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ヨラ@低浮上
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浪霧(らむ)
153
あの日から3日程経った。
ついに今日は…最後の日。
私は決めたんだ。みんなで…生贄になる。
…クウの考えはお見通し。一人で行く気でしょうね。
バレバレなのよね…
そんな事させないから、阻止してみせるから。
たとえ何があろうとも。
クウ
リク
カイ
そんな軽い会話を交わしながら、私は考える。
まずはクウを探ってみないことには始まらない。
カイ
クウ
案外軽く返ってきた返事を受け止めながら、次の言葉を紡ぐ。
カイ
クウ
クウ
…こんなにも早く話が伝わるのは、多分アレ、のせいだろう。
3日前…私が夢を見た夜。
あの日、クウは皿を割った。
クウにしてはとても珍しい事だ。
カイ
クウ
カイ
こりゃ、面倒臭いな。
絶対に何かあるっていうのに…。
その悩みが…。私と同じだとしたら。
過去の生贄達と、話したとしたなら。
きっと、クウも辛いはず…。
カイ、聞いてる?
あんた、かなり不器用だし、馬鹿よ。
だけど、あんたが一番人間らしい。私は少なくともそう思った。
…人間らしく、あの世で暮らしてなさいよ。
無理に変えなくても大丈夫だから…。
…そんな考えを巡らせていた時、流石陸の生贄というほどの速さで、リクが走って戻ってきた。
リク
クウ
二人で会話している時にも…。クウの顔は曇っている。
…私、ちゃんと出来るかしら。
リク
…そう考えている内に、扉が開いたみたい。
クウ
リク
……二人の会話にうまく混ざれない。
どうしてもクウの様子が気になってしまう。
……ああ。
カイ。あんた、あんたはどうしてたの?
クウとろくに会話交わしてなかったんだろうけど。
リクと上手く話せてなかったんだろうけど。
言葉足らずだけど、不器用だけど。
その優しさは本物でしょう?
…いつか会えたなら
ちゃんと、優しさを使えてる姿を見たいな。
リク
クウ
目の前に広がっているのは広い平原。
陸の生贄ならば当たり前に走れる距離なのだろうけど…私には到底無理な距離だな。
リク
クウ
カイ
少しの会話を終え、クウの上に乗った。
上着もあるからか少し暖かいその背中は、なんだか安心するな。
……えっ、高くない?
そう思っていた時にクウから言葉が発しられた。
クウ
気持ちいい速度で空を進んでいると、先を進んでいるリクが見えてきた。
クウでも追いつけないほど…流石陸の生贄といったところだろうか。
どれだけ走っても速いし体力も切れそうにないようだ。
リク
クウも速いけれど、やはりリクは速い。もう端についた様だ。
もうすぐ私達も着くかな…。
クウ
クウ
カイ
クウ
クウがリクのところへ行ったのを見届けた後、私は右手で持っていたバックに自身の服を入れた。
防水バックに服を入れ、自身が下に着ていた水着を整えると、泳ぐ姿勢に入った。
リクがクウと何か喋っているのを横目で見ながら、私は出発した。
カイ
クウ
そのクウの言葉を最後に、私は泳ぎ始めた。
バシャバシャと、水の跳ねる音で周りの音がかき消される。
夏の暑さと海の冷たさが合わさり心地よい温度になっている。
…対岸が見え始めた頃。リクとクウが見えた。
クウ
リク
二人の会話を少し聞きながら、私も到着したのだった。
カイ
…3人、揃った。
水着をタオルで拭き、私服を着ながら。
私はちゃんとできるだろうか?
…ずっと考えていた。
最後の、「空の生贄の適用する場」に着いた。
夏の暑さが私たちを暖める。
太陽が私達を明るく照らし上げる。
高く光る雲を突き抜け、設置された建物のようなものが聳え立つ。
…ここは、勝負だな。
クウ
リク
カイ
本当は分かっている。
ここで…クウは1人で行こうとするんだろう。
…知らないフリじゃ、済まされない。
クウ
クウ
クウ
クウ
クウ
リク
…リクもようやく察したかな。
…だめだ。…止めるんだ。
カイ
翼を広げはじめたクウの手首を、ある限りの力で握りしめた。
クウ
カイ
クウ
カイ
カイ
カイ
ずっと考えていた。
クウがいなくなったら?一人で行ってしまったら?
