《雨雨、降れ降れ、母さんが》
《じゃのめでお迎い、嬉しいな》
《ピチピチ、チャプチャプ、ランランラン》
今日は雨。 だからか、そんな歌が窓の奥から聞こえてくる
僕
なんて口にしながら 僕も口ずさんでみた
僕
僕
僕
口ずさむとやはりあの人の笑顔が 頭の中にインプットされたようにうつる。
僕
僕は机に戻り、ノートと教科書を開き 勉強を始めた
でも何故かスラスラ解けていた問題も あの曲とあの人の顔が思い浮かんでしまう。
僕
自分でも分かっていた。 顔を洗うなど無駄な事でやっても意味が無い事というのは。
けれど無駄な事だとしても少しは気が楽になると思い 椅子から重い身体を起き上がらせ部屋を出た
サァァァァ そんな水の音が耳をくすぐる
水を手の中に閉じ込め、顔に投げるようにぶつける
僕
冬が近くなる水はやはり冷たく目が覚めた。
蛇口を捻ると洗面所はとても静かで 窓から聞こえる雨の音が目立ち より、思い出してしまう
僕
なんて言って頭をコツンと殴る。 あの人にいつもされていた事。
「馬鹿だなぁー」
なんて言われて頭をコツンと殴られていた
僕
唇を噛み締め、涙を堪えようとするけど 目からは大きな水が垂れ落ちる
視界がボヤけ、鏡に映るも淡く泣いていた
気がつくと走っていた
雨が額を濡らそうと、腕を濡らそうと、 身体を濡らそうと
そんなの関係なかった
ただ、ただ走った
雨音に足がつられるように一歩一歩と
真っ直ぐに前を見て進む。
着いた先は あの【墓地】だ。
ここはあの人のお墓があり、 あの人が眠る場所。
僕
なんて辺りを見回す
お墓とお墓の小さな道を通り、 角を曲がると僕は止まった
僕
僕
手を合わせ、目を瞑る 心の中で僕は何を言っただろうか
なんて... 自分のことなのにな
「馬鹿だなぁー」
そんな声が聞こえたような気がした。 風に吹かれてどこか小さく。
僕
僕
墓石を見つめる。 すると何故か先程までの倍以上の涙が 頬を濡らした
僕
僕
涙はどんなに拭っても拭っても 頬を濡らす。
姉さん
僕
耳に小さく姉さんの声が聞こえた
顔をゆっくりと上げると
姉さんがいた。
姉さん
姉さん
姉さん
姉さん
姉さん
姉さん
姉さん
そんな言葉を言い残し姉さんは消えた
僕
何があったか分からずただ呆然と墓石を見た
そして、濡れた頬を拭うと
僕
僕
僕
僕
僕はこの日の帰り道。 あの曲をまた口ずさんだ。
僕
コメント
23件
アメちゃん♡ 迎えに来たよぉ♡
あ…好きです。フォロー失礼します。
すごくいいお話でした✨