観光することに決めた僕たちは着物をレンタルして、今は葛葉の着替えを待っているところだ。
僕の浴衣は青寄りの紫色の浴衣。
葛葉、似合ってるって言ってくれるかな…。
ドキドキしながら壁にもたれかかり、俯いていると、『お待たせ』と大好きな声がした。
ハッと顔を上げると、黒の浴衣に、髪はサイド捻りをしてもらっている葛葉がいた。
なんだかいつもと雰囲気が違う。
少しチャラそうで、ワルそうに見える。
少し動揺したけれど、すごくかっこいい。
僕は胸がキュンキュンと締め付けられるのを感じた。
葛葉
少し意地悪な笑顔にもキュンとしてしまう。
刀也
思わず両手で葛葉の手をギュッと握ると、葛葉は目を丸くしてから笑った。
葛葉
葛葉は空いているほうの手でワシャワシャと僕の髪をかき混ぜた。
葛葉
刀也
葛葉は僕に握られていた手を一度離して、指を絡めるとギュッと手を繋いだ。
外でも堂々と手を繋いでくれることが嬉しい。
先を歩くんじゃなくて隣を歩いてくれる。
僕の歩幅に合わせてくれる。
全部が大好きすぎて仕方がない。
今、葛葉をギュッと抱きしめたい。
そんな風に思っていると、葛葉は歩くスピードを落として暖簾をくぐった。
刀也
葛葉
『ん?』の一言だけなのにいつも甘くて優しく聞こえる。
一瞬、何を言いたかったのかを忘れてアタフタしだ。
刀也
葛葉
言いながら受付カウンターまで行くと、すぐに通してもらえた。
今日は平日ということもあって暇なのか、店内はとても静か。
僕たちはお座敷に案内されて、向かい合わせで座った。
僕がメニューを手に取ると、葛葉はジッと僕を見つめた。
刀也
聞くと、葛葉は無言で自分の隣を叩いた。
葛葉
刀也
カァッと顔を赤くすると、葛葉は当たり前だというように言った。
葛葉
す、素直なのも可愛いっ…!
密かにキュンキュンしていると、葛葉は痺れを切らしたのか、葛葉が僕の隣まで来た。
葛葉
葛葉は満足そうに微笑んで、僕が見ていたメニューを覗き込んだ。
え、え?
これ、近すぎない?
バカップルでもこんな密着しないと思うけど?!
隣に来た葛葉は隙間なくピッタリと僕と身体をくっつけていた。
ダメだ、大好きすぎて僕おかしくなりそう。
思わずため息を溢すと、葛葉は不思議そうに首を傾げた?
葛葉
刀也
ニコリと微笑むと、葛葉は至極嬉しそうに笑った。
コメント
3件
続き……続きは何時有りますか⁉️ あ〜マジで葛持最高☆