はる
病院の屋上
あたしはベンチに座り 意味もなく空を見上げていた
あの日から2週間がたった
結局何も阻止できず ラムまで失ったあたしは 全身ボロボロの状態で運ばれ
目覚めたのがつい先日
みんなお見舞いに来てくれて 迅たちにはすっごい怒られた
何も言わないあたしを見て すぐにやめたけど
はる
屋上には誰もいなくて あたしのため息が静かに響く
こんな時にラムがいればって もう何十回も考えてる
はる
そんなことを考えてると ガチャっとドアが開く
遊真
振り返ると遊真がいた
はる
遊真
遊真は呑気な顔で あたしの隣に座ってくる
はる
あたしはうつむきながら 不思議に思う
同じ悲しみを味わってるはずなのに
遊真は今も呑気に空を眺めている
はる
遊真
遊真
遊真が不意にこちらを向く
遊真
遊真
遊真がニコッと笑う
はる
その笑みに思わず 堪えていた涙が溢れる
はる
はる
はる
はる
はる
はる
はる
ポロポロと雫が落ちていく
はる
はる
はる
悔しさに顔が歪む
はる
涙のせいで顔がぐちゃぐちゃに なるのがわかる
はる
遊真
はる
はる
はる
はる
はる
遊真
泣きながら叫ぶあたしを 遊真はただ見つめている
遊真
遊真
遊真
はる
遊真
遊真
遊真
はる
遊真
遊真
遊真が再び笑う
遊真
はる
なんて優しい後輩なんだろう
こんなに励ましてくれてる 後輩を前に、泣いてる自分が 恥ずかしくなってくる
はる
あたしは涙を拭うと 遊真を見る
はる
あたしはわざと明るく言う
遊真
遊真がうなずく
遊真
遊真
遊真
はる
あたしもうなずく
遊真
遊真
はる
あたしは自然に笑っていた
1週間後
学校
はる
あたしは医者も驚くスピードで 回復し、通学も許可されていた
なので今日から学校である☆
と、いっても カウンセリングは結構な頻度で 受けさせられてる
はる
まー、精神的にちょっと ヤバかったらしいから しょーがないっちゃしょーがない
はる
あ、そうだと思い出す
いずみんに聞いた話だと あたしの机の中にプリント類が 入ってるらしい
はる
そんな事を考えながら校舎に入る
廊下はシーンとしていて 人気が無い
はる
はる
あたしはプリントを整理するために 早めにきてたんだ〜
えらいでしょ?
はる
そうして あたしは自分の教室まで 歩いていく
そしてドアに手を掛けようとした、 その時
上級生の男子
上級生の男子2
はる
あたしは慌てて手を引っ込めて 中を覗く
女子生徒
そこには上級生の先輩2人に 女の子が1人
はる
あたしは男子2人の上履きに気付く
あれは2つ上の学年の物だ
そしてその顔には見覚えがある よくこの教室を覗きに来る人達だ
女の子の上履きは角度的に見えない
しかし うちのクラスメイトでは無いことは顔を見てすぐにわかった
はる
はる
でも、なんかヤバそうな雰囲気
はる
そう考えてる時にも 中では会話が続く
上級生の男子
女子生徒
上級生の男子2
その時 上級生が女の子に拳を振り上げる
はる
はる
ガラッ バシッ!!
