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主人公
これが最後のチャンスだ
そして…これで最後になるはずだ
これが成功した後にはきっと…
主人公
A
B
このビルは俺らが住んでいる街の中で1番金目になるものが多い
もう後戻りなんて出来ない
俺たちはこうでもしないと食って行けないんだ
優秀な人材、産まれた時からの才能
そんなものとは無縁で生きてきた
地を這いつくばって
ノミのように醜く
だが、そんな生活ともおさらばだ
主人公
A
主人公
A
A
B
主人公
主人公
A
警備が緩いな
何か嫌な予感がする
A
B
A
主人公
主人公
かなり見えずらいトラップだ
今まで警備員が全くいなかったのは警備が緩そうに見せるための偽作だったのか?
それにしてもこれ…
主人公
B
主人公
何か独特な光を放っているような…
惹き付けられる
A
俺は手を差し出して手のひらサイズのセンサートラップを持ち上げた
主人公
A
Aは無線で俺の妻と連絡をとっている
夫婦で共同作業だ
水入らず…とまではいかないが
A
B
主人公
B
Bはやせ傾向かつ、身長が低い
そのため体格を利用した盗みを得意としていた
B
B
A
Aはバッグを取り出した
A
主人公
A
主人公
主人公
絵画を入れるためのバッグは綺麗にBの元に届いた
B
主人公
A
主人公
B
その時だった
ぶおおおおおおおおおおおおん
主人公
A
ドアが勢いよく開けられる
警察
A
B
主人公
まずい!!!!
終わる…終わるぞ!!
これで最後なのに……!!
全部上手くいってたはずなのに…!!
時間を戻せたらいいのに!!
警察
警察
主人公
主人公
もう朝焼けが見えてきた…
このままじゃもう…
主人公
B
A
Bが道を覚えていてくれるが…
それだけじゃだめだった
警察から逃げるための足なんて俺達には…
主人公
意識が遠のいた
俺は膝から崩れ落ちた
A
A
B
B
Bも同じように倒れた
A
A
元から生活するのに精一杯だった俺らに
警察から逃げる体力なんて無い
警察
警察
主人公
ダメだ
終わった
なんで最後の最後でこんな……
主人公
その時
耳元で車の音が響いた
A
妻
妻は車で警察にぶつかった
警察
主人公
A
B
妻
妻
主人公
A
B
俺らはアジトに無事帰ることが出来た
そして何よりの成果は…
B
B
妻
主人公
A
俺たちは自慢げに話をした
どっとみんなの笑い声や歓声が響く
主人公
妻
主人公
B
A
A
A
主人公
妻
A
妻
B
これで最後か
長かったようで短かったような
泥棒生活
これから先、どんな試練が待ち受けるのか
今はそれが1番楽しみだ
あんなに嫌いだった雨音が今は心地よく聞こえる
主人公
ドンッ
妻
B
バンッ!!!
耳が弾けそうな音だった
だがそんなことより……
主人公
B
A
目の前のBが倒れた
見えたのは鮮明な血液
ギャングA
B
嘘だ嘘だ嘘だ!!!
くっそ……こんなこと!!!
A
バンッ!!!
A
ギャングB
主人公
床には血液がどろどろ広がりつつあった
嫌な匂いが部屋に充満する
妻
主人公
妻は咄嗟の判断で拳銃を手に取った
そして躊躇無く……
バンッ!!!
心臓を一発
撃たれたのは妻だった
ギャングA
そんな……嘘だろ…
これから俺らはもっといい生活を…
考えていた自分が馬鹿みたいだった
主人公
かつてないほど叫んだのに
雨音しか聞こえなかった
不愉快な音だ
あぁ
時間が戻ればいいのに
その時
主人公
これは…
主人公
あの綺麗なトラップセンサーが光っている
そう言えば手に持ってそのまま逃げてきたな
でもなんで急に……
主人公
これは…?
雨音が聞こえない
時間が止まっている?
いや……違う!
雨が上へと戻っている
時間が戻っている!?
割れたガラス瓶が元の形に…
弾丸が銃口に…
血が妻の心臓に…
戻っていく
主人公
主人公
どのような仕組みで時が戻ったかは分からない
でも……分かる
妻が死ぬ前に俺がすべきことは
主人公
時が進み始める
妻
主人公
妻
バンッ!!!
背中が熱い
意識が保っていられない
妻
大丈夫だから
そう言いたかった
最後に俺は
彼女の手を握りしめた