底のない闇。
足元の感覚はなく、まるで空中に浮かんでいるようだ。
らん?
らん?
背後から声がした。
らんは振り返る。
そこに立っていたのは、自分と同じ顔をした――もう一人の“らん”。
ただ、その瞳は鋭く、口元には笑みとも嘲りともつかない歪みがあった。
らん
らんは眉をひそめた。
らん?
らん?
らん
らん?
らん?
ぞっと、背筋が冷える。
胸の奥に、昼間の記憶が黒い霧のように広がった。
らん
らんは一歩踏み出し、もう一人を睨みつける。
らん
らん
らん?
らん?
らん
らん?
その言葉に、らんの喉が詰まる。
「俺じゃない」と叫びたいのに、声が出ない。
あの時の感触も、感情も――思い出せないはずなのに、胸の奥が疼く。
らん?
らん?
らん?
らん?
らん
らんは、もう一人の言葉を遮るように低い声で唸った。
しかし、もう一人は肩を揺らして笑った。
らん?
らん?
らん?
らん?
らん?
また会うよ
その声が、やけに近くで囁いたかと思うと、視界が真っ白に弾けた。
こさめ
ぼやけた視界に、誰かの顔が映る。
目を瞬くと、泣きそうな目をしたこさめがいた。
らん
こさめ
こさめ
こさめは、安堵と心配の入り混じった声を漏らした。
らんは瞬きを繰り返す。
部屋は昼の光に包まれていて、窓からはやわらかな風が吹き込んでいる。
らん
こさめ
こさめ
こさめ
そうか……昨日から。
あの夢のことは――現実じゃない。
でも、胸の奥に残る嫌な感覚は、消えてくれなかった。
こさめ
こさめが、少し顔を曇らせる。
こさめ
らんは、視線をそらした。
らん
こさめ
一瞬、喉の奥に答えが詰まる。
夢の中でのもう一人の笑み、耳に残る低い声。
それを思い出すだけで、手のひらに汗が滲んだ。
らん
短くそう言って、ベッドから起き上がる。
こさめはまだ不安げだったが、それ以上は何も聞かなかった。
カーテンを開けると、春の光が差し込んだ。
けれどその暖かさは、らんの胸の奥の冷たさを、まだ溶かしてはくれなかった。
第25話・了
rara🎼
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡260
rara🎼
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