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新しいクラスになって、教室も、 先生も、友だちも、みんな変わった。
僕の隣には、転校してきたばかりの 中山君が座ることになった。
初めて隣に座った時、 ぼくは、色々なことを聞いてみた。
ところが、中山君は、ただ首を 縦や横に振るだけで、 何も話してくれない。
ぼく
ぼく
と、ちょっと腹が立った。
でも、そのうちに、中山君は、 僕とだけ口を聞かない事が分かった。
いつも一人で、黙り込んでいる。
ぼく
僕は、中山君が不思議で 仕方がなかった。
図工の時間のことだった。
「楽しかった思い出や、将来の夢を、 自由に書きましょう。」
と、先生に言われたので、みんな、 思い思いに書き出した。
僕がそっと覗き込むと、それは、 死体の山だった。
中山君も、背中を丸めて、口を ぎゅっと結んで、夢中で書いていた。
僕が思わず、
ぼく
と聞くと、中山君は、絵を 書き続けたまま、
中山君
と言った。