あたしはドアを勢いよく開け 間一髪で止めに入る
はる
上級生の男子
上級生が驚いたように目を見開く
上級生の男子2
はる
はる
上級生の男子
女子生徒
あたしは後ろの子に振り返る
あたしと同じの学年の子だった
はる
女子生徒
はる
女子生徒
女子生徒
ボーダーという言葉に 信用があったのだろうか
女の子が走っていく
それを見届けてから あたしは2人を見る
上級生の男子2人は なにか面白い物を見つけたように ニタニタ笑っている
はる
あたしは2人を睨みつける
上級生の男子
上級生の男子
はる
上級生の男子
上級生の男子2
はる
あたしは顔に青筋を浮かべる
上級生の男子2
上級生の男子2
上級生の男子2
上級生の男子2
上級生の男子
なんなんだコイツらは
はる
あたしは怒りの感情を 抑えつけながら 冷静に言う
上級生の男子
上級生の男子
上級生の男子
はる
こんな事思ってないけど やっぱりコイツらみたいなやつには 言いたくなる
上級生の男子2
上級生の男子2
上級生の男子2
はる
上級生の男子
上級生の男子
上級生の男子
はる
あたしは息を呑む
上級生の男子2
上級生の男子
その言葉はあたしの胸に 強く突き刺さった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
授業中
はる
はる
はる
はる
はる
はる
久しぶりの授業なのに 朝のことが頭から離れなくて まったく内容が入ってこない
先生
はる
出水
はる
あたしは はっと気づく
はる
手元のノートは真っ白
出水
出水
はる
はる
出水
あたしはなんとか誤魔化す
はる
それからしばらくして 授業は終わったのだった
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
キーンコーンカーンコーン
あっという間に下校時間
はる
あたしはいつもより早く 教室を出る
いつも一緒に帰ってる いずみん達には申し訳ないけど あたしがいなかったら 呼び出し食らったとでも思って
先帰るでしょ
ほんとにゴメンなんだけど 今アイツらと帰ると顔に出そうだし
これ以上迷惑かけられないし
はる
あんな奴らに振り回されてるのは 気に食わないけど 事実なんだからしょうがない
あたしの足は屋上に向かっていた
少し1人で考えたかったから
屋上
ガチャと音をたててドアを 開ける
はる
空はとても綺麗に晴れていて どこまで続いている
ここの校舎には フェンスが付いておらず 下を覗けば街が見下ろせる
あたしはそこに腰かける
はる
はる
はる
ここの所紙からの応答が無い
ラムのことと関係してるのかは わからない
はる
そうなって来ると 1つ考えてしまうことがある
はる
そう ボーダーのみんながいる生活は もう充分満喫した
確かに最初は嬉しかったし、 楽しかったけど こっちの生活もあまりいいもの じゃない
あたしはあまりいい目で 見られないし、 漫画の世界なだけあってトラブルも 多々ある
そして現世と家庭環境も 一緒となれば こっち生活の方が ハードかもしれない
あたしの親は結構ヤバめだからね
サイドエフェクトのことも まだよくわからないまま
なんならサイドエフェクトで ラムを取り戻したい
だけど居場所が正確に分からない 以上、 たくさんチカラを使うし 取り戻せない確率のほうが高い
自分のことながら恥ずかしいよね
そしてあたしは役目を果たせなかった
紙の応答もなし
そしていずみん達の 足手まといにすらなってる
あたしがこの世界にいる意味って あるの?
……むしろ邪魔じゃん
そう思っていたら あたしは頬に熱い感触を感じる
はる
自然と涙が出てくるけど なんでかはわからない
はる
はる
ただの手助けのつもりがなんで こうなったのかはわからない
はる
あたしは空を見上げる
さっきと変わらない光景
はる
はる
あたしは立ち上がる
爽やかに流れてくる風に あたしの髪がなびく
はる
はる
あたしは目を閉じて 深呼吸する
はる
そしてあたしは 空中に足を踏みだしたんだ
出水サイド
今日ははるの様子が 明らかに怪しかったので 後をつけていた
と、言っても さっきアイツが屋上に向かった、 という話を聞いて来たんだが。
アイツは顔に出やすいからな 俺に隠し事なんかできるわけがねえ
そう思いながらドアを開ける
出水
目線の先には はるが立っている
出水
ドアを開けても反応しない というか気付いていないらしい事に 俺は怪訝に思う
アイツは勘が鋭いから 少し意外だ
そう思った時
はる
出水
俺は息を呑む
頭の中で警報がビービー鳴っている
出水
俺は反射的に走り出す
アイツは踏みだしたんだ
何も無い、空中に
はるサイド
ガシッ
はる
あたしは思わず間の抜けた声を出す
あたしの身体は街へ落下する 変わりに 誰かに引っ張られ その人に倒れ込んだ
あたしは自分の真上にある顔 を見上げる
はる
はる
出水
急に怒鳴られ少し動揺する
はる
よく見ると彼の顔も 動揺して歪んでるのがわかる
出水
言われてから気づく
歪んだ視界から キラキラとした雫が横に流れていく のがわかる
はる
あたしは困ったように笑う
自分でもよくわからないから
出水
いつもより真剣な声
はる
はる
あたしは目をふせる
はる
はる
はる
はる
あたしはなぜか笑みを浮かべる
出水
出水
はる
出水
出水
出水
はる
出水
出水
出水
はる
出水
出水
いずみんの真剣な眼差しが ささる
出水
出水
出水
出水
はる
出水
出水
いずみんは笑ってみせる
はる
はる
はる
はる
出水
はる
はる
はる
出水
はる
あたしたちは屋上をあとにした
夢主
夢主
夢主
夢主
夢主
夢主
夢主
コメント
1件
続きめっちゃ楽しみです✨✨