野生化ウイルス

あの…此処、学校のグラウンドでは…？

ああ、そうだ。
此処は広いからな。
もし襲われても逃げれる。

(逃げる前提…戦う気はないのか…。)

まぁ、一応拠点はあるんだが…
結構狭くてな…。

べ、別にそこでも…。

いや、無理だ。
その荷物と人間二人…
拠点はとても小さなテントなんだ…。

……。
(よく暮らしてこれたな。)

さて、この島について話すか。

私は貴方の事が知りたいんですけど…。

まず始めに。

聞いてない…。

この島は俺とお前以外誰もいない。
食糧は腐る程ある。しかし、衣服等はない。
まぁ、そんなものはなくても奴等がそれを捨ててくれるからそこから拝借するんだがな。
そんなことより、必要なのは武器だ。この島には包丁か斧ぐらいの刃物しかなくてな。銃どころか弾も爆弾…手榴弾もない。

せめて、自動式45口径パースエイダーやカノン、ショットガン…そんなものがあればいいんだがな…。

自動式45口径パースエイダー？

Google先生に頼れ。

奴等は俺達の様な人間を喰らう。
骨も残さず、綺麗にな。

俺は奴等が何なのか分からない。
ただ、人を喰らう獣と認識している。

…そんなの、お話の中の話だと思ってました。

だろうな。
だが、実際昔に人を喰らう獣がいても可笑しくはない。
例えば…血の味を覚えた熊とかな。

(…奴等が獣と似た者ともみてとれるが…この話は止めておくか。)

所で、貴方は？

お前もしつこいな…。

俺は森井 ブレッドだ。
ブレッドだと言う以外、何者でもない。

…年齢は？

…19。

あ、年下なんですね。

は？

私は、尾刀 ライトです。
年齢は20歳です！

…。

成人か。

貴方もじゃないですかね？

………。

じゃあ、ライト……さん。
拠点に行くぞ。

は、はい…。
あ、あと、「さん」はいらないです…。

…分かった…。