1話
気だるげな身体を動かしながら 憂鬱な学校へと足を運ぶ
そうすれば大好きな君と会えるから
いふ
下駄箱の前で立ち止まるないこに 俺は今日も声を掛ける
ないこ
目を逸らし少し挙動不審になるないこ
いふ
何度目かももう分からない ないこの上履きが捨てられること
ないこ
俺はまたあいつらのやった事だと 目星を付けている
いふ
ないこ
ないこ
なんでないこが謝るん?
謝らなければいけない人物はあいつらなのに
モブ
モブ
何回もされる陰口 それがないこに届かないよう すぐその場から離れようとする
いふ
俺はないこ手を引き スリッパを借りに職員室へ向かう
相変わらず冷え性のないこの手は ひんやりと冷たい
そんな手を俺の手の温もりで温める
それがいつもの日常
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