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彼は穏やかな顔つきで眠っている。

突然倒れた時は驚いた。

、、、

大陽、、

久しぶりだなぁ、、

元気だったか、、?

俺は、、、

あれで良かったのか、、

未だに分からないよ、、。

すぅすぅと子供のような寝息を立てる彼の髪をそっと撫でる。

柔らかかった。

まだ、指輪は外してないんだ、、

左手の薬指には自分のを、小指に大陽が置いていった指輪をはめていた。

結婚式で会った時、運命だと思った。

偶然のようで必然な運命。

捕らわれたらもう、良くも悪くも逃げることはできない。

ピアノ、、頑張ってるんだってな。

最近、テレビなんかにも出て、、

海外にも行ってるんだって、、?

頑張り屋さんは変わんないね、、´`

変わったのは、俺だけだな、、

この3年で、随分歳をとったように感じた。

感情すら色褪せようとしていた。

3年、たった3年、されど3年。

自身のアパレルショップを開き、歳をとり、変わっていくには3年は十分だった。

しかし、変わってしまった自分が嫌だった。

お前はさ、、

本当に変わんないよな、、

眼差しもずっと真っ直ぐで、、

式場での別れ際、言いかけた彼の言葉が気になった。

都合のいい妄想ばかりしている自分がいた。

(なに考えてんだ、俺は。)

、、、

そういや、

付き合った時もこんな感じだったけ、、?

ふ、、と記憶の道を戻った。

まだ21の時だった。

彼女がいたが、形だけだった。

告られて付き合って、好きになることは1度もなかった。

そして、振られた日

いつもは絶対に入らない、カップル達で溢れかえるカフェに1人で行った。

何の悲しみもなく、むしろ体が軽かった。

そこだった。俺達の出会いは。

大陽

いらっしゃいませ。

大陽

お持ち帰りですか?

あ、いや、飲んでいきます

大陽

かしこまりました。

大陽

何になさいますか?

あ、えっと、、

ほとんど顔も見ずに会話していた。

しかし、顔を上げた時だった。

大陽と目が合った。

もうあの瞬間、いや、もっと前から運命は動き出していたのかもしれない。

その時はただ、美形だな、と思った。

そして、笑顔がキラキラしていたのをはっきりと覚えている。

今思えば、あれは一目惚れだった。

瞬きのひとつひとつが繊細で指が細くて綺麗で、気が付けばずっと彼を見ていた。

大陽

、、?

大陽

僕の顔、なんか着いてます?笑

、、あ、へ、?

あ、いや、ごめんなさい

アメリカーノで、、。

大陽

はい。アイスでよろしかったですか?

あ、はい。

会計などを済ませ、席に着く。

そして、気が付いた。

鼓動が初めての感覚で高鳴っていた。

心臓が鼓動を打つ度に体に衝撃が走るような感覚。

(なんだ、これ)

(動悸が、、、)

それは俗に言う、''恋'' の感覚だった。

(男に、、惚れた、、、?)

(そんな、、馬鹿な、)

男が好きなのか、

しかしそう考えれば、全ての辻褄が合った。

彼女と別れた原因も、そこにあったのか。

女性の体はあまり興奮しなかった。

しかし、それは自分のせいだと思っていた。

自分は不感症なのかと思っていた。

そうでは無いことに気が付いたのがその日だった。

同性愛者なのだ、と思うと今までのことが全て楽になった。

驚くことはなかった。

ふぅ、、、

大陽

失礼します

大陽

アメリカーノで間違いなかったですか?

あぁ、、はい、、。

大陽

、、

大陽

ぁわっ、、!!

、、わ、、!!

その店員がテーブルにコップを置こうとした時、手を滑らせた。

コーヒーは見事に俺の服にかかった。

大陽

、、すみませんっっ!!

っ、、、笑

大陽

本当にすみませんっっ!!

彼は机上のナプキンを手に取り、茶色に染まった俺のシャツを拭く。

大陽

落ちないよな、、、

彼は膝立ちをしながらせっせと作業を続ける。

その時、はっとしたようにこちらを見上げた。

大陽

あ、、、、

大陽

ごめん、、な、、さい、、

大陽

ずけずけと、、、こんなこと、、

、、、

その、こちらを見上げる上目遣いと弱々しい声が可愛らしかった。

初めて誰かを愛おしいと思った。

きまり悪そうに目を泳がせる彼は、まるで彷徨う子犬のようだった。

もう、気が付いた時には遅かった。

俺は、シャツを拭く彼の腕を掴んでいた。

あの、、

いいです、、^^

大丈夫です

大陽

、、へ、、?

大陽

でも、、

大陽

僕の方で新しいものをご用意させていただきま、、

だから大丈夫です、、。

大陽

、、、

その代わり、

連絡先、、教えて、、

大陽

は、、い、、?

連絡先教えてください、、

君、バイトでしょ?

大陽

はい、、。

お金だってないんだろうし、

連絡先教えてくれれば、それでいいよ

大陽

連絡先、、ですか、、?

そ、、

大陽

、、、、

大陽

分かりました、、。

大陽

っでも、

大陽

新しいものご用意しますね、、

いや、いいよ

帰るから、

連絡先だけ教えて、、?

大陽

、、あ、、はい、、

そうして、連絡先を交換した。

周りの客達がざわめき立てる。

傍から見たら、ただの面倒なクレーム客だ。

しかし、そんなことはどうでもよかった。

彼を前にしては。

つくづく変な人だな、と思った。

注文の時にはじっとこちらを睨んできた。

無愛想で、絶対に関わりたくない人種の人間だと、脳が拒絶反応を起こしていた。

こぼしてしまった時は、最悪だ、と思った。

終始、何を考えているのか分からなかった。

ただクレームをつけたいだけでは無さそうだった。

大陽

ふぅ、、、

大陽

お先に失礼しまーす、、

今日の一件で体がだいぶ疲れていた。

しかし休むことなどできない。

ピアノの練習をしなくてはいけない。

大陽

(やんなっちゃうよ、、もう)

大陽

(僕は、、天才なんかじゃないんだよ、、)

幼い頃から、みんなが僕を天才ピアニストだと謳った。

その期待に応えるべく、一生懸命取り組んだ。

そして、その成果が出て周りから褒められるのがやりがいだった。

しかし、高校2年生の時、ふとした時、言われた言葉に違和感を覚えた。

''大陽くんは天才だから''

今まで、褒め言葉だと思っていたそれが、突然そうではなくなった。

違う、そうじゃない。

僕は天才じゃない。

自身の努力を貶すような言葉にすら聞こえた。

''天才'' その一言で全てが片付けられ、人々は皆、納得する。

それがどうしようもなく嫌だった。

いつしか、ピアノを弾くことすら、苦痛となっていった。

しかし、それを変えてくれたのは彼だった。

さてと、、

第2話終了です、、、

読んでくださってありがとうございます😊

いやー、、、、

やっぱり腐はいいですね、、

大陽は絶対うk、、、

ってことで、

次回はもっともっと進展が待っているかも、、?!

お楽しみに〜!!
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コメント

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うん。腐は良き。

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