…そんなの、あんまりじゃないか。
二百年前の二の舞なんて。結局最期は同じだなんて。
そんな事を思っていたら…。自然に涙が溢れるんだ。
リク
リク
リク
リク
リク
リク
クウ
クウも顔を歪めたのが見えた。
リクも…涙が頬を伝っているのが見える。
クウ、あんたが泣くのは…。
幸せを知っているからこその哀しみだけじゃなくしてあげる。
本当に、いい意味で期待を裏切られて。
最っ高に嬉しい時も、泣かせてあげる。
カイ
クウ
クウ
カイ
リク
リク
カイ
クウ
クウの顔が泣き笑いへと変わる。
悲しいがゆえの泣きではなく、嬉しいの泣き。
そう、願っている。
世界の残酷さなんて知らない。
私達の幸せなエンドを…紡げれば後はどうでもいいから。
クウの手に捕まって宙に舞う。
先程より、余程いい気分だ。
リク
カイ
クウ
クウ
リク
着いた先は…不思議な場所だ。
灰色の地面に、真っ白な螺旋が刻まれている場所だ。
…その先に立っている人影を見つけるまで、情報はそれしかなかったはずなのに。
テノンカ
カイ
テノンカ
テノンカ
テノンカ
クウ
リク
テノンカ
「テノンカ」
薄い金髪に角…翼。虹色の瞳。…背丈もあのカイと同程度かしら。
いかにも特別な見た目ね…。
テノンカ
リク
テノンカ
テノンカ
テノンカ
リク
カイ
クウ
テノンカ
ルカイン・リアン。
きっと何かの呪文か何かだろう。
それが唱えられた時…。
私、いや私達の意識は途絶えた。
カイ
リク
クウ
目の前に広がるのは雲、雲、雲。
ひたすら雲が広がり明るく光るこの空間は、なんだか不思議だ。
クウ
クウ
カイ
リク
クウ
クウ
…クウ。
彼は映像で見たように傷を隠してはいなかった。
火傷痕、切傷…全てよく見える。
クウ
リク
クウ
カイ
クウ
クウ
クウ
彼が指差した先に、先程見たカイがいた。
クウ
カイ
2人が近づかない理由は分かる。責任だろう。
…クウが近づきたがる理由はなんだ?
話を聞く限り、彼はひどく扱われてばかりの筈だ。
リク
カイ
リク
カイ
テノンカ
クウ
テノンカ
カイ
カイ
とにかく、ここには6…いや、7人全員いる。
クウ
カイ
リク
気まずいだろう。
特にリクとカイ…。
クウ
リク
…え。
彼女から発されたのは予想外の言葉だった。
リク
リク
リク
クウ
リク
リク
リク
クウ
リク
リク
そういった彼女の口こそ笑っていたが、目は笑っていなかった。
カイ
リク
カイ
クウ
クウ
カイ
リク
カイ
クウ
リク
…信じられない。
リクたちが驚くのも分かる。
流石に許していい事じゃないだろうに。
クウ
リク
リク
クウ
クウ
クウ
カイ
リク
クウがリクらに抱きついた。
信じられないことに、抱きついたんだ。
リクもカイも、顔を歪ませた。
でもそれは驚きだけじゃない。
恨みでも、恐怖でもない。
ただの、幸せだ。
リク
クウ
クウ
カイ
カイ
クウ
そんな会話が繰り広げられた後。
周りにいる…私含めて。
全員が涙をこぼしていた。
リク
カイ
クウ
テノンカ
ああ、この生贄達も。
…そして、私達も。
生贄として生まれただけで…。きっと、
「世界を救える三人組」
エンド分岐―カイ編
Episode15
HAPPYEND
【世界を救える三人組】
登場人物 リク カイ クウ カイ(→200) リク(→200) クウ(→200) テノンカ
作者:ヨラ
コメント
11件
うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!! 待って待って待って……泣泣泣 好きすぎてもうだめ……泣泣泣 みんな良すぎる…!!あと前のクウ優しすぎる…!!! 現代の3人の話ももの凄い好きだし、昔の3人の話も切ないすぎる…救われてて私も幸せ… ていうか今回が幸せすぎて次回ちょっと怖いッ…… とにかく神作ありがと…泣泣
めっちゃ!めちゃ!よかったぜ!
このエピソード、本当に良かったです…!クウが一人で行こうとするのをカイとリクが止めるシーン、特にカイの「私達は…!!」という台詞が胸に刺さりました。生贄という重い運命を背負いながらも、三人で向き合おうとする姿勢が素敵で。最後の天国での和解も、クウが「許す」って言って抱きつくところ、涙が出そうになりました。テノンカという存在も気になるし、世界観の奥行きを感じる終わり方でした。ハッピーエンドで本当に良かったです!