出来損ないの嫌われ王子は貴方の前から消えたいと思います。

それから空木様と芹さんと一緒に庭園を散歩したりした。

やっぱりここの庭園はすごく綺麗だ。

夏のお花がたくさん咲いてて、明るい。

一時、お花とお話をし、部屋に戻った。

僕にはちょっとした趣味が出来た。

お花を観察する事だ。

更には新しいお花を見つけるため、実験もするようになった。

空木様の実験室を借りて、実験をする。

僕は地球でも存在しなかったお花を完成させたかった。

黒薔薇や青薔薇、他にも色々とあるが今はこの2つを実験している。

こういう、1人でする仕事が楽しく、夢中になっている。

ｺﾝｺﾝ

ｺﾝｺﾝ

気になる。

お客さんって誰なんだろう。

そう思った僕は空木様について行くことにした。

お客さんは牡丹様だった。

最近会ってないのか、ちょっと成長した感じがする。

婚約...。

ｽﾞｷｯ

胸が痛んだ。

分からない。

でも、ちょっとモヤっとした。

この場に居れなかった僕は部屋に戻ることにした。

婚約...婚約...。

ﾄﾞｻｯ

ボーとしてたせいで本を落としてしまった。

何やってんだ。僕。

一番にそう思った。

牡丹様は僕のことを嫌ってる。

なのに僕が空木様と一緒に居ると知ったら何されるか。

そうなんだな...。

そんなの...離れられなくなっちゃうじゃん...。

婚約者居るくせに...。

そして次の日。

僕は空木家を出ていくことにした。

サマー国を出た僕はスプリング国に戻った。

兄様に会うために。

こっそり城に入った。

誰にも気付かれずに兄様の部屋に着いた。

ｺﾝｺﾝ

ｼｰﾝ

誰も居ないようだ。

こっそり入り、兄様の帰りを待った。

ｶﾞﾁｬｯ

僕は兄様に全てを話した。

生まれて来なければよかった。