短編集

自分の見る世界に 違和感を覚えたのは 太陽が眩しい、ある夏の日だった

急に世界が灰色になったように見え とてもびっくりしたが すぐに世界の鮮やかさは戻ったので 特に気にしていなかった

この現象は度々起こり 回数を重なるごとに 目眩も起きるようになった

さすがに無視できなくなってきて 病院にいった そしたら、医者に

あなたは、近々色が 見えなくなるでしょう。 そしてしばらくしたら、 目も見えなくなるかも しれません。 今まで見たことない 病気です。 目が色認識する機能が どんどん弱くなっています 目も髪も 白く染まってしまう 可能性もありそうです。

そんなことを言われて 耳を疑った

確かに目は昔から悪くて メガネをかけていたけれど 見えなくなるほどではなかったし 色がわからなくなる病気なんて 聞いたことがない

俺は絶望した みんなと鮮やかな思い出が 作れなくなってしまう、 みんなの笑顔が わからなくなってしまう、と

色がわからなくなるのには まだ時間がある 治すことはできないと 言われてしまい悲しんでいたが そんなことをしている暇はない 一刻も早くみんなと思い出を 作りたい、そう思った

収録が終わり

おらふくん視点

今から行くところは おんりーとの思い出の場所 山道を通って行くから 体力を使う だから体力が少ないおんりーは すぐ疲れてしまう

今日のおんりーはなんか 焦っているようだった ときどき 目をキョロキョロさせたり ふらふらしてたりしていた 今も早くあの場所に行きたいのか すごく無理してるように見える

今、おんりーの目と髪が 白く光ったように見えた…？ いやでも、おんりーの髪と瞳は 吸い込まれそうな深い緑色 …見間違え？ 聞いてみる？ でも、おんりーに聞いては いけないような… おんりーは…なんか泣きそう？

どうして そんなに苦しそうな顔をするの？ またこようって言っただけだよ なんで、泣きそうなの？ 教ええてよ、相談してよ 親友でしょ？僕ら

…不安が渦巻いているように 思えたが、このまま解散に なってしまった

旅行当日

今色消えるとか… 急に来て声出ちゃったし …あれ？すぐ戻らない？ いつもより 長かった気がする… 危ないかも…？

6色に輝くシーグラスは 色がわからなくなったとしても 大切にしようと思うほど とても美しかった

あれ？色が消えた？ 戻らない、なんで？

怖い、今？ 色が、見えない、 モノクロで鮮やかで綺麗なものが 見えない、わからない 怖い、どうし、たら？

俺が最後に見たものは、 6色に輝くシーグラスだった

おらふくん視点

おんりーの髪が、半分白くなった… どうしてなんだろう？ おんりーは大丈夫なの？

おんりーがみんなを見上げる

倒れそうになったおんりーを 支える

ホテルにて

　おんりーは苦しそうな顔をして 言おうか迷ってるように見えた

そこから、 おんりーの身に起こったことを 聞いた この旅行は色が見える間に 思い出を作ろうと思って 計画したらしい 僕と行った思い出の場所も そのためだそう 色が見えなくなると知った時 目が見えなくなる可能性があると 教えられた時 おんりーは絶望したのだろう 苦しそうに、辛そうに話す おんりーの目からは 涙が溢れていた

おんりーは 僕があげたシーグラスを胸に抱いて ぽろぽろと涙を流した

おんりーをみんなで抱きしめる

おんりーはとっても後悔して、 泣いて泣いて、病院に入院した

おんりーは入院して 戻ってこられないとしって 僕らに 「ドズル社から、 俺を脱退させてほしい。 目も見えなくなるから もう、ドズル社のおんりーは いなくなったんだ」 って言った

僕らはそんなの反対した、 けど、おんりーは頑固で、 戻ってこられないのに 希望を持たせる方が 配信者失格だよって笑った 白くなった髪と瞳をみたら 悲しくなってしまって おんりーの前で泣いてしまった 一番泣きたいのは、おんりーなのに

おんりーの願いを聞いて、 僕らは視聴者のみんなに おんりーの脱退を今から報告する

おんりー脱退から3年

おんりーは完全に 目が見えなくなって 足音とか声で誰か わかるようになったらしい

目は前よりもっと 白くなってしまっていた

三人称視点