TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

夢に煙る、夜の果て

一覧ページ

「夢に煙る、夜の果て」のメインビジュアル

夢に煙る、夜の果て

3 - 3:ふたり目の夜

♥

6

2025年06月06日

シェアするシェアする
報告する

夜の街は昼よりずっと静かだ。 でも、俺にとっては静かすぎてうるさい空気だ。

「ひとりになりたい」 そんな言葉が、不意にこぼれて。

ひとりになりたいけれど、ひとりになったら、何かに押し潰されてしまいそうで。 そんな矛盾を抱えて、公園へ足を向けた。

──煙草の火をつけようとしたその時。

夜宵 夢

また、泣きそうな顔してる。

時雨 澪

……

振り返ると、ブランコに腰掛ける彼奴がいた。 白い服に、白い肌。 夜に溶け込んでしまうような存在なのに、不思議と簡単に見つけられた。

時雨 澪

ストーカー、かよ。

夜宵 夢

、笑、違うよ、君の方が来てくれたんでしょ。

時雨 澪

意味、わかんねぇ。

夜宵 夢

じゃあ、答え合わせしよっか。

其奴は立ち上がり、ブランコをキィ、と鳴らして、澪に近づく。

夜宵 夢

今日も煙草、捨てたくなるかな。

そう言って、澪の顔を覗き込んでくる。 吸っていた煙草が、なぜか酷く苦く感じた。

──ポトッ

火が落ちた。 無意識に、俺の手が煙草を離していた。

時雨 澪

また、捨てさせた。

夜宵 夢

ううん、君が選んだ。

其奴の声は優しくて、でもそれ以上に深い。 底が見えない、何かに誘われているような、夜の奥底に引き込まれていくような感覚だった。

時雨 澪

名前、なんて言ったっけ。

夜宵 夢

夜宵、夢。
変な名前、でしょ?

時雨 澪

夢、か。

夢、という名前に、不思議と納得した。 夢のような存在だったからだろうか。

笑っているのに、涙が出そうになる。 此奴は、夢は、優しすぎる。いや、それとは違う。 "優しさを演じている何か" ──そう、感じた。

時雨 澪

…お前、一体、?

夜宵 夢

言っちゃうとつまらないから、ナイショ。
でもね、澪くん。君のこと私、ずっと見てたよ。

夜の風が、ブランコを揺らす。 澪の足元に、影が二重に揺れていた。

ずっと見てた。 そんな言葉に、妙に納得した。 気になったけど、聞きはしなかった。

夢に煙る、夜の果て

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

6

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