愛夏
……
悠斗
あの時の夏も、そうだった。
暗い空に花火が輝いている。
愛夏
悠斗……
悠斗
だから……今年こそは……
愛夏
うわあああああああああ
愛夏
はぁ、はぁ、
愛夏
ひええ……
愛夏
今日も変な夢みちゃったよ……
最近こんな変な夢をよく見るのだ。
それも、ちょっとずつ夢の中で出来事が進んでるんだよねー
愛夏
しかも、悠斗……
悠斗
よっー愛夏。
愛夏
おはよ。
悠斗
今日、夏祭りだな。
愛夏
今年も行く……よね?
悠斗
もちろん!
悠斗
愛夏と行きたいし〜
毎年同じような会話を繰り返している。
悠斗
じゃあ、きーまりっ
愛夏
え……
クラスの女子
まじありえん……
クラスの女子
愛夏うぜぇ……
クラスの女子
悠斗を奪いやがった!!!!!!!
愛夏
(ひぇえ〜怖い怖い。)
ザワザワ……
悠斗
おまたせー!
愛夏
今年も遅刻!?
愛夏
いっつも誘った本人が遅刻するよね〜
悠斗
へぃへぃすみませんー
悠斗
今年は、金魚か!
愛夏
うん。
愛夏
今年は金魚すくいでこの浴衣に描いてあるぐらいすくいたいなぁって。
悠斗
えぇっと?
悠斗
いーち、にーぃ、さーん……
悠斗
13匹いるけど……
悠斗
そんなすくえんのー?
愛夏
が、がんばるもん!
愛夏
くそおおおおお
悠斗
ほら、やっぱりとすくえなかったじゃん!
愛夏
1匹のお前に言われたかねぇーよ!
悠斗
これはな、ポイが破けやすかっただけ……
愛夏
悲しい言い訳ですねw
愛夏
ねぇ、今何時かな?
悠斗
んー
悠斗がスマホを取り出す
悠斗
6時だってよ
愛夏
じゃあ、そろそろだね!
ついに、
あの【瞬間】がはじまる
愛夏
わぁ……キレイ……
悠斗
……そうだな
悠斗
……
愛夏
……
ひゅるるるる……
ドーーーーン
悠斗
なぁ、
悠斗
愛夏。
愛夏
ん?
悠斗
言いたいことがあるんだ。
愛夏
……
悠斗
あの時の夏も、そうだった。
悠斗
だから……今年こそは……
悠斗
この気持ち、伝える。
愛夏
なにそれ……
悠斗
俺、お前のこと好きだ。
悠斗
今まで、ただの幼なじみだったけど……
悠斗
これからは、「恋人」として付き合って欲しいんだ。
まっすぐな目で私を見る悠斗は、
花火の光に照らされてもっとかっこよく見える。
愛夏
私も
愛夏
好きだよ
この夏祭りは、
私たちが
20歳の時のことだ……
すぴか
誰か気づいてくれるかな……
すぴか
数字……