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あの日から

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あの日から

5 - きっかけ ⑤

2020年06月16日

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8月

おまえ大丈夫か?自分の体のこともあるのに、ニコちゃんとこにも結構行ってるんだろ?

ゴロー

まぁな。これくらいしかやれないし。

まさかとは思うが、自分を責めたりしてないよな?

ゴロー

ゴロー

最初はな。オレ、自分の体のことで参っててさ。あいつが飛び降りる少し前に、病気だったら別れるって話したんだよ。だって、相手も自分も分からなくなるやつといる意味ないだろ。

そうか。オレでもきっとそうするわ。

ゴロー

気丈に振る舞ってたし、普通に笑って過ごしてたから特に気にしてなくて。実際、オレも余裕なかったけど。

気にする気持ちは分かるけど、そもそも、別れるのが嫌で自殺するか?ニコちゃん、病気のことすげー心配してたぞ。どちらかというと、苦しくて逃げ出すならおまえの方だしな。

ゴロー

そうなんだよ!おかしいんだよ。
オレだよな、自殺するなら。

まぁ、普通に考えたらな。
でも、飛び降りたんだよな。目撃者もいるんだろ?きっと別のことで悩んでたんじゃ。

ゴロー

それはそうなんだけど。
でも、どうしても引っかかるんだよ。

まぁ、信じられない気持ちは分かるよ。答えも聞けないしな。
オレらが会ったときも変わりなかったし。きっとおまえ以外に原因があったんだろ。

ゴロー

は?おまえニコに会ったのか?いつ?オレらって誰だよ。

ごめん!ニコちゃんに秘密にしてくれって言われてたから。
会ったのは、おまえの病気の件だよ。最近の様子とかおかしいところはないかとか、あともし病気だと分かっても助けてあげて欲しいとか。
ま、今思えば自分の代わりに支える人探してたのか。
今となりゃ分からないけど。

それに、ニコちゃんより長い付き合いだぞ?おまえがアルツハイマーだろうがなにも変わらないって言ったよ。
塞ぐ暇ないくらい飲みにでも誘ってやるよ。

ゴロー

そうか。で、誰が一緒に居たんだ?

椎名だよ。
オレが丁度椎名と飯食ってる時だったから。オレと椎名とニコちゃんの三人。えっと、日にちは…

8月4日かな。日曜日だったし。

ゴロー

その時、何かあったか?おまえか椎名が何か言ったとか。

何?…いや。
オレはニコちゃんの話を聞いて、おまえの最近の様子を話しただけ。
椎名は特に聞いてただけじゃねえかな。言ってもおまえと面識ねえしな。ニコちゃんとは合コン以来だと思うよ。

ゴロー

それだけか?

そうだよ。納得出来ないか。気になることあるならとことん聞けよ。いつでも付き合うから。

ゴロー

そうか、すまん。
実はその日ニコと電話してるんだ。日曜日に検査結果出たから。それが最後の会話なんだ。

そうなのか!?え、じゃぁ、オレらと会ったのが最後…

ゴロー

おれ、アルツハイマーじゃなかったんだよ。

は?

ゴロー

異常ないって。速攻で電話したよ。ニコも喜んでくれて…。ただ、ちょっと違和感はあったんだ。

え!?病気じゃなかったのか!マジか!良かったな!!

え?じゃぁなんでニコちゃん…

ゴロー

だからおかしいんだよ。
あいつは自殺なんかするわけないんだよ。

ムツミ

こんばんは。最近なかなか会えなくて寂しいです。

ナナセ

ごめんね。なかなか自由な時間が取れなくて。

ムツミ

いえ、すみません。ただ、私も最近色々あったので。

ナナセ

大丈夫?詳しくは知らないけど、亡くなったって。身近な人だと辛いよね。

ムツミ

ムツミ

実は私ニコさんに疑われてたことがあって。合コンの日も会っていないのでメールのやり取りだけで、私のことも知らないはずなんですけど。

ナナセ

え?何か言われたの?

ムツミ

彼氏さんと浮気してるんじゃないかって。私、会ったこともないんです。でも、もしかしたら相当思い詰めてたのかなって。

ナナセ

うーん、それは言いがかりだね。今更、もう聞けないしね。不謹慎だけど、ニコさん、抱えきれない悩みから解放されたのかもしれないね。

ムツミ

一華さんが言うには、色々疑り深くなってノイローゼ気味だったって。好きな人のことで頭がいっぱいだったのかも知れませんね。

ナナセ

来週辺り、久しぶりにランチ行けると思うよ。待たせてごめんね。話聞けるよ。

ムツミ

いいんです。お仕事忙しいでしょうし、いつまでも待ちますから。

ナナセ

じゃぁ、お互い自由になったら、僕らが出会ったあの店にでも行こうか。

ムツミ

わぁ!楽しみにしています。

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