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#スピンオフ
井川奎
209
#超特急 最年少
聖次
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花凜
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莉央の好きな人から、俺にメッセージが届いた。
『莉央から聞いた。相談に乗ってくれてるんだって?』
その一文を、何度も見返した。
俺はスマホを伏せた。
どうして、こんなに苦しいんだろう。
次の日の昼休み。
俺はいつもなら莉央と話している時間を、図書室で過ごしていた。
静かな空間。
本のページをめくる音だけが聞こえる。
そのとき。
莉央
顔を上げると、入り口に莉央が立っていた。
湊
莉央
湊
莉央
湊
莉央は少しだけ不満そうな顔をした。
莉央
湊
莉央
湊
莉央
莉央は笑った。
でも、その笑顔はどこか寂しそうだった。
莉央
湊
莉央
その言葉に、胸が止まりそうになった。
湊
莉央
湊
莉央はじっと俺を見ていた。
その視線から逃げるように、俺は本に目を戻した。
莉央
その声が、少しだけ寂しそうに聞こえた。
莉央は何も言わずに、図書室を出ていった。
俺は本を閉じた。
避けている。
そう思われても仕方がない。
だって俺は今、必死に莉央から離れようとしている。
好きな人の相談をされるたびに、苦しくなるから。
その日の帰り道。
俺は一人で歩いていた。
いつもなら、隣に莉央がいる。
くだらない話をして。
笑って。
時々、莉央の後ろを歩いて。
それが当たり前だった。
でも、今日は違う。
一人で歩く帰り道は、思っていたよりも静かだった。
そのとき。
スマホが震えた。
莉央からだった。
『今日、ごめん』
短いメッセージ。
俺はすぐに返信しようとした。
でも、指が止まった。
何て返せばいい?
『俺の方こそごめん』
そう送ろうとして。
やめた。
そして、スマホをポケットにしまった。
その夜。
莉央から、何度かメッセージが届いた。
でも、俺は返信しなかった。
次の日の朝。
教室に入ると、莉央はすでに席に座っていた。
俺に気づくと、莉央は顔を上げた。
目が合った。
いつもなら、莉央が笑う。
おはよ
と言ってくれる。
でも今日は。
莉央は、何も言わなかった。
俺も、何も言わなかった。
そのまま、自分の席に座った。
たった一日。
それだけなのに。
俺たちの間には、今までなかった距離ができていた。
そして昼休み。
莉央は、友達と話していた。
その中に、昨日メッセージを送ってきた男子がいた。
莉央は、楽しそうに笑っていた。
俺は、目をそらした。
もう、見ないようにしよう。
そう思った。
その瞬間。
莉央の笑顔が、突然消えた。
彼女は、俺の方を見ていた。
そして、俺ではなく――
俺の隣に空いた席を、じっと見つめていた。
放課後。
俺は誰もいない屋上に来ていた。
風が少し冷たい。
フェンスの向こうに見える街を眺めながら、俺はため息をついた。
湊
莉央から離れたって、好きな気持ちは消えない。
むしろ、離れれば離れるほど、莉央のことを考えてしまう。
そのとき。
屋上のドアが開いた。
莉央
湊
莉央
湊
莉央
莉央は言葉に詰まった。
莉央
湊
莉央
湊
莉央
莉央は俺の隣まで歩いてきた。
そして、少しだけ距離を空けて立った。
莉央
湊
莉央
湊
莉央
湊
莉央
莉央の声が、少しだけ強くなった。
莉央
湊
莉央
湊
莉央
湊
莉央
湊
莉央
俺は莉央を見た。
莉央は、真剣な顔をしていた。
莉央
湊
莉央
言えるわけがなかった。
君が好きだから。
君には好きな人がいるから。
その人の相談をされるたびに、苦しくなるから。
だから、離れたい。
そう言えたら、どれだけ楽だっただろう。
湊
莉央
湊
言ってしまった。
莉央の表情が、少しだけ固まった。
湊
莉央
莉央は笑った。
でも、その笑顔はいつものものじゃなかった。
莉央
湊
莉央
莉央は俺の言葉を遮った。
そして、屋上のドアへ向かって歩き出した。
俺は追いかけようとした。
でも、足が動かなかった。
今までずっと、莉央の後ろを歩いていた。
なのに。
初めて、莉央の背中を追いかけることができなかった。
コメント
1件
みぅです🤍 第3話、読み終わりました。 湊くんの「好きだからこそ離れる」って選択、胸がぎゅっとなりました…。図書室の避ける視線も、屋上で「莉央には関係ない」って言っちゃうところも、全部が苦しくて。特に莉央ちゃんが空いた席を見つめるラスト、あの距離感が切なすぎます。お互いの気持ちがすれ違うもどかしさ、リアルでした。かんゆさんの言葉、ちゃんと受け取りました🥀