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私の存在価値#10

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私の存在価値#10

1 - 私の存在価値#10

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2018年09月18日

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更新遅くなってしまいすみません。

では#10をどうぞ。

私は妹を事故で亡くした。

そして、彩葉に支えられながらも葬式を終えることが出来た。

そして、私は施設へと帰っていった。

これは私が20歳になるまでの人生を描いた物語。

施設にて。

美夢

ただいま。

職員

おかえり。

職員

大変だったね。

美夢

うん。

職員

夜ご飯できてるよ。

職員

食べれそう?

美夢

わかんない。とりあえず少しだけでも、食べるようにはする。

職員

わかった。用意するね。

美夢

ありがとう。

しかし、私は味噌汁を1口のみ他は何も食べる事ができなかった。

その日の夜。私は激しい頭痛に悩まされていた。

美夢

すみません。頭が痛いんで薬もらいたいです。

職員

探してみるね!んー。なさそうだな。

職員

私のでいいならあげるよ?

美夢

ありがとうございます。

私は毎晩毎晩寝る前に頭痛薬を飲んで寝ていた。

何日か経った頃。

薬を飲んでも頭痛は治らず、寝ることが出来なかった。

次の日から朝、昼、晩と1日3回頭痛薬をもらった。

しかし、それでも足りず自分で頭痛薬を買った。

1日2錠3回までの薬。1日で計6錠。

私は日が経つにつれて6錠が8錠になり8錠が10錠になり最終的には12錠にまで増えていた。

しかし、薬を飲み続けていたせいで、余計頭は痛くなる一方だった。

ある日。職員に部屋のゴミ箱を見られたのだろう。

薬を過剰に飲んでいた事がバレ薬を没収されてしまった。

そして、毎日薬を貰うことも禁止された。

そんな私は学校に行く事もできなかった。

皆が楽しそうに笑い、そして幸せそうにしているのを見ると

イライラし手が震え始め、そして吐き気が止まらなくなる。

学校に行っては保健室に行き、そして具合が悪くなり毎日のように早退する。

そんな毎日が続き、そして学校に行けなくなってしまっていたのだ。

学校に行かなくなってから数日後の朝。9時半頃だっただろうか。

私は部屋で寝ていた。

コンッコンッ。

施設長

おはよう。みむさん入るよ。

ガチャッ。

施設長

まさか、寝てたの?

美夢

はい。

施設長

あのさぁ、辛いのもわかってるし夜寝れていないのもわかってはいるけどさぁ、

施設長

あなたは学校を休んでるんだよ?

美夢

はい。

施設長

それで寝てるのはおかしいでしょ。

美夢

え...

施設長

皆、頑張って学校行ってるんだから

施設長

みむさんも部屋で勉強するなりしないとさぁ。

美夢

でも...

施設長

だし、保健室に行ってももいいから学校には行こうよ。

美夢

でも、辛くて...

施設長

気持ちはわかるけどさぁ。

施設長

せっかく受験も、学校入ってからもここまで頑張ってきたんだから

施設長

今無駄にしたらこれまでの頑張りが全部水の泡になっちゃうんだよ?

施設長

だから、辛くて早退してきたりしてもいいから

施設長

学校には行きましょう。

施設長

朝からごめんね。

施設長

じゃあ、私はこれで失礼するけど寝るのはだめだからね笑

施設長

わかった?

美夢

はい...

怒るというよりも、私は悲しかった。

私はサボっていた訳では無い。

眠いから学校に行かない訳では無い。

ただ、そんな事を施設長に言ってもただの言い訳にしかならない。

そう思われてしまう事がなによりも辛かった。

私はこの日から余計ご飯も食べなくなり、水分もあまりとらなくなっていた。

そして、少しでも食べては吐き何かを飲めば吐いていた。

そんな私はみるみるうちに痩せていった。

そして、水分不足からだろう。膀胱炎になってしまった。

激しいほどの尿意。排尿時の痛み。

想像していたよりも辛かった。

そんなにしんどい状態でも、施設長の言いつけを守り学校には行っていた。

さすがに激しい尿意に耐えられなくなり、職員に相談し病院に連れて行ってもらった。

そして、抗生物質という薬をもらってきた。

次の日...。

私はその日も言いつけを守り、学校に行った。そして、いつも通り保健室にいた。

もうすぐでお昼休みになるチャイムが鳴る時間。

私は突然吐き気に襲われ、トイレに駆け込んだ。

そして、吐き気が少し落ち着いた頃私は職員室に行き担任に気分が悪い、吐き気がするそう言って早退したいと言った。

しかし、担任は許可することなく少し笑いながらこう話をした。

担任

みむさぁん。

担任

辛いのはすっごいわかるよ?私も友達を亡くしてるからね。

担任

でも、私はその子の分も頑張ろうって思って逃げずに頑張ったよ?

