蒼氷
皆さんこんにちは
藍
新連載、藍を抱く青い鳥は自由な空へ羽ばたく。
藍
白菊藍です
蒼氷
透真蒼氷です
藍
それではお話
Let's Start!!
蒼氷
はぁ…
僕は屋上に来ていた。
理由は1つ。
ここから飛ぶため。
幼い頃から空や鳥が好きだった。
鳥のように自由に空を飛んで
あの雲を掴んでみたい
そして今
その願いを叶える
そのために好きな漫画もアニメも見てきた
もう思い残すことは何もない
…行くぞ
藍
ねえ君!
蒼氷
…え?
蒼氷
…誰?
藍
誰でもいいよ
藍
君、そこから飛ぼうとしてたの?
蒼氷
…関係ないだろ
藍
やめた方がいいよ〜?
藍
ねえ、君さ─────
藍
私と少しの間、一緒に過ごしてくれない?
蒼氷
…は?
藍
ここから飛べばどうなるかはわかるでしょ?
藍
つまりはそういうこと
藍
どうせ思い残すことは何もないでしょう?
藍
なら私と過ごして?
蒼氷
な、何で…
藍
私、独りなんだ
藍
独りには飽きたから
藍
それに君も
藍
どうせ自分を捨てるなら、誰かを幸せにしてから捨てたいでしょう?
蒼氷
…
誰かを幸せに。
とうに諦めた、以前僕が目指していた自分の姿。
この子の言う通りだ。
どうせなら誰かを幸せにしてから飛びたい。
蒼氷
…わかったよ
藍
ふふっ、交渉成立だね
何故か彼女の憂いを帯びたその顔に
とても惹かれていた
それから、彼女の家に連れて行かれた
彼女の名前は白菊藍
自分の名前を彼女に伝えたら
透明なのか青いのかわからないねと言われた。
それなら君も白か藍色かわからないね、と言い返してやった。
すると、確かにと言って笑った。
藍
私さ、親を事故で亡くしたんだ
藍
お父さんは飛び出した子供を助けて代わりに車に轢かれて
藍
お母さんは買い物の帰りに急いでた車に轢かれて
藍
別に独りは嫌じゃないんだけど
藍
少し寂しくなっちゃって
蒼氷
…そっか
藍
空気変えよ?私、しんみりしてるの好きじゃないんだ
藍
そうだ、透真くんは?
藍
どうなの?
藍
色々教えてよ、強制はしないからさ
何だ、あの屋上での顔と全く違う。
おしゃべりな子だ。
蒼氷
…僕は
蒼氷
空や鳥が好きで
蒼氷
鳥のように自由に空を飛んでみたいと思ってた
蒼氷
それで、この世界の全てに絶望したから
蒼氷
どうせなら、最後に自分の願いを叶えてやろうって
藍
ほうほう…
藍
私も飛んでみたいなぁ〜…
藍
ねえ、飛ぶときは私も誘ってよ
藍
一緒に飛びたい
蒼氷
はぁ?
蒼氷
飛んだらどうなるか、わかるだろ?
藍
わかるから言ってるんだよ
蒼氷
…
藍
誰かに殺されるなら
藍
自分で自分を殺してやりたい
蒼氷
…そっか
藍
あははっ、冗談だよ!
藍
何でもすぐに信じたら駄目だぞ〜?
藍
さ、何か食べたいものは何かある?
藍
作ってあげるよ
蒼氷
…別に何でもいいよ
蒼氷
あ、でも卵料理はやめてほしいかも
藍
卵嫌いなの?
蒼氷
うん、味がなんか苦手
藍
オッケ〜
藍
卵以外はどう?
蒼氷
大丈夫
藍
わかった、待っててね