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この世には──────

己の欲望や怒りの為に、罪なき者に躊躇なく被害を加える者たちが存在する。

しかし、そんな者達を断罪しようと悪に立ち向かう者たちがいるのも……また然り。

時は2100年───

嘗ては平和主義だった日本に

あらゆる事件が毎日のように発生する時代が到来した────

ここは東京のとあるホテルの入口。

そこには──────

一人の少女を取り囲むパトカーと⋯⋯ 警察官、数十名の姿があった。

その中で一人、少女に向かって叫ぶ男が居た――

原嶋

こらーガキンチョ──!!
今日こそは逃さんぞぉ──!!!

そう言って少女に近付くのは、あらゆる犯罪者を捕まえてきた優秀な刑事、原嶋(はらしま)刑事。

後に登場する犯罪組織の専属刑事…『特殊犯罪組織捜査班』に所属し、彼を中心に動いている。

仕事熱心で、事件が解決するまで何処までも追求する男である。

刑事だが、気を引き締めるためにいつもスーツを着用している。

少女とは数ヶ月前に出会い…といっても窃盗犯と刑事の関係なのだが……

彼は一度もこの少女を捕まられたことが無い。

何故なら……

凛音

へへん♪お宝ゲット‼刑事さん、ごめんね?
あたしに追い付けたらこれ返してあげるよ

そう言って、誰かから盗んできたであろう、指輪を人差し指に引っ掛け、余裕そうにそれを回す彼女は、凜音(りおん)。

原嶋

フンッ!毎回同じ手は乗らんぞ!

原嶋は両腕を大きく横に広げ、体全体を左右に動かす素振りを見せる。

しかし、その行動を見抜いた凜音は、神経を体に集中させ、それと共に背後から吹く風に合わせて素早く浮上(ふじょう)し、数台のパトカーの上を軽々と飛んでいく。

原嶋

な、何!?
今日は背後じゃないのか!?

背後に来ると思っていた原嶋は彼女に先手を取られたようだ。

そう────

凜音は風の力で自由自在に飛び回れる異能力の持ち主だったのだ。

宝石が大好きで、頻繁に宝石店に忍び込み、窃盗を繰り返す。

また、宝の匂いを嗅ぎ付ける事が出来るため、道歩く人からも容赦なく奪う。

今日もホテルから出てきた客から奪った物だ。

凛音

ははははっ☆
馬鹿だねぇ刑事さん…

原嶋

何!?

凛音

毎回あたしが同じ手を使う訳ないじゃん?

原嶋

くそっ……

原嶋

おい!お前ら!
じーっと見てないで早く捕まえろ!!

その言葉と共に、先程まで凛音の周りを取り囲んでいた原嶋の部下達は、彼女の乗るパトカーの上を一斉に左右から上り始めた。

後、もう少し……というところで、一人の部下が凛音の足元に手を伸ばす。

部下

よし!捕まえたぞ……

その声に釣られ、次々と他の部下も手を伸ばし始めた─────

凛音

うわぁっ!!?

凛音

…………へへっ。
そんなことしても無駄だよっと!

彼らが彼女の足を掴もうとした瞬間───

ふわっと隣のパトカーへと彼女は移動した。

その反動でパトカーが揺れ動く。

部下達

う、うわぁぁぁぁあ!!

ドォ━━━━ンッ!!!

バランスを崩した彼らは、ズルズルと地面に落ちていく。

その姿はまるで、ギャク漫画でも見ているかの様な酷い有様だった。

凛音

あっちゃー!痛そう…w

凛音は、彼らの無様な姿を見ながら、楽しそうに笑う。

その一方で原嶋は、見てられない…と言わんばかりに、ため息をついた。

原嶋

はぁ………

凛音

刑事さんも大変だねー

原嶋

お前が言うなっ!

原嶋

それより…そこを動くなよ??

そう言ってゆっくり、凛音に近付く。

凛音

!?

それに気付いた凛音は、原嶋の動きに合わせて後退る。

凛音

やっばっ……!!

しかし、パトカーの上は然程(さほど)広くはない。

これ以上、下がれないと判断した凛音は、何かを思い出したかのように、原嶋に向けて手を合わせた。

凛音

刑事さん!ごめん!!

凛音

あたし、刑事さんとこんな所で鬼ごっこしてる暇ないんだよねー。

凛音

だからもう行くね!!

凛音

じゃあね!ばいば〜い☆

原嶋

お、おい!誰が鬼ごっこだ!!

原嶋

こら、待てぇ───!!

原嶋の声は虚しくも、凛音の耳には届かず、彼女は風と共に姿を消した────

原嶋

くそ!お前ら、解散だ!解散!

今日も捕まえられなかった事に対する悔 しさと、自分自身への苛立ちを抑えきれず、部下達に当たるように言った。

そして、パトカーに乗り込もうとした……

その時────

ポケットから着信音が聞こえた。

原嶋

!?

原嶋

通話終了

通話
00:00

原嶋

はい、原島です。
申し訳ありません…今回も逃しました…
ぇえ…はい。

原嶋

……ぇえ!?
わ、分かりました!
直ぐに現場に向かいます

電話を切るなり、真剣な面持ちで周りの部下に指示をし始める。

原嶋

お前ら!!
今から駅前の繁華街に向かうぞ!!

原嶋

殺人事件だ!

そう言って原嶋を率いる 『特殊犯罪組織捜査班』達は

一斉に現場へと向かった─────

海斗

おい、聞いたか?

風花

聞いたわ。
殺人事件…やっぱりボスの言った通りね。

風花

奴らはこんなちっぽけな犯罪だけじゃ終わらないって……

海斗

あぁ…だが、事件が起きちまった以上、俺達がやる事は一つだ!

サキ

犯罪者の断罪!!

サキ

でしょ?リーダー!?

海斗

そうゆう事だ!
さっそく現場に行くぞ!

風花

了解!

サキ

オッケー☆

どうやら、この者達は物陰に隠れて、原嶋達の様子を伺っていたようだ。

彼らの正体…それは……

─────断罪組織『Shadow』──────

異能力者の中でも特に優秀な能力を持つ者達だけで結成された

竜崎 海斗を中心とする“国民的英雄”とも言われる組織である。

そんな彼らが………

いよいよ本格的に 動き出したのであった─────

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