担任

だから、みむさんもそろそろ気持ちを切り替えてもいい時期なんじゃない??

キーンコーンカーンコーン。

担任

ほら!丁度お昼休みだし、教室に行って皆とお昼ご飯食べてきてみたらっ?

担任

だから、今日は帰らないで頑張ってみよぉ!

美夢

......。

美夢

でも、具合が悪くて...

担任

きっと妹さんの事考えすぎなんだよぉ!

担任

妹さんの分もみむさんが頑張ってあげなきゃぁ!

美夢

......。

なんの言葉も出なかった。

私は本気でこいつの家族を殺してやる。

そして、私がどれほど辛いかを思い知らせてやる。

本気でこう思った。

私はギャン泣きで保健室に行き、事の経緯を保健室の先生に話した。

保健室の先生には、膀胱炎の事を言っていたため、

保健室の先生

膀胱炎って診断された時に、

保健室の先生

抗生物質をもらったと思うんだけど、

保健室の先生

人によっては気持ち悪くなっちゃったりするから、私から担任の先生に言っておくよ。

保健室の先生

だから、今日は早退して大丈夫だよ。

美夢

ありがとうございます。

保健室の先生

うん!さ、お迎え来てもらうから電話しておいで

美夢

はい。

そうして、私は施設へと帰った。

私は妹の事があってから、家族との時間を大切にしたい。家族と一緒に過ごせる時間を増やしたい。

そいうい理由で、毎週土日は家に帰った。

妹が亡くなってから、3、4回目の外泊の時だっただろうか。

施設へと帰る車の中で、親に「施設に帰りたくない」私はぼそっとそう言った。

パパ

そんな事を言われても困る。

美夢

だって、学校には行けって言われて、

美夢

途中でしんどいから早退しようと思っても、

美夢

早退させてもらえないんだよ!?

美夢

なんでそんな辛い環境に帰らなくちゃいけないの。

パパ

でも、俺たちはみむをちゃんと施設に帰す約束を守ってきたからこそ

パパ

今もこうやって家に帰って来れてるんだ。

パパ

だから、俺たちは施設にみむを送り届けなくちゃいけない。

パパ

まぁ、車から降りるか降りないかはお前次第だけどね。

美夢

え、車から降りなかったらそのまま家に帰れる可能性もあるってこと?

パパ

さぁ?俺はこれ以上は言わない。

そんな話をしている間に施設に着いた。

そして、母が私を連れてきたという連絡をいれ

職員が車まで迎えにきた。

職員

おかえり、みむさん!

職員

さぁ、行こう!

美夢

......。

職員

車から降りないと帰れないよ?

職員

そういう事してると、もう家には帰してもらえなくなるよ?

美夢

......。

私はだんまりを決め込んでいた。

そして、1時間ぐらい何も言わず何を問われても答えない。そうしていた頃。

職員

もう、無理そうなので

職員

今日はみむさんを一緒に連れて帰ってもらっても大丈夫でしょうか?

パパ

わかりました。

パパ

ご迷惑おかけしてすみませんでした。

職員

いや、大丈夫です。

職員

明日も学校があるので、朝の7時までにはみむさんを送ってきてほしいんですが、大丈夫そうですか?

パパ

大丈夫です。

職員

じゃあ、お願いします。お気をつけて。

パパ

はい。

パパ

な、帰れただろ。

美夢

うん。

パパ

どうせ、明日になっても帰らないって言うんだろ。

美夢

うん。

パパ

だと思ったよ。

美夢

ごめんね。

パパ

いや、別に。

そして、家に帰り次の日もまた次の日も私が施設に帰ることはなかった。

施設長や職員が何回も何回も家に話をしにきたが、

私は「帰らない」の一点張りだった。

2ヶ月ぐらい経った頃だろうか。学校を辞めること、そして家に帰ることが決定した。

そうして、強行突破ではあったが私は家に帰ってくることができたのだ。

私を理解してくれるのは家族と彩葉だけ。

それを何回思い知らされ、どれほど辛い思いをしたか。

きっとそいつらにはわからないだろう。

そして、わかってほしくもない。

ただ、辛い経験をした時に軽率な言動がどれほど人を傷つけかを知ってほしい。そして、私みたいにそういう言動で傷つく人が少しでも減ればと、私は思い、願うのだ。

#10を読んでいただき、ありがとうございます。

軽率な言動、思いやりのない言葉これがどれほど人を傷つける事になるのか。それをたくさんの方にわかっていただきたいものです。

それでは、また#11でお会いしましょう。